駅弁味の陣2017|JR東日本
「駅弁」の持つ意味合いの変化。
私たちミドルエッジ世代の言う「昔」、つまり1970年代からの時代は、鉄道趣味シーンとしても激動の時代でした。1982年に東北・上越新幹線、1992年に山形新幹線、1997年に秋田新幹線や長野新幹線、そして最近では北陸新幹線や北海道新幹線の開業へと、鉄道の高速化がどんどん進んだ年代です。
「駅ナカ」という商業スタイルの登場。
1987年に当時の国鉄がJRへと民営化されてから、今年(2017年)でちょうど30周年となります。民営化したJRに求められたものは、徹底した収益構造の改善でした。
具体的には、多角経営が自由になったことがあげられます。
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JR東日本「エキュート品川」の構内図
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ずらりと並ぶお店の数々。
駅は、単なる電車に乗るための場所から、わざわざ商店街に寄らなくても、おにぎり1個から高級ワインまで「ワンストップ」で揃うまさに「夢の国」になりました。
駅の中にできた「コンビニ」が駅弁を大きく変えた。
昔は、長距離の特急に乗る時には、その長い乗車時間の中に食事タイムが入ることが多く、駅で駅弁を買ったり、あるいは車内販売で買ったりするスタイルが主流でした。
しかし、移動時間が劇的に短縮された現在では、ずっしりとした駅弁は重すぎて身に余ることが多くなってきています。
そこへ、鉄道会社の多角経営化により、駅の中に「コンビニ」が入り込んできます。
おにぎり1個から買えるコンビニの便利さが、駅弁を追い出した。

JR東日本の駅ナカコンビニ「NEWDAYS」。
JR東日本:プレスリリース:2001年10月1日(月)「NEWDAYS」誕生
生活で必要なもの、というよりは、「その場で今必要なモノ」を中心にそろえれば、店としての役割を十分に果たせる「駅ナカコンビニ」。「その場で必要なモノ」なので、多少量販店などよりも高い値段でも売れるので、利益率は高いようですね。
これだけ変わった「在来線特急」と「新幹線」との時間差。
1982年11月14日、上越新幹線が開業し、東北本線の特急がすべて廃止される時の時刻表と、今の新幹線の時刻表とを比較してみましょう。
1982年11月14日 東北本線特急「ひばり5号」仙台行き。
1982年11月14日 ひばり5号
上野 9:00発
大宮 9:25着
宇都宮 10:20着
西那須野 10:48着
須賀川 11:31着
郡山 11:40着
福島 12:15着
白石 12:42着
仙台 13:15着

東北本線特急電車(裏辺研究所さまのサイトより借用)
なつかしの特急ひばり(583系)運転@大宮
2017年10月 東北新幹線「はやぶさ9号」
2017年10月16日
はやぶさ9号
東京 9:08
上野 9:14
大宮 9:33
仙台 10:40
盛岡 11:21
いわて沼宮内 11:38
二戸 11:50
八戸 12:02
七戸十和田 12:14
新青森 12:29 着

JR東日本新幹線E5系(裏辺研究所さまのサイトより借用)。
E5系新幹線 - 日本の旅・鉄道見聞録
4時間15分が1時間32分に短縮!!。
時刻表をあらためて見ると、驚きますね。
東京ー仙台間が、東北本線特急「ひばり」号だと4時間15分かかっていたのが、現在の東北新幹線「はやぶさ」号だとなんと1時間32分!!。
これでは、車内の雰囲気に慣れ、「さあ、そろそろ駅弁でも食べるか。」と思う頃には、「まもなく仙台に到着いたします。」となってしまいます。
この時間では、やはりがっつりした駅弁より、おにぎりかサンドイッチを数個、駅のコンビニで買うほうを選ぶでしょう。
変わりゆく駅弁スタイル。
駅弁は、もはや、「電車の中で食べるもの」というよりは、「ご当地グルメ」としてデパートの特設市場で買ったり、はたまた通販で取り寄せて家でグルメとして食べるものへと変化してきているように感じます。
そのため、この「駅弁味の陣」に参戦しているさまざまな駅弁も、どれもデザイン性豊か。
見た目でも楽しめるようになっています。
「実用本位・車内で食べる駅弁」から、「家で食べるか、あるいはその駅弁を食べるためにわざわざご当地のお店までグルメツアーをするか」と、駅弁スタイルは変わってきているような気がします。
いずれにせよ、どの駅弁も本当においしそう!!。
ご当地に行かないと買えない駅弁も多そうなので、駅弁を目当てに旅行を計画するのもいいですね!!。

初代駅弁大将軍に輝いた、「鱈めし」
駅弁のご案内 ホテルハイマート 駅前徒歩1分 無料駐車場120台可