91回の出場、14回の優勝、箱根路のきっての名門。
2018年の正月に94回目を迎える箱根駅伝ですが、中央大学はそのうち91回に出場(予定)し、過去14回の優勝を飾っているという、箱根路きっての名門校です。

自然豊かな八王子市にある中央大学。
大学紹介 | 中央大学

白地に赤の「C」が印象的な中央大学のマーク。
中央大学
箱根駅伝に関するミドルエッジの記事はこちら!!。
【箱根駅伝(2011年)】箱根駅伝史上もっとも接戦となった2011年!1位の早稲田大学と2位の東洋大学の最終タイム差はわずか21秒でした!! - Middle Edge(ミドルエッジ)
最後の優勝は1996年。
しかし、中央大学の箱根駅伝での最後の優勝は1996年。すでに20年以上優勝から遠ざかっています。しかもその1996年は、渡辺康幸さんという、箱根駅伝きってのスター選手がいた早稲田大学をかわしての優勝という、まさに「名門復活」を印象付けた大会でした。
しかし、1996年の前の優勝は1964年という、32年間も優勝から遠ざかっていたという、非常に久々の優勝だったことがわかります。
中央大学、14回の優勝の軌跡。
箱根駅伝−歴代優勝校
こちらのサイトを参考にすると、中央大学の過去14回の優勝は、
大正15年、昭和23年、昭和25年、昭和26年、昭和28年、昭和30年、昭和31年、そして怒涛の昭和34年から昭和39年までの6連覇を成し遂げたあと、長い低迷期を経て、平成8年に最後の優勝をして、現在に至っています。
現在の箱根駅伝中継テレビのCM前のコーナーの常連。
私は箱根駅伝の中継番組を最初から最後まで観たことはありませんが、番組のCMの前の、「箱根駅伝の歴史」を映すシーンでは、必ずと言っていいほど、中央大学の選手の走りの場面が何回か取り上げられます。
しかし、そのほとんどが、「白黒画像」、つまりカラーテレビが普及する前のシーンなのだと思われます。
1996年の優勝の前が、東京オリンピックの始まる前の1964年正月ですから、ある意味当然なわけですね。
2017年にはついに出場さえできず・・・。
1996年の最後の優勝のあと、しばらくはシード権圏内は守っていたものの、2013年の大会でシード権を失い、ついに2016年の予選会で44秒差で往年のライバル日本大学に競り負けて、上記の通り87回の連続出場という大記録もストップしました。
【予選会記録】:総合成績2017:箱根駅伝:読売新聞
受験戦争の競争相手の躍進。

駅伝のトップに君臨する青山学院大学。
青山学院大学 - Wikipedia
平成27年に箱根駅伝で初優勝するや、あっという間に3連覇を成し遂げた、圧倒的な強さを現在誇る、青山学院大学。
監督の優れた指導が話題になっていますが、単なる指導者の力量だけではない、構造的なものが、かつての名門・中央大学には立ちはだかっているように推測されます。
「オシャレなブランド学校」のイメージを作り上げた「アオガク」。
駅伝の指導者の頂点にたっていると思われる、青山学院大学の原晋監督。サラリーマンの経験があり、ビジネスでの成功体験を駅伝にも取り入れ、本の出版も行うというビジネスマンでもあります。
この優秀な監督がいて、さらに、昨今の「都心回帰」のムーブメントで、オシャレな街の頂点のひとつにたつ「青山」の名を冠した「青山学院大学=アオガク」。
受験偏差値の高さもあり、高校の有力な選手がアオガク駅伝の門をたたくことは容易に想像できます。
「就職に強い」イメージで受験者数を増やした明治大学。
首都圏・私立大学人気ランキング2017…受験者数・合格倍率・入学辞退率 | リセマム
こちらのサイトを参照すると、2017年は法政大学に抜かれたようですが、最近の明治大学の受験者数の増加は、よくニュースになります。この記事ですと、2016年は受験者数トップの座を獲得したもようです。
この背景には、「就職に強い明治大学」という印象が定着したことが挙げられると思います。
明治大学と箱根駅伝 | 明治大学
明治大学も、連続出場や優勝回数などの記録は持っていませんが、近年箱根駅伝の順位を急速に上げている大学です。
そして上記のような本が出されるほど、高校生に人気の大学になっています。
青学、明治、中央、有力選手はどこへ行く?。
かつては(とは言ってもかなり昔になりますが。)、駅伝を志す高校生が、箱根で優勝する可能性が高いという理由で大学を選択するのであれば、実績のある中央大学を選ぶのが、多くの人が納得する理由であったと思います。
しかし、オシャレな街青山にあり、先端のトレーニングをしている監督がいる青学大、お茶の水という都心にあり、就職に強いと言われる明大に対して、都内とはいえ郊外にあり、相対的に駅伝に関しては凋落が目に見えている中大を、有力な高校生が選ぶかと言われると、それはかなり難しい問題になってくると思います。
いわゆる、「勢いのある大学」と、「凋落のイメージを持ってしまった大学」とでは、その差はなかなか埋められません。
現実に、青学大と明大に関する本は、アマゾンを検索すると出てきますが、中大に関する本はさっぱり出てきません。
中央大学の駅伝復活はあるのか。
中大返り咲き、日大と明大敗退/箱根駅伝予選会詳細 - 陸上 : 日刊スポーツ
なんとか2018年の箱根駅伝には出場できることになった中央大学。
大学スポーツの1つでしかなかった箱根駅伝で、礎を作ってきたのがまさに中央大学だと思います。
そしてそのドラマチックな要素に多くの人が魅了され、今やお正月の風物詩にまでなった箱根駅伝。
駅伝はチーム全体での戦い、そして長距離をひたすら走るという自分との戦いでもあります。
箱根駅伝の全国化の動き。
箱根駅伝の人気は年々アップしてきています。
今は関東の大学だけが出場していますが、昨今、箱根駅伝の全国大会化が検討されることになっている模様です。
箱根駅伝100回記念大会から全国化検討、その背景 - 陸上 : 日刊スポーツ
まだ先の話ではありますが、このようなニュースも現実味を帯びてきています。
仮に全国化されるとなると、さらなるライバル校が増えることになります。
個人的に「来るんじゃない?」という学校を2つ挙げます。
立命館大学。
「かわいすぎる女子陸上部」として最近youtubeで有名な立命館大学。
かわいいだけではなく、例えばプロ野球の古田敦也さんや長谷川滋利さんらを輩出する、これまた偏差値的にも中央大学とあまり差がない、近年勢いのある大学です。
近畿大学。
こんな本が出るほど、今勢いのある大学です。
つんく♂さんの出身校としても有名ですね。
これだけ勢いのある大学なら、箱根駅伝が全国化されれば、当然狙ってくると(勝手ですが)思います。
増え続ける競合に負けるな、名門!!。
競合相手がひしめく箱根駅伝。
連続出場記録は2位とまだ差がありますが、優勝回数は2位の早稲田大学とわずか1差。
早晩抜かされ、過去の栄光になる可能性が高いです。
さらに全国化ともなれば、中央大学の存在感はますます薄れるでしょう。
しかし、礎を築いてきたプライド、これは忘れて欲しくはないと思います。
箱根路にはやはり「白地にC」のユニフォームが似合います。
まずは、2018年のお正月が楽しみですね。