三次元のグラフィックと三機のR。新たな一歩を刻んだ『R-TYPE Δ』のシューティングとしての完成度の高さ。

三次元のグラフィックと三機のR。新たな一歩を刻んだ『R-TYPE Δ』のシューティングとしての完成度の高さ。

『R-TYPE Δ』は、1998年にアイレムソフトウェアエンジニアリングから発売された、プレイステーション用シューティングゲームです。完全家庭用オリジナル作品ですがシューティングとしての質は非常に高く、音や絵による演習面も含めての全体的なゲームとしての完成度の高さから、アーケード派のシリーズファンも唸らせた名作です。


R-13「ケルべロス」

これまでのR戦闘機のイメージを覆す黒と赤の機体色や個性的な性能、そしてその性能ゆえに辿る運命から人気の高い機体です。
威力と貫通力に加え、追尾性能まで持ち合わせた「ライトニング波動砲」が最大の特徴です。それを一気に三本発射するチャージ波動砲「オーバーライトニング」はまさしく本作最強の波動砲と言えるでしょう。
高性能の代償に有線制御せざるを得なくなった「アンカー・フォース」は敵に打ち込むとそのまま喰らいつきダメージを与え続けます。
分離時に弾が発射されませんが、機体本体と結ばれた光学チェーンに攻撃判定があります。チェーンはショットの連射に応じて捻じ曲がり攻撃範囲が広がりますが、思うように操るのは困難です。小チャージの波動砲を連射するだけでも捻じ曲がるので併用すると強力でした。
レーザーはどれも性能が悪いですが、ターミネイト・γ(黄レーザー)の性能は侮れません。
「光子ミサイル」は直進追尾型。攻撃力もまずまずです。

特徴的なフォースに目を奪われがちですが、その実波動砲による地力が目覚ましい機体です。死亡時からの復活が容易でごり押しがしやすいものの、強みがその程度しかないので安定力には欠けます。

この他、ある条件を満たすと第4の機体が解禁されるのですが…

プレイ動画

評価点

『R-TYPE』初心者も入り込みやすい作風

難所にも「Δウェポン」という抜け道があるます。ミスをしてそれらの装備がなくなっても、波動砲の威力は健在で、一定個所にハマることは少ないです。
とはいえ最低難易度のKIDSでも詰む人は詰むくらいに相変わらず難易度は高いです。しかし運が絡む場面はほとんどなく、攻略パターン構築の面白さを存分に楽しめるのも特徴ですね。
高難易度ともなると気合い避けは通用せず、精密機器のようなパターンが要求されるシビアさもウリの一つです。それでいてパターンは一つだけではない開拓の楽しみもあります。
身も蓋もないですが、家庭用向けなだけにデバッグ無敵コマンドも用意されています。
またオプション内の「NOTE」ではやりこみ実績(1クレジットクリア等)が記録されるようになり、やりこみ甲斐が増しています。

多彩なステージを彩る秀逸な演出

恒例の宇宙と異次元の他、シリーズで初めて地球上、さらには精神世界まで舞台に。市街戦の迫力を見せ付ける1面、巨大兵器と対決する3面と序盤から3Dを存分に活かしている。動きのインパクトでは並び称される『レイストーム』や『アインハンダー』に匹敵します。
プレイヤーの意表を突くド派手な演出や、3Dをフル活用した仕掛けが多いのも特徴です。背景も非常に凝った作りになっています。

「バイドが様々な物質・兵器を乗っ取る」という要素を全面に押し出した展開が最大の特徴ですが、これまでの特色だった生体描写も負けてはいません。
精神世界が舞台の5面では『I』のセルフオマージュたる展開が待っており、生体洞の中、ムーラやブヨや輸送システム、ゴンドランにゴマンダー、グリーン・インフェルノとの対決はファンなら鳥肌(&絶望)ものです(笑)。

5~6面のバイドの恐怖や7面における生命の神秘を表現した演出の数々は、まさに『R』の世界観ならでは。ローポリゴンながらシリーズ特有の不気味さも演出できています。

BGMは音楽制作会社「USP(Unlimited Sound Project)」が担当。ステージ展開とシンクロ具合が素晴らしく、シリーズ中でも評価は高いです。7面は演出・BGMともに単なるシューティングの範疇にとどまらぬモノがあります。
同じステージ内の空中と水中とでBGMの曲調が変化し、SEに残響がかかる2面の「音の演出」も印象深いですね。

『R-TYPE Δ』ゲーム中で使用されている19曲と効果音、2曲のおまけ曲が収録されて聴き応えの有る内容になっています。

公式サウンドトラック

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難点

この時期のポリゴンシューティングの宿命ですが、慣れるまで弾が見づらく、当たり判定も判り辛いです。敵破壊時に破片や火花が飛び散るため、余計見づらい事も。
DOSEシステムによる稼ぎの関係上、スコアを意識するとショットを自粛する地味なプレイスタイルになってしまうという点もあります。
またロード時間は比較的長めです。機体選択後にOPデモを入れたり、ステージ間のスコア集計等で上手く誤魔化していますが、ステージセレクト時はそれもありません。

最後に、これはデバッグコマンド関係によるものですが、スコア表示にバグが生じています。

総評

僕らの「アローヘッド」はクオリティの高いフィギュアにもなっています。

初代『R-TYPE』の自機「R-9・アローヘッド」

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フルポリゴン化、DOSEシステム導入、地形ミス廃止、速度調節可など細かい変更が多く、『R-TYPEシリーズ』として受け入れられないという声があったのも事実ではあります。
しかし、実質赤レーザー一択を迫られていた初代『R-TYPE』や『II』、2ループチャージ偏重のゲームバランスだった『III』とは違い、豊富な攻撃手段を遺憾なく発揮できるように調整された『R-TYPE Δ』のゲームデザインはそれまでのシリーズにはない新鮮さがありました。
『R-TYPEシリーズ』の新たな可能性を見出し、その窓口を広げたこの作品は『R』の血統を受け継ぐ者としての役割を存分に果たしていたと私は考えております。

余談

NOTESに記録される内容の中に「1000時間プレー」というシャレにならないものがあります。
達成できた人は教えていただきたいです。

『R-TYPEシリーズ』といえば「エロいシューティング」として有名ですが、本作もそこは手加減していません!

本作はゲームアーカイブスでプレイできた時期もあったのですが、アイレムのゲームアーカイブス撤退に伴い、配信は2011年8月11日で終了してしまいました。中古ゲーム屋さんで発見出来たらラッキーです!是非、手に取っていただきたいですね。

本稿で記載しております情報は、ゲームカタログ@wikiから引用させていただきました。

出典元はコチラです。

R-TYPE Δ - ゲームカタログ@Wiki ~クソゲーから名作まで~ - アットウィキ

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