ユーモアと切なさが同居する糸井節!『MOTHER2』はグラフィック・音楽・ゲーム性・すべてが高水準な傑作RPG

ユーモアと切なさが同居する糸井節!『MOTHER2』はグラフィック・音楽・ゲーム性・すべてが高水準な傑作RPG

今まで様々な時代の、数多のRPGを遊んできましたが、本作はその中でも1、2を争う至高の傑作です。そんな不朽の名作『MOTHER2 ギーグの逆襲』は1994年、任天堂から発売されました。糸井重里氏が手がけたことでも知られるこの作品は、含蓄のあるセリフや不思議でどこか温かさに満ちた世界観でプレイヤーの心を掴み、いまなお多くの人に愛され続けています。


例えば「サマーズふうパスタ」がそれにあたるでしょう。

「16せいきのサマーズおうサマーズ3せいがこのんだといわれているパスタだ。
とうじのサマーズきゅうでんにはうでにおぼえがあるりょうりにんが
たすうでいりしていた。あるなつのひのこと、サマーズおうのきさき
アンナ・サマーズが「ああ、おいしいパスタがたべたい!」と…。
……………。
………せつめいがながくなりそうなのでけつろんをいおう。
たべるとたいりょくがやく110かいふくする。」
(原文)

…とこんな感じでした。ゲーム内容とは全く関係のない文章ですが、読んでいると楽しくなってくることうけあいです。

もちろん長い説明文ばかりではありませんが、一言コメントが添えられていたりと、よりグッズの特徴を一層引き立てているため、どんなモノか面白可笑しく想像しやすくなっているのもポイントです。

ストーリー展開の説明不足感の改善

前作ではゲーム中でストーリーの道筋がキャラクターのセリフから明かされる要素はかなり少なかったのですが、本作ではテキスト面での説明不足感はある程度、解消されています。
ゲーム開始冒頭でラスボス「ギーグ」の素性や冒険の目的が簡潔に語られる他、シナリオ毎のボス攻略後に次の目的地が示されるなどして、話の筋道や次に向かうべき目的地がわかりやすくなっています。

賛否両論点

シナリオの作風

前作同様、世界の情勢やキャラクターの心情などの描写が極めて少なく、シナリオの細部をプレイヤーの想像に委ねるスタイルをとっています。
特に、冒頭から登場する主人公の隣人ポーキーが敵として暗躍するようになってしまうまでの経緯などが一切語られません。プレイヤーがその動機を推察することすら極めて困難なほど、ポーキーに関する描写は少ないです。
このようにプレイヤーの感性に委ねる点が多い点などを含め、万人受けし難い要素も比較的多いです。RPGというジャンルに対して「自由度」や「ストーリーの作り込み」を求めるプレイヤーには不向きであり、そういう意味においては本作も人を選ぶ作品ではあります。
ただし、シリーズを通して物語の核心部分は語られない傾向にあり、そこをプレイヤーの想像に委ねる点は良くも悪くも「MOTHERならではのスタイル」と言えます。
設定やストーリーを深く作りこんだ作風を好むユーザーにとっては批判点になりやすいですが、この辺りの評価に関しては、やはりプレイヤーの感性や受け取り方次第によるところが大きいでしょう。

問題点

シナリオ進行に伴う行動可能範囲の制限

フィールドが全て広大な1枚絵で形成され地続きであった前作と異なり、本作ではシナリオ毎にフィールドマップが道路やトンネルなどの通路でハッキリと区切られている他、グラフィックの表現力も上がって箱庭的な趣が強くなったため、前作と比べると全体的に狭さを感じさせられます。
シナリオ進行に関してもシナリオの攻略順が明確に固定化されており、それに伴ってフィールドの行動範囲が制限されます。
このため、前作や同時代の他のRPGに比べるとシナリオ面・行動範囲両面において自由度は低めです。
前作は鉄道が利用できるようになった中盤以降の自由度が非常に高かったため、それと比較すると本作の自由度の低さが不満点として挙がる事がままあるのは仕方がない部分ですね。

