「ドクターイエロー」引退の日が迫っている? | 新幹線 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
唐突にこんな記事が舞い込んできました。
そういえば「なぜ黄色なのか?」ということも考えたことがなかったので、調べてみました。
「幸せの黄色い新幹線」はなぜ黄色なのか???
興味ある方は、クイズに挑戦!
今のドクターイエローは3代目。
今のドクターイエローは、世代では3代目になります。1世代で複数の編成を持つものもありますが、50年以上の新幹線の歴史の中で、歴代わずか5編成で安全を守っています。
T1編成(写真が見つかりませんでした。)
T2編成

T2編成
【激レア走行動画】JR東海 ドクターイエローT2編成 - YouTube
T3編成

T3編成
921・922形ドクターイエローT3編成走行動画集 - YouTube
T4編成

T4編成
ドクターイエロー923形T4編成 静岡駅到着 - YouTube
T5編成

T5編成
新幹線ドクターイエロー JR西日本T5編成 新横浜駅 【Shinkansen inspection train】 - YouTube
なぜドクターイエローは「謎の新幹線」なのか。
ドクターイエローの運行ダイヤは非公開です。
鉄道趣味の人のためにダイヤを公開してもよさそうなものですが、そういうわけにもいかないのです。
1964年に、世界最初の高速鉄道として開業した東海道新幹線。
世界で初めてのことであったため、ものすごい技術を駆使して、実験に実験を重ね、改良に改良を重ね、今日に至っています。
新幹線は、大事な、「日本が誇る技術商品」なのです。
そのため、その安全を守る技術も「商品」であり、ドクターイエロー自体が「企業秘密」なのです。
なので、その姿は極秘のヴェールに包まれているのです。

開業前の新幹線を研究する技術者
東海道新幹線「夢の超特急」誕生の全記録 - YouTube
インド新幹線、23年完成 日本式輸出、職員4000人育成:朝日新聞デジタル
このように、海外に「技術」を売るということが行われ、世界で熾烈な競争が行われています。
この記事によると、インドで日本の新幹線技術を導入が決定したようですね。
なぜその「ドクターイエロー」が消えるという噂になるのか?
ではなぜそのドクターイエローが引退するという噂が出てくるのでしょうか。
それには、進化し続ける新幹線のスピードに関係しています。
現在のドクターイエローは、「700系」車両を元にして作られています。
700系の最高速度は270km/hで設計されています。
しかし、その700系を上回る、「N700系」「N700A系」が次々と増備され、700系が将来引退することが予想されています。
「N700系」系列の最高速度は285km/h。
たった15kmのスピードアップですが、東海道新幹線は超過密ダイヤで運行されているため、全部の車両がスピードアップすると、それだけ増発や速達性などの効果も大きいのです。
逆に言うと、足の遅い「700系」はスピードアップ、増発の「足かせ」になってしまう。
ということは、700系を元に設計されている「ドクターイエロー」も、その足かせになってしまうのです。

700系
東海道新幹線 700系使用割合を調べてみました(2017年4月) - YouTube

N700系列
東海道新幹線 700系使用割合を調べてみました(2017年4月) - YouTube
700系とN700系の形状の違いがおわかりいただけますでしょうか。
本当に「若干」形が違います。
知らない人から見れば同じに見えるかもしれませんが、これが270kmと285kmの差なのです。
あくまでも「事業用車両」であるドクターイエロー。
それではN700系ベースの新しいドクターイエローを造ればいいのではないか、という話になりますが、いくら、鉄道ファンから「幸せの黄色い新幹線」と慕われていても、残念ながらドクターイエローは鉄道ファンのために存在するものではなく、検査のための車両なので、収益を生みません。
そのため、ドクターイエローにお金をかけるわけにはいかないのです。

東急の計測車「トークアイ」
【タモリ電車クラブ】「タモリ倶楽部」総合検測車トークアイで行く 東急架線検測ツアー 2015年10月31日・11月07日放送【もうやん】 - YouTube
ドクターイエローの将来についての発表自体はまだない
ドクターイエローが引退するという話は、まだ噂でしかありません。
いずれ現在の車両が引退しても、新しい「黄色いドクターイエロー」が製造される可能性もあります。
しかし、収益を生む車両ではない以上、コストダウンのため、アタッチメント方式で、他の新幹線車両にくっつけて検測できる車両が技術的に可能であれば、わざわざ新車を造るより安くなる可能性があり、そうなると黄色い車両は見られなくなります。
このようにミステリアスな部分満載の「ドクターイエロー」。
企業秘密であり、これからも明かされることは少ないと思いますが、日本が誇る新幹線の安全を守るため、頑張ってほしいと思います。