「トリニトロン」が未来技術遺産に選ばれる!!
国立科学博物館(科博)はこのたび「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」として、ソニーのハイビジョンテレビ「トリニトロン」や、人間型ロボット「HRP-2 PROMET(プロメテ)」、カラーネガフィルム「フジカラーREALA」など新たに15件を追加しました。

未来技術遺産って?
重要科学技術史資料(未来技術遺産)とは、国立科学博物館が定めた登録制度により保護される文化財。①科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの、②国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたもの、という2点を選定基準として決定します。今年新たに15件が加わったことで、合計240件となりました。

今回選ばれた「トリニトロン」って?
今回選ばれたトリニトロンは、1990年に登場した「36型HD(ハイビジョン)トリニトロンカラーテレビ KW-3600HD」。アナログ放送の時代にハイビジョンテレビが普及する先駆けとなった商品です。

「トリニトロン」はソニーが開発したアナログ方式のテレビ。開発の背景には1964年の東京五輪後にNHKで始まった新たなテレビ方式の研究があります。その成果は走査線数1,125本、アスペクト比5:3(後に16:9)の暫定規格へと結び付きました。

高品位テレビ方式の実現のためには、伝送方式と大画面ディスプレイが必須であるとして、1980年代後半にはMUSE方式が登場します。そして、世界初の高品位テレビ(ハイビジョン)の実験放送が日本で始まることとなります。

「KW-3600HD」は「高輝度」「大画面の高精細CRT」「MUSEデコーダー接続端子」という特長を備えた上で、まだハイビジョンが定時実験放送中だった1990年に発売されました。

アナログ方式はその後デジタル方式に移行しましたが、「KW-3600HD」は高精細テレビ放送の将来性を実証したものであり、ハイビジョン普及の先駆けとして重要であると科博は評価しました。

そして懐かしのCM!!
「人型ロボット」や「カラーネガフィルム」も未来技術遺産に!
今回未来技術遺産に追加されたのはトリニトロンだけではありません。「HRP-2 PROMET(プロメテ)」、「三六式無線電信機」、カラーネガフィルム「フジカラーREALA」、「NE式携帯用写真電送装置」、「旧小野田セメント製造株式会社竪窯」、「上下反転自由プラウ」なども追加されました。
HRP-2 PROMET(プロメテ)
HRP-2 PROMET(プロメテ)は2003年に製作された人間型ロボット。整地されていない場所を歩いたり、転倒しても立ち上がれたりと人間同様の動作を実現しています。「機動警察パトレイバー」で有名な出渕裕がデザインを担当したことでも有名です。

フジカラーREALA
1989年に発売された「フジカラーREALA」。3層からなる従来のフィルムに4つ目の層を導入し、紫色の再現に成功した商品です。

フジカラーと言えばCMでしょう!
公式サイトはこちらです。
重要科学技術史資料 :: 産業技術史資料情報センター Center of the History of Japanese Industrial Technology
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