パーティ編成面での自由度の低さ

ポーラ、プーがそれぞれ、あるイベントで前触れなしに強制離脱してしまいます。
特にプーは前後でセーブできない状態で離脱するため、持たせていたアイテムが暫く取り戻せなくなってしまいます。(キーアイテムは除く)
離脱によってこちらは戦力が低下する訳ですが、敵の強さはほとんど変わらないため相対的にきつくなってしまうところも痛いです。
さらに、ここでテレポートを使うと同じダンジョンのやり直しになってしまい、余計きついことになります。

総評

長時間プレイ(2時間位)するとパパから休憩をすすめる電話がかかってきます。これは前作「MOTHER」からの仕様です。そして、MOTHERシリーズは長時間プレイに釘を差すゲームとしては先駆的存在だったのです。

『MOTHER2 ギーグの逆襲』パッケージ裏

Amazon | MOTHER2 ギーグの逆襲 | ゲーム

当時の標準的なRPG像と大きく異なる前作の特徴は「MOTHERらしさ」という言葉でよく言い表されます。その独自性を保ったままの完全新作が遊べる事を喜んだファンは多かったでしょう。
オーソドックスな戦闘システムは一風変わった緊迫感のある戦闘システムへ洗練、昇華され、より広く深く掘り下げられた世界観もたっぷりと楽しめます。
他のRPGでは味わえない独自性と「少年少女の大冒険物語」という王道さを兼ね備えた、まさしく「大人も子供も、おねーさんも」楽しめる、後世に残したい傑作です。

余談

本作を語る上で外せないのが、プログラミングを担当した岩田聡氏に関するエピソードですね。
開発当時は相当に行き詰っており頓挫しかかるほど難航を極めていたのですが、これを見た岩田聡氏が「いまあるものを活かしながら手直ししていく方法だと2年かかります。イチからつくり直していいのであれば、半年でやります」と言い実現させたというエピソードは、氏のプログラミングの手腕を含め、現在でも語り草になっています。
「MOTHER2 ふっかつさい 記念対話」によると、その当時グラフィック、シナリオ、サウンドなどの素材は完成していたものの、ゲームとして動かせる状態には無かったようで、岩田氏がプログラムを手がけると半年で動くようになっていたらしいです。
そのような困難な過程を経て作られた本作のプログラムですが、ロムの解析が進んだ現在では、凝った作り込みが所々に確認できます。
例えば、データの破損に対して入念な対策が施されているとか。二重のエラーチェックでセーブデータの故障を防ぐほか、万が一の場合でも復旧できるようバックアップ用に予備データが保存される仕組みを搭載。おかげで、本作はデータがすごく消えにくくなっています。
それでも消えてしまった場合のメッセージがさりげなく用意されていたりも。
海賊版対策も「強引に起動していた場合エンカウントが異常に増える」「最後の対策がギーグ戦中に発動する」などといった形で5重に仕込まれていることが判明しています。

最後に ~8 Melodies~

『MOTHER2』を遊んでいると、ふとしたセリフの中に哲学を感じることが多々あります。年齢を重ねるにつれて、思わぬ場所での何気ないメッセージに、思わず「人生って、そんなところがあるよね……」と考え込んでしまうことが増えてきて、今さらながら『MOTHER2』の深さに感心してしまいます。
そんな『MOTHER2』は、今はWii Uのバーチャルコンソールで気軽に遊べます。20年前以上前のことを思い出しながら遊ぶもよし。まだ遊んだことがない知人にオススメするもよし。筆者は自分の子どもがある程度の漢字が読めるようになったら遊ばせたいなと思っています。小学生には難しい内容かもしれませんが、ポーキーへのむかつきとか、マジカントやムーンサイドでの衝撃とかは、子どもの時のほうが心に残るような気がしますので。

本稿で記載しております情報は、ゲームカタログ@wikiから引用させていただきました。

出典元はコチラです。

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