小田急からのプレスリリース。
構想50年、着工30年の沿線住民の悲願。
小田急新ダイヤ、複々線化完了で「混む、遅い」返上へ (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
1982年登場の8000形もバリバリ現役の小田急。

小田急電鉄8000形
小田急8000形電車 - Wikipedia
小田急の花形と言えばやはりロマンスカー。

小田急ロマンスカーVSE 50000形
ロマンスカーラインナップと座席の種類|特急ロマンスカー|小田急電鉄

伝統のロマンスカースタイル 小田急LSE7000形
LSE(7000形)|ロマンスカーラインナップと座席の種類|特急ロマンスカー|小田急電鉄
混雑率が150%に激減の脅威。
今回、一番の売りは、混雑率の激減予測です。
ダイヤ改正により運転本数が増え、混雑率は150%に低下すると小田急では予測しています。
最新版!「首都圏の鉄道混雑率」ランキング | 通勤電車 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
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次のページへのリンクも貼っておきます。
150%は東京の鉄道の混雑率では43位。
つまり、現在の混雑率3位から43位になるということです。
新宿ー小田原間がロマンスカーで1時間切りへ。
特急ロマンスカー「スーパーはこね」の新宿~小田原間が5分短縮の最速59分、新宿~箱根湯本間が9分短縮の最速73分に。“新宿~小田原間60分切り”は小田急史上初めてで、「悲願」だったそうです。
https://trafficnews.jp/post/78946/2小田急「混んでて遅い」返上へ新ダイヤ発表 快速急行大増発 停車駅変更、新特急も | 乗りものニュース- (2)
この「新宿ー小田原」1時間切りは、単にこの区間を移動する人の利便性向上に留まりません。
ロマンスカーで新宿ー小田原間は、特急料金込みで1,770円。
もちろんJR湘南新宿ラインの普通列車の運賃1,490円より280円高いのですが、湘南新宿ラインは新宿から着席できるチャンスがあまりありません。
それに比べると、280円の差であれば、ロマンスカーのデラックスなシートで「必ず座れる」サービスは大変お得であると言えます。
また、快速急行であれば着席の保証はありませんが、運賃のみの880円。
今の段階では小田原行き快速急行がどこまで増発され、どこまで着席機会が増えるのかなどはわかりませんが、こちらも期待大です!!。

ロマンスカーの座席(50000形VSE)
VSE(50000形)|ロマンスカーラインナップと座席の種類|特急ロマンスカー|小田急電鉄
JR東日本、東急電鉄、京王電鉄などはどう動くか。
慢性的な混雑が続くJR東日本の東海道本線や東急田園都市線。
小田急はこれらと小田原ー新宿、藤沢ー新宿、中央林間ー渋谷などで競争をしています。
先ほどのリンクの東洋経済の調査によるとJR東日本東海道本線と東急田園都市線は混雑率8位で184%となっています。
それでも現在は3位の小田急よりは「空いている」のかもしれませんが、小田急の混雑率が発表通り150%になれば、これらの路線からの乗客の移動も十分考えられます。
また、今まで小田急に圧勝してきた、多摩ニュータウンの通勤客の京王電鉄相模原線との競争にも、影響を及ぼすでしょう。

湘南新宿ライン E231系。
湘南新宿ライン - Wikipedia

東急田園都市線 8500系。
東急8500系電車 - Wikipedia

京王9000系。
京王9000系電車 - Wikipedia
首都圏の鉄道会社選択を大きく変えることになるかもしれません。
小田急の競争相手として掲げたJR湘南新宿ラインと、東急田園都市線、京王相模原線は、比較的カーブが少なく、高速運転に適した路線であると言えます。
それに対し、小田急は、カーブが多く、スピードも出しづらい区間もあり、さらに混雑率が高いとなれば、これらの速度の速い路線に乗客を奪われてきた面もあるのではないでしょうか。
しかし、混雑率3位から43位へと改善し、さらにスピードアップ、特別料金が必要ながら特急の増発で快適な移動ができるのであれば、小田急を利用しようという人も増えることでしょう。
小田急の予想では、ダイヤ改正後に他線からシフトするのは3~4%、運輸収入にして50億円程度の増収を見込んでいるという。
http://toyokeizai.net/articles/-/195750?page=2混雑ワースト3脱却、「小田急新ダイヤ」の威力 | 通勤電車 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
少子高齢化の動きに一番対応すべき問題を解決できるか。
首都圏では、鉄道網が発達しているので、その中でも便利な路線を選んで住むという選択肢が豊富にあります。
そうした中で、まず小田急は、相模大野や新百合ヶ丘、玉川学園前など、「おしゃれな」イメージを最初から作り出していた路線です。
しかし、毎日の通勤が「混んでいて遅い」のでは、他の路線を選ばれてしまいます。
単に移動する人を確保するのではなく、「住んでもらう」ことにより、鉄道会社は通勤・通学定期の収入のみならず、関連会社が運営する流通業やレジャー業など、様々な波及効果があります。
これが、「空いていて速い、しかも路線イメージが良い」ということになれば、住宅をその路線で決める大きなファクターになることは間違いありません。
少子高齢化で、住宅を新たに買い求める人口自体が減少している中で、まさに小田急は「ベストタイミング」で、この複々線化を完成させたのかもしれません。
また、海老名からは相鉄線が出ており、相鉄線は近い将来JRの横浜羽沢付近からJRに乗り入れる計画があるなど、利便性がさらに増す、非常に魅力的な地域となってきています。
現在はこの動画のように混み合う小田急線。
沿線住民にとっては、この混雑から逃れられる複々線化の完成がいよいよ発表されました。
また、ビジネス的にも、小田急がどれだけ今後発展するのか、競合する会社がどういった施策を打ち出すのか、注目されるところです。