「大人も子供も、おねーさんも」
『MOTHER2 ギーグの逆襲』
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MOTHER2 ギーグの逆襲 - Wikipedia
当時のCM
概要
不朽の名作ファミコンRPG『MOTHER』から5年の時を経て発売されたシリーズ2作目。現代アメリカ風の世界を舞台に、主人公とその仲間たちによる冒険を描いたRPGです。
プラットフォームをスーパーファミコンに移し、前作の雰囲気を継承しつつ大幅にパワーアップして帰ってきました。特に色調や音楽が鮮やかになっています。また、場面によっては『音』がヒントになっており、説明書ではちょっと大きめの音量でプレイすることを推奨していました。
基本的な要素は前作を継承していますが、シナリオや世界観の面で繋がりはありません。これは本作が「続編」ではなく「リメイク」としての位置づけが強いためです。
前作同様ゲームデザインには糸井重里氏が、音楽はムーンライダーズの鈴木慶一氏と様々なゲーム音楽に携わってきた田中宏和氏の二人の共作となっています。
ゲームのテキストはすべて糸井氏が監修しており、そのセリフの多さも大きな特徴の一つとなっています。ゲームのヒントやアドバイスといったセリフはもちろんのこと、ゲームとは全く関係のないただの世間話や糸井氏の遊び心あふれる愉快なセリフ、メッセージもたくさん含まれています。中には、期間限定であったり、特定のメンバーを気絶させることで初めて見ることができるメッセージも多数ありました。
シナリオ・演出・作風
抜群のシナリオ、演出、そして音楽
糸井重里氏が全てを手がけた抜群のシナリオと演出は本作の大きな魅力です。キャラクターのセリフにおける糸井節も健在でした。
鈴木慶一氏と田中宏和氏の手がけたポップでメロディアスな音楽はシナリオの展開と相まって要所要所でプレイヤーの感動を誘います。
「音楽を大事にする」という前作のコンセプトを見事に継承。プラットフォームがスーパーファミコンに移り、使用可能音源が大幅に増えたため、「音楽でどこまで遊べるか」にもチャレンジしています。そのため作中BGMはもちろん、効果音一つとっても遊び心がこもっています。
例として、BGMの中にはアメリカで大ヒットした楽曲のイントロをサンプリングしたものが多く用いられており、現代アメリカ風の世界観に絶妙にマッチしています。
本作で集めることになる"エイトメロディーズ"「SMILES and TEARS」は作中の演出と相まって非常に評価が高いです。
ファンサービス的な要素として、前作のBGMが随所にアレンジされて使用されているのも特徴です。サンプリング音もバリエーションが多く、とあるボス戦で生々しいゲップの音が鳴ったり、ネーム決定時に「OKすか?」と聞かれたり、自転車のベルの音が鳴らせたりと多種多様に存在します。敵の種類によって変化する戦闘BGMも数が豊富になって、よりゴージャスになりました。
前作との大きな違い
前作が比較的クラシックなアメリカンカルチャーを題材に少年期の冒険やノスタルジーを描いていたのに対し、本作はドラッグムービーやトランステクノなど「前衛的」なサブカルチャーを前面に押し出しています。
そのため文法の崩壊したエキセントリックなキャラクターが多数登場したり意図的に不条理なシナリオ展開を見せるなど、一見牧歌的に見える世界感に混ぜ込まれたサイケデリックな作風が、大きなギャップを醸し出しています。
特に戦闘時はBGMがエフェクトを多用したトランス調であったり、戦闘画面の背景が「オプアート風の鮮やかな絵柄がうごめくアニメーション」になった他、PSI(他のRPGで言うところの魔法やスキルといったもの。超能力)や一部アイテム使用時のエフェクトが抽象的なサウンドと独特な幾何学模様のアニメーションで演出される等、この傾向が顕著に現れています。
王道からトラウマまで
本作は地球規模の世界を舞台にしたスケールの大きな世界観が特徴で、都会、異国、魔境、地底世界など様々な場所を冒険していきます。
王道的な冒険ムードのみならず、シュールかつ不条理で不気味な雰囲気を醸し出すシチュエーションも多いです。特に「ムーンサイドの街」や「ラスボス戦」の演出は本作における生理的嫌悪感を煽るトラウマシーンとして、よく名が挙がります。
シナリオの骨子は「世界の救世主として選ばれた少年が仲間を探して旅立つ」というものではありますが、ストーリー上でこのような展開になるのは後半からで、前半はほとんど自由に(時には何が目的で行動していたのかプレイヤーも忘れるほどに)自分の生まれた町や近所の街を歩きまわれます。強制されるイベントが少なく、とてもフリーダムです。
世界観は前作同様アメリカンながら、ノスタルジックで現実的な雰囲気が強かった前作に比べるとテイストはやや王道的かつファンタジックに纏まっています。
あらすじ
イーグルランドの田舎町オネットに、ある夜、隕石が落ちる。
隕石から現れたのは未来人を名乗る不思議な虫ブンブーンだった。
彼から地球の未来に危機が迫っている事、
そして自分が地球を救う救世主となるべく存在であることを知らされた主人公は、
銀河宇宙最大の侵略者ギーグの野望を阻止するため、
世界に散らばる8つのパワースポットと、共に戦う仲間たちを探して旅立つのであった。
メインキャラクターの紹介
ぼく(デフォルト名:ネス)
ネス
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イーグルランドの田舎町オネットに住む男の子。未来からの来訪者ブンブーンより自分が地球を救う救世主たる存在であることを知らされ、内なる秘められた力を解放する8つのパワースポットと、共に戦ってくれる仲間たちを探しに旅立つ。
素早さはやや低めだが、能力値は全体的に高い。PSIは前作同様、回復・補助系がメインだが、今作では彼にしか使えない無属性の専用攻撃PSIが追加され、よりオールラウンダーな主人公らしさが確立した。
おんなのこ(デフォルト名:ポーラ)
ポーラ
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オネットの隣町ツーソンで話題の超能力少女。
予知能力とテレパシー能力を持ち、予知夢で見たネスと運命を共にすべく彼に呼びかけを続け、共に旅立つ。
前作同様、HPと物理攻撃力の低さという欠点を持つが、彼女にしか扱えない強力な攻撃PSIの数々と素早さの高さが補っている。
攻撃力自体も前作の「おんなのこ」より上がっているため、物理攻撃でも十分役立ってくれる。
おともだち1(デフォルト名:ジェフ)
ジェフ
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ネスたちの危機を救うべくウィンターズのスノーウッド寄宿舎から駆け付けてきた科学少年。
PSIは使えないが、IQの成長に応じて壊れた機械を修理して攻撃アイテムに作り変えたり、彼にしか使用できない強力な攻撃アイテムを扱える。
また「チェック」コマンドで敵の情報を知ると共にアイテムをくすねることができる。
おともだち2(デフォルト名:プー)
プー
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東の異国ランマ王国の王子。パーティの最年長。「ム」の修業を終えると共に自身が選ばれし子供の1人であることを知らされ、ネス一行の元へ駆けつけた。
異国出身ゆえに西洋の料理や衣類・道具の類は体質に合わないらしく、回復アイテムや装備品は専用のものが用意されており、通常のアイテムや装備品を使うと逆に回復量やステータスが大幅に低下してしまう。
攻撃PSIは(味方では)彼にしか使えないPKスターストーム系を中心に、一部、他のキャラが使えない上位のPSIを扱える。
IQがやや低めなため最大PPが少なめで、高威力のPSIを連発するとガス欠を起こしやすいのが欠点。
ポーキー・ミンチ
ポーキー
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ネスの隣人のミンチ家の長男。ネスの旅立ちのきっかけを作った張本人でもあり、やがて数奇な運命に導かれ、ギーグの手下としてネスたちの旅を妨害すべく暗躍するようになる。
どせいさん
どせいさん
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ゲーム画面
意欲的なシステムの数々
本作のシステムは前作から引き継がれているものが多いです。
一方で、他ではあまり見られない、本作独自の特徴的かつ意欲的な新システムが搭載されているので、その一部をご紹介します。
ドラムロール式パラメータ
ダメージや回復によるHPの増減が一挙になされるのではなく、ドラムロールの回転によって徐々になされるというシステムです。
つまりHP残量を上回るダメージを受けても、HP表示が完全に0になるまでは行動ができます。0になるまでに回復すれば力尽きることもなく、さらに体力減少は戦闘終了時にストップします。
このシステムを活かして「敵から致命的なダメージを受けてもあえて回復せず、すばやくコマンドを入力してHPが尽きる前に敵を全滅させる」「回復をしたときはドラムの回転が止まるまでコマンド入力せずに待ち、致命的なダメージを受けた際により多くの時間が稼げるよう備える」「倒すと爆発して大ダメージを与えてくる敵を最後に倒し、ダメージを最小限に抑える」などの様々な戦略を練ることができました。
また、新たなパラメータ「ガッツ」が高いと、ごくまれにHPが0になっても気絶せずHP1で踏み留まることがあります。このパラメータの値が高いとクリティカルヒット(SMAAAASH!)が出やすくなる他、致命傷を負ってもHP1で踏みとどまる確率が高くなっていきます。
シンボルエンカウント方式
シンボルとエンカウントした人の図(イメージ)
熊に遭遇した人のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや
フィールド上を主人公と同様に移動している敵シンボルに接触することで戦闘に突入するという方式です。そのへんを適当に歩いている動物系や道路上をうろつく乗り物系の敵、こちらが近づくまで動かない植物系の敵、不規則な挙動やワープを駆使する宇宙人系の敵など、敵シンボルは種類に応じてそれぞれ特徴的な動きをします。
フィールド上の車や動物、植物系のモンスターなどは近づいてみないと敵かどうか判別し難いですが、人間系の敵の場合はフィールド上の一般人キャラと動きが異なること以外に「顔色が悪い」という特徴で区別されており、視覚的にわかりやすくなっています。
1つのシンボルは敵1体に対応していますが、敵シンボルと接触すると付近にいる敵シンボルも吸い寄せられるように近寄ってきて、複数の敵と戦闘することになります。
敵シンボルとの接触の際に、敵の背後から接触すると先制攻撃を行えたり、逆にこちらの背後に接触されると敵に先制攻撃されたり、といった要素もありました。
パーティメンバーのレベルが大幅に高い場合、敵シンボルが逃げていくようになります。この場合や、先制攻撃を取った際に通常攻撃で倒しきれる場合、接触時には戦闘シーンを省いて一瞬で勝利できます。余計な戦闘を省いてゲーム進行が快適になる他に、自分の成長を実感できる演出的効果もあり、非常に革新的でした。
個性的な状態異常
本作には他作品ではあまり見かけないユニークな状態異常が多数存在します。
主人公限定の状態異常「ホームシック」の他、「日射病」「気持ち悪い」「変」「キノコ」「ゴースト」「ダイヤモンド」などで、その効果も様々でした。
これらの治療法も一風変わっているものが多いです。例えば、ホームシックになった場合は母親に電話をすれば克服でき、頭にキノコが生えた場合はヒーラーやキノコ狩りをしている人に買い取ってもらうことで治せます。
味付け用調味料
食べ物系アイテムの使用時に自動的に併用されるアイテムなんてものもありました。「しお」「タバスコ」「コンデンスミルク」などの調味料類です。
その食べ物と相性が良ければ回復量が2倍になります。例えばゆでたまごと塩、ピザとタバスコ、バナナとコンデンスミルクなどの組み合わせが相性が良いです。
味付け小物は安価なので、高い回復効果を持つアイテム一個を購入するより、低い効果のアイテム+相性のいい味付け小物を買う方がお金の節約になりました。また戦闘中に1ターンで大きく回復できる利点もあります。
PPを回復したり基礎能力値を上昇させる貴重なアイテムにも適用されるため、上手く使えばゲームを楽に進められます。
ただし味付け小物と回復アイテムの分で、アイテム欄を二つ占有するというネックもあります。また味付け小物の消費は強制なので、持ち物の組み合わせに気を付けていないと、相性の悪い食べ物に対しても勝手に使用されてしまいます。この辺りの駆け引きも含めてユニークな要素でした。
味付け小物単体で使用することも可能ですが、回復量は極めて低いです。