BTTFのマーティー役でお馴染みのマイケル・J・フォックス
「『バック・トゥ・ザ・フューチャー』って何ですか?」
いきなり個人的な体験談で恐縮ですが、以前、こんなことを言う20代前半の知り合い(女性)がいて、驚愕したことがあります。えっ、存在を知らない?…いやいや、あんなに金曜ロードショーとかで頻繁に放送されているのに!?超がつくほどの有名作品なのに!?そもそも、成人するまでの過程においてその存在を知り得ずに生きていくことなどほぼ不可能なはずなのに…。もう、周囲の人間から『BTTF』を忌避するよう情報統制されているとしか思えませんでした。
いうまでもなく、筆者含めたアラサ―・アラフォー・アラフィフ男にとって、『BTTF』は一般教養レベルの基礎知識。どんなストーリーかあえて説明せずともある程度理解し、「ドク」「デロリアン」といえばパッとイメージできるほどに、多くの人の中で共通言語化していることでしょう。当然、主人公・マーティ・マクフライを演じているのが、俳優・マイケル・J・フォックスだというのも、ご存じな方が多数派であるはず。しかし、彼が『BTTF』以外に、どんな映画に出演しているのかはあまり知られていないのではないでしょうか?そこで今回、マイケル・J・フォックスの『BTTF』を除く主な出演映画・俳優活動を紹介していきます。
ファミリータイズ‐1982年~1989年放送
マイケル・J・フォックスのキャリアは、テレビドラマからスタートしました。彼の名を一躍知らしめた作品は、アメリカのテレビドラマシリーズ『ファミリータイズ』。昔、NHKで放送されていた『アルフ』『フルハウス』のような一家のドタバタ劇を中心に据えたコメディでありながら、マイケル演じる主人公で保守的な息子アレックスと、元ヒッピーのリベラルな両親の対比で笑いを生じさせるという社会派ドラマでもありました。ここでの好演が評価され、マイケルは、エミー賞のコメディ部門主演男優賞を1986年から3年連続受賞。さらに、劇中で恋人役をつとめたトレイシー・ポランと本当に恋に落ちて結婚するなど、彼の人生にとって公私ともに大きな影響を与えた作品としても知られています。

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ティーン・ウルフ‐1985年8月23日公開
アメリカ本国で『BTTF』公開のわずか1ヶ月半後に公開された映画がこちら。タイトルから察しが付く通り、ティーンネイジャー役のマイケルが狼男に変身してしまう物語です。日本版のテレビCMのナレーションで「マイケル・J・フォックス、過去から戻って第2弾!」(第1弾が何なのかは不明)と明らかに『BTTF』を意識した謳い文句で宣伝していることからも、その影響力が分かるというものです。

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愛と栄光への日々‐1987年2月6日公開
なかなか『BTTF』のイメージから抜け出せないマイケル。この『愛と栄光への日々』でも、チャック・ベリーの『ジョニー・B.グッド』を演奏していたパート1の印象そのままに、ロックバンドの一員役としてギターを奏でていました。

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摩天楼はバラ色に‐1987年4月10日公開
舞台はニューヨーク・マンハッタン。大都会での成功を夢見て、カンザスの片田舎からやってきた青年(マイケル)が何社も面接に落ちた挙句、大企業の最底辺職に雇われ、そこでこっそり重役になりすまし、さまざまな手段を講じて成功へのチャンスを掴もうとするコメディです。ちなみに、同作の原題は『The Secret of My Success』。そこから『摩天楼はバラ色に』と気の利いた邦題をつけた配球会社の担当者に拍手を送りたい作品です。

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再会の街/ブライトライツ・ビッグシティ‐1988年4月1日公開
『愛と栄光への日々』以来となる、マイケルのシリアス路線作がこちらです。大都会・ニューヨークを舞台に、退廃的な生活を送る作家志望の男を熱演。なお、マイケルの悪友役には、若き日のキーファー・サザーランドが配されています。

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カジュアリティーズ‐1989年8月18日公開
コメディアンがある時期を境にシリアス俳優(性格俳優)路線に転じる様を、『日本の喜劇人』などの著書で知られる作家・評論家の小林信彦は、その代表的人物の名を拝借し「森繁病」と名付けました。日本においては、藤田まこと、クレイジーキャッツのハナ肇、ドリフのいかりや長介などがその罹患者として挙げられますが、マイケルもその病理に冒されようとしていたのでしょうか。『再会の街/ブライトライツ・ビッグシティ』に引き続き、『カジュアリティーズ』でも、シリアス路線を継続。ベトナム戦争中に起きたアメリカ陸軍兵士による戦争犯罪を追及するという社会派かつヒューマニズムに訴えかける同作において、主人公のベトナム帰還兵役をつとめています。

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ハード・ウェイ‐1991年3月8日公開
BTTFシリーズが終了し、マーティー役を卒業したマイケルがはじめて挑んだ映画がこちら。マイケル演じる人気絶頂のハリウッドスターがこれまでのアイドル路線を打ち止めにし、性格俳優を目指すという、彼の現状をそのままストーリーに落とし込んだようなコメディになっていました。

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ドク・ハリウッド‐1991年8月2日公開
この作品では、外科医を演じたマイケル。高収入の就業先を目指していたのに、ひょんなことから街の病院で無料奉仕しているうちに大切なことに気づいていくという、よくある赤ひげ先生的ハートフルメディカルストーリーです。

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(こじへい)