『ガンプラり歩き旅』その49 ~ダメージモデル! クラッシュモデルを作ろう!(後)~

『ガンプラり歩き旅』その49 ~ダメージモデル! クラッシュモデルを作ろう!(後)~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をする大好評連載の第49回のお題は、前回に引き続き、ダメージモデルとクラッシュモデル!


首はともかく、左肩のアーマーのダメージ状態は、アニメ本編でもカットごとに破壊状態に差があるが、一応いくつかのカットを比較して、最大公約数的なダメージを施してみた。

ジオングとガンダムの最終決戦の激闘の再現は、是非シミルボン『機動戦士ガンダムを読む!』でご確認いただきたい。

さて、そこで『めぐりあい宇宙編』のラストを飾るクラッシュモデルが、ここから3つ必要になる。
一つは、今回冒頭で紹介した「ラストシューティング」ガンダムだ。
ガンプラマニアであれば、一度は作ってみたいクラッシュモデルだが、いざ実在するガンプラで、カッコよくこのポーズに固定しようと頑張ってみても、実はこのポーズ自体が二次元の嘘にまみれているために、なかなかうまくいかないのだ。

それでも、HGUC 191 REVIVE版ガンダムの解説の時に語ったように、このキットでは、新規格のポリキャップ、PC002が、まるでラストシューティングポーズを狙ったかのように「肩アーマーが上に上がる方向」へと設置されているのだ。
しかし、それでも、狙い過ぎのポリキャップの可動範囲を得ても、HGUC 191 REVIVE版ガンダムの可動スペックをフルに発揮させても、あの名シーンのポーズの完全再現には一歩及ばない。
股関節の開き角度と、スリッパの接地性。腰の捻り具合と、肩が垂直に上がって、ライフルを掲げた右腕が、正確に二等辺三角形の中心線にならなければいけないからだ。

なので、ここは一世一代の見せ場と解釈して、HGUC 191 REVIVE版ガンダムを新たにもう一つ用意して、キットの可動領域を越えて、各関節のボールジョイントの可動範囲をギリギリ越えた角度や位置で固定して、ラストシューティング固定ポーズのガンダムを用意した。

HGUC 191 REVIVE版ガンダム ラストシューティング固定ポーズ版

その上で、シャアとの決着もつき、仲間の皆を誘導したアムロが、一人取り残されて死を覚悟した時に、まだ絶望してはいけないと、半壊して横たわっていたガンダムを見つける名シーンも必須なのだが、こちらのガンダムも固定ポーズで、徹底的に再現することに。

『めぐりあい宇宙編』ラスト近く、希望を失いかけたアムロの前に、横たわる傷ついたガンダムが……

ここでのクラッシュガンダムも、往年のガンプラファンが何度もチャレンジしてきた素材である。
ここでのガンダムは、ただクラッシュしているだけではなく、腰をかがめて胎児のように横たわっている“演技”をさせなければいけない。
なので、あえてこのシーンではHGUC版を使わずに、ポーズ改造がしやすい、HGUCクラスの解像度が見えるパーツは残っていない等の理由で、旧キット1/144 Gアーマーに付属していたガンダムを素材に、演技付けとクラッシュ部分のディテール追加、全身の汚し塗装と、3つのテーマに絞ってワンオフのモデルを作って撮影に用いた。

戦いを終えた、静かに眠り横たわる機動戦士の固定ポーズモデル

そして、ラスト。
アムロは半壊したガンダムから、こちらも半壊したコア・ファイターを射出させ、カツ、レツ、キッカの誘導でア・バオア・クーを脱出し、感動のラストシーンを迎えるのだが、ここでも重要なのが「クラッシュしたコア・ファイター」なのだ。

ア・バオア・クーを脱出したコア・ファイター

3つの翼が全て半壊し、コクピットキャノピーも消失している

ここでも、カットによって主翼や垂直尾翼の壊れ具合が異なるのだが、むしろ大事なことは、キャノピーが壊れて、コクピット内部が丸見えになっていること。
最初は、以前紹介したU.C. HARD GRAPHシリーズの1/35 コア・ファイターを、もう一つ買って、それを徹底的にダメージモデルにするかとも悩んだが、経済的にも(笑)手間暇や制作期間的にも無理だということが判明。

ここは安易に、HGUC 021版ガンダム付属か、旧キット1/144 コア・ブースター付属のコア・ファイターを適度にクラッシュさせるかと妥協しようとしていたところ、手元に1/144 旧キットGアーマーの、コア・ファイターが残っていたことを思い出す。
そうなのだ。Gアーマー版コア・ファイターは、多少ノーズが長すぎることを除けば、むしろ1/72スケールに等しく、であれば適当な1/72スケールの戦闘機プラモデルを購入して、コクピット部分だけコア・ファイターの中に詰め込んでしまえばいいのだ。

ハセガワ 1/72 タイガーシャーク

そこで、「ハセガワ 1/72 タイガーシャーク」を用意。この戦闘機はコクピットが小型で単座でちょうど良い。このキットのコクピット部分だけを、キャノピー部分(このキットのもう一つの弱点だった「直線的すぎるキャノピー」でもあった)を、切り飛ばしたコア・ファイターのコクピット部に移植する。

その上で、ついでに長すぎるノーズも1/3ほどカットし、断面にコトブキヤの角バーニアを貼ったら、サイズがちょうどぴったりで、ほどよいノーズの長さと、精密なコクピットを備えるコア・ファイターが出来上がった。

後は、3枚の翼を適度に切断し、切断面をハンダゴテで「溶けた感」を出すためにならす。
その上で、3枚の翼の断面近くは艶消し黒で焼け焦げた感を塗装で出して、後は全体に墨入れを派手めに施して、感動のラストメカの完成である。

完成したダメージ・コア・ファイター。感動のラストシーンをイメージしてモデリング

コクピットには、1/72スケールの戦闘機のシートと計器類がピッタリマッチした

汚しすぎぐらいが、ちょうどいい感じに仕上がっている

以上、今回は2回に渡って、クラッシュモデル、ダメージモデルの作例記事をお送りしたのだが、こうしたカスタムをしてみたい人は、ぜひルーターを購入することをお勧めする。
プロクソンのミニルーターは、Amazonでも1万円ほどして、ちょっとしたレベルの高いエアブラシには匹敵するお値段ではあるのだが。
ぶっちゃけ、大河さんは模型作りに、エアブラシを買わないで、こちらを選んだ人だから。

今回紹介したクラッシュモデル、ダメージモデル達の、再現画像での活躍は、ぜひ『ガンダムを読む!』本編でご確認いただきたい。

市川大河公式サイト

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