映画「ホームカミング」公開記念!70年代にアメリカで放送された、「スパイダーマン」の実写TVドラマとは?

映画「ホームカミング」公開記念!70年代にアメリカで放送された、「スパイダーマン」の実写TVドラマとは?

待望の新作映画「スパイダーマン/ホームカミング」が現在絶賛公開中の、マーベルコミックス最大の人気ヒーロー、スパイダーマン!日本での放送に先立つこと半年、1977年に本国アメリカで初の実写テレビシリーズが放送されていた!


実物のエンパイアステートビルを遠くから映し、徐々にカメラが寄って行くとビルの外壁を登るスパイダーマンが!
絶対にワイヤーで吊っているのだが、それにしても危険過ぎる!CG合成が当たり前の現在では考えられないこの努力。今だからこそ、再評価したい作品だ。

実際にエンパイアステートビルを登るスパイダーマン!

*この第8話の最大の見所は、何と本物のエンパイアステートビルの外壁を、スパイダーマンが合成無しで登るシーン!かなりの高層階の部分を実際によじ登っていくスパイダーマンの姿は、CG合成が一般化した現在の目で見ても、充分驚かされるので必見だ!

後述するが、この辺から「普通の刑事ドラマにスパイダーマンが登場している感」が強くなってしまうのは、原作ファンにとっては少し残念。
原作者のスタン・リー自身が、後にインタビューで語っている様に、本人はこのシリーズが「子供向け過ぎる」と感じていたらしい。第2シーズンより、プロデューサーが「600万ドルの男」を製作したライオネル・シーゲルに交代したこともあり、次第に番組の内容もアダルト向けの物へと変更されて行くことになる。

第9話「The Con Caper」:放送日1978/11/25

[あらすじ]
刑務所に投獄されていた政治家ジム・コーヴァンが釈放された。その直後、囚人達によりその刑務所が乗っ取られてしまう。交渉のために単身刑務所に乗り込んだジムは、囚人達の要求通り刑務所の設備をリフォームさせることを約束。事態は全て収束したかに見えた。だが実は、全ては彼の計画による物だった。施設のリフォーム工事に紛れて囚人達を脱獄させ、彼らに100万ドルを強奪させようと言うのだ。果たして、スパイダーマンはこの計画を阻止できるのか?

*アメリカでのビデオリリース時には、何故か第1シーズンの第4話と合わせてソフト化されていた、本エピソード。
脱獄する囚人の一人を、「ダーティハリー」1作目の悪役スコルピオでも有名な、アンディ・ロビンソンが演じているのも見逃せない。100万ドルが眠る金庫のあるビルに侵入するため、隣のビルの屋上からバイクでジャンプするシーンなど、かなり見せ場は多いが、第2話で登場した、「ビルから落下するスパイダーマンが、自分でネットを張って助かるシーン」が、そのまま使い回されているなど、製作上の苦労が見て取れる。

第10話「The Kirkwood Haunting」:放送日1978/12/30

[あらすじ]
ジェイムソン社長の古い友人である、財産家の未亡人の元に送られたピーター。広い屋敷に一人住む彼女は、夜毎現れる死んだ夫の亡霊に悩まされていると言う。しかも、この怪奇現象を検証に来ている調査グループに多額の現金を寄付する様、夫の亡霊に告げられているとのこと。
ジェイムソンからの依頼で、この怪奇現象を調査に来たピーターだったが、そこには思いも因らぬ事実と危険が待ち受けていた。

本物のクマ対スパイダーマン!

*未亡人が住む広大な屋敷の敷地内には動物園があり、ライオンやクマなどの猛獣が放し飼いになっているという設定!そのため本エピソードには、本物のクマやライオンとスパイダーマンが闘うシーンがあり、ファンにとってはある意味「お宝映像」となっている。

第11話「Photo Finish」:放送日1979/2/13

[あらすじ]
ピーターは、ある貴重なコインのコレクションの取材のため、コインの持ち主の元を訪れるが、取材中暴漢に殴られ気を失っている間に、コインを盗まれてしまう。襲われる瞬間、咄嗟に撮影した写真には、銃を向ける女性=持ち主の別れた妻に似た姿が写っていた。真犯人が彼女に罪を着せるために仕組んだ罠だと気付いたピーターは、彼女の無実を証明するために自ら刑務所に投獄される。
犯人がこのニュースを知って安心し、何か行動を起こすのを狙っての作戦だった。スパイダーマンの能力を使い、刑務所を抜け出したピーターは、果たして真犯人を見つけることが出来るのか?

*第1シーズンでは、まだ個性的な悪役を出してコミックスの世界観に近づけようとする努力が感じられたが、第2シーズンでは普通の刑事物やミステリー物に、ただ単にスパイダーマンが登場するだけ、となってしまっているのが残念!本エピソードでも、スパイダーマンが足を拳銃で撃たれる描写があるなど、大人向けのドラマにシフトして行く様子が良く判る。

第12話「Wolfpack」:放送日1979/2/21

[あらすじ]
ピーターの大学での同級生が、実験中のアクシデントにより、偶然人間の精神を自由に操ることが出来る、特殊なガスを発明してしまう。それを知った悪徳化学薬品会社の代表ヘンソンは、ガスで学生たちを操り現金を強奪させようとするが、間一髪現れたスパイダーマンによって阻止される。ヘンソンは次々にガスで人々を操り、遂には軍隊までも手中に納めようとするのだった。果たしてスパイダーマンは、この陰謀を阻止できるのか?

*第2シーズンの中では、一番原作コミックの世界観に近い内容となっている、本エピソード。工場でのアクションシーンを初め、アクションは中々の迫力だが、ストーリー自体は第1シーズン第1話の焼き直しみたいに思えるのが残念だ。

第13話「The Chinese Web」:放送日1979/7/6

[あらすじ]
第二次大戦中の無実の罪により、中国政府から追われているチャイナ。ジェイムソン社長の大学時代の友人である彼がニューヨークを娘と訪れたのは、当時の事件の再調査を依頼するためだった。調査を始めたピーターだったが、さっそく謎の殺し屋たちに襲われる。真実を探るため、香港へ飛んだピーター。果たして彼は、襲い来るカンフーの達人たちを倒し、真実を証明することが出来るのか?

ちなみに日本版のビデオタイトルは「ドラゴンズ・チャレンジ」

最終話の日本版ビデオと衝撃のシーン!

*本エピソードの見所は、何と言ってもスパイダーマンのマスクが剥がされ、正体が明らかになってしまうシーンだろう。後年製作されたサム・ライミ版「スパイダーマン2」でも描かれた、原作ファンにはお馴染みの展開なのだが、やはり見ていてドキドキしてしまう。
元々2時間のスペシャル版として製作された本エピソードだが、後の再放送時にはテレビ放送用に、前編後編の2回に分けて放送されている。最終話ということもあってか、本格的な香港ロケを実施。シリーズの中では一番スケールの大きなエピソードとなっている。
本エピソードも後に多くの国で劇場公開されたが、「プルトニウムを追え」と同様、残念ながら日本ではビデオリリースと日曜洋画劇場での放映のみに留まった。ピーターの友人の軍人役で、「CSI」でも有名な若き日のテッド・ダンソンが出演しているのも見逃せない。

最後に

いかがだっただろうか?
日本の東映が製作した、あの「スパイダーマン」に