中島らもさん。
私はサブカルはほとんど詳しくないのですが、中島らもさんと言えば、この「明るい悩み相談室」のイメージと、後半は酒とドラッグに飲まれてしまった人、というイメージなのですが、この繊細な文章力には、今でも上のツイートのような、根強いファンがたくさんいる人です。
隠れた天才作家「中島らも」について熱く語る! - Middle Edge(ミドルエッジ)
VOWを「歴史書」と評する中島らもさん。
中島らもさんは、「VOW」について、このような寄稿をしています。(VOW2 31-33ページから要約)
21世紀に向けて(この本は1989年に発行)、数百年後の人間に残すべきものといえば、「VOW」のようなものではないか。別にヨイショをしているわけではない。
江戸時代に、朝日文左衛門という侍がいた。
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(要約続き)
この侍は、大酒飲みでスケベでミーハーな男で、一言で言って「とんま」な侍である。しかしこの人物の特徴としては、無類の「記録好き」で、非常に細かいところまで日記のように記録していた。
そのため、当時のごく普通の庶民の暮らしぶりをのちの人間にまで細部にわたり伝えることができた。
「VOW」も、高尚な文化からは程遠いかもしれないが、今現在の、普通に巷にあふれている何でもないようなことを記録してある。
歴史というものは、時代を形作った「偉人」だけがピックアップされがちだが、昔の人がそんなにみんながみんなかしこかったわけではない。とんまな人間が作ったとんまな物事もまた、後々に残すべき文化とはいえないだろうか。
「VOW」の投書もまた、こうした「おバカさん」の集大成であろう。
このような内容の寄稿をしています。
中島らもさんについてのことは、改めて他に記すことにして、この「VOW2」に記録されているネタからご紹介します。
とにかくパワフルなネタの連続「VOW2」
「(初代)VOW」から「VOW3」までは、渡辺祐さんが総本部長として編集しているのですが、それ以降のVOWとは、一種分断されたような、「これぞサブカル!」(ただしサブカルの真髄についてはわかっていませんが。)という、非常にパワフルなネタが満載です。
パワフル、というか、「どひゃーっ!」と思わずひっくり返りそうなネタと表現すればいいのでしょうか。
いいタネですね!!。

サカタ「交配」の「さつきみどり」とは、なんとも淫靡なきゅうりですね。
「きゅうり」のタネというところもポイントが高い(笑)。
サカタ交配のさつきみどりのきゅうりのタネは、現在でも続くロングセラー商品のようですね。
姉妹商品もいます??。

小松菜と思われますが、さつきみどりの姉妹の「こまつみどり」さんもいますね。
何とも奇特なお願いですね。

観音様が見守る畑らしき土地のそばに、「タンスに魚を入れないで下さい」というお願いのでかい看板が。
これはもう、どう見てもわけがわかりません。
看板の「あおい商事」さんを検索してみましたが、どうやら現在は事業をやっていらっしゃらないのか、福井のガソリンスタンドの会社などしかヒットしませんでした。
「七日町」というのは、おそらくJR只見線の駅ですね。
この一見MAD過ぎる看板は、実はちゃんと意味があるようで、
この看板のある会津若松市は「桐箪笥」が特産品のようです。
この標語の意味は、「会津若松の桐箪笥は極めて丈夫に出来ており、水を入れて魚を飼育することも可能ですが、箪笥は服を入れるためのものですので、魚は入れないでくださいね。」というジョークだそうです。
しかしこの看板、予備知識がないと、一歩間違えば、「はあ?」と疑問に思いますよね。
まあ、そこを狙っているのでしょうが。