毎年年末になると町では”ジングルベル”と”討ち入り”の話題でもちきりだった。

吉良邸討ち入り。二代目山崎年信画、1886年
毎年年末になると、私が住んでいた町の近くの繁華街にある映画館では上記のような「忠臣蔵」のポスター看板があり、その横で”ジングルベル”の音楽を鳴らしながら、威勢の良い声で「クリスマスケーキはいかがですか?」と山ずみされたケーキの前で叫んでいた光景が目に浮かぶ。
ある本によると、映画館で初めて「忠臣蔵」が上映されたのは1907(明治40)年12月の『忠臣蔵五段目』だそうで、大石内蔵助には第十一代目片岡仁左衛門が演じ、彼が襲名披露した記念に撮影されたそうだ。私が見たかって? 勿論、見てましぇん!!
本題の前にちょっと『忠臣蔵』に関する基礎のおさらい!!(ご存知の方は飛ばし読みして下さい)
まず、『忠臣蔵』とは??

「仮名手本忠臣蔵 夜討人数ノ内 堀辺弥津兵衛 堀辺弥次兵衛肖像」 歌川国貞画
ならば、『赤穂事件』とは??
忠臣蔵 - Wikipedia

本所松坂町の吉良邸跡

花岳寺の義士墓所
では、何故今も人気なのか??
この質問には人によって色々な答えがあるようですが、そもそも「赤穂事件」を肯定的に考えるのか、否定的に考えるのかにより雲泥の差がある。私個人としては肯定的な立場に属するのですが・・・。
この「赤穂四十七士」討ち入りに関しては単なる吉良個人への復讐ではなく、十分な調査もせずに即日お家取りつぶしという一方的な刑罰を下した幕府(政府)に対する赤穂浪士の「復讐」だと思う。そして、その後浄瑠璃や歌舞伎となり庶民の人気を博す、つまり現在で言うと月9ドラマで人気を博したのと同じ感覚だ。
多分、赤穂浪士と同じ位かそれ以上にお上(政府)に不満を抱く庶民の多くが抑圧されている自分たちの代りに良くやってくれたと思っていたからこそ人気になったのでしょう!!。
人気の秘密は悪役として描かれる吉良を、苦渋苦難に耐え忍ぶ赤穂浪士がついにやっつけるという現代の「やくざ映画」や「ヒーロー物」に共通する「勧善懲悪」や「おしん」の「忍耐」といった大衆に受ける要素を兼ね備えていたからだ。また浪士が一矢報いた後、名誉の切腹を遂げたのは日本人が大切に思う「潔さ」にあい通じるのではなかろうか!?。
否定的な意見もある!!
下記のような否定的な意見があるが、評価は読者の方々にお任せします!!。
1、主君の浅野が変人!!。
・現代でいうと、国会で刃物を振り回すような行為で、そのような人物は信用できない。
2.殺しすぎ。
・史実では吉良家は死者16人、負傷者20人余を出している。今こんなことやったら大変な
騒ぎになる。
3.吉良上野介は名君?
・地元では、吉良上野介は名君だったといわれているが、ドラマでは完全に悪役にされて
いて、真相があいまいである。
4.吉良上野介は被害者。
・松の廊下の事件では、吉良上野介は明らかに被害者。なのに何故憎まれるのか?逆ギレ
ではないのか?
5.復讐が楽しい?
・復讐に命をかけるわけですが、それがそんなに意義あることなのか?復讐をして相手を
殺害したところで空しさだけが残ると思うのだが・・・??。
・主君が吉良上野介に殺害されたのならともかくも、事実は逆で吉良上野介が主君に殺され
そうになった訳なのに、それで主君の仇を討ったといえるのか?
などなど・・・。
では、そろそろ本題に戻りましょう!!

忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻 [DVD]
豪華絢爛! 東映が総力を結集して放つ世紀の時代劇巨編! 刃傷松の廊下、内匠頭切腹、城明渡し、祇園の放蕩、南部坂の別れ、吉良邸討ち入り、お馴染みの名場面を網羅。150名のスターで描く3時間2分の忠臣蔵決定版!!
片岡千恵蔵の他、中村錦之助、美空ひばり、市川右太衛門が出演していて、往年の大スターを知っている方々にとっては、よだれが出るほど見たくなる一品だ。

片岡 千恵蔵(かたおか ちえぞう)
戦前・戦後期にわたって活躍した時代劇スターで、同時代の時代劇スターである阪東妻三郎、大河内傳次郎、嵐寛寿郎、市川右太衛門、長谷川一夫とともに「時代劇六大スタア」と呼ばれた(これに月形龍之介を含めて「七剣聖」と呼ぶ場合もある)。出演作品は300本を超える。演技そのものは歌舞伎の要素が強かったような気がする。
「忠臣蔵」がテレビドラマ番組として初めて登場した伝説のNHK大河『赤穂浪士』!!

NHK想い出倶楽部II 赤穂浪士 第47回 ~討入り~ [VHS]
映画、歌舞伎、新劇の各界から人気、実力ともにトップクラスの俳優たちが勢揃い。彼らは、映画の撮影や舞台がはねてからNHKに駆けつけるという日々で、ほとんど休みらしい休みがなかったそうだ。
『赤穂浪士』のクライマックスといえばやはり討ち入り。第47、48話の2回にわたって放送された討ち入りシーンのために大がかりなオープンセットが組まれた。NHK富士見ヶ丘グラウンド(東京・世田谷)には、建坪約900平方メートル、総面積1400平方メートルに及ぶ「吉良邸」のセットが建ち、その組み立てには1週間かかったという。吉良邸に向かう大川の堀割の場面はグラウンドのプールを利用。また「永代橋付近」は国際放映(東京・世田谷)のオープンセットを使って撮影したそうだ。

死没地 東京都港区西新橋
職業 俳優
ジャンル 映画、舞台、テレビドラマ](/assets/loading-white-036a89e74d12e2370818d8c3c529c859a6fee8fc9cdb71ed2771bae412866e0b.png)
長谷川 一夫(はせがわ かずお)
長谷川一夫は戦前から戦後の長きにわたって活躍した天下の二枚目スターだった。このドラマの中で彼の独特な鼻にかかった声で言う「各々方、討ち入りでござる」というセリフは日本中で流行って、みんなが真似したもんだった。
もはや吉良上野介殺人事件!毎年どんだけ斬られるの?これまでも、きっとこれからも・・・ - Middle Edge(ミドルエッジ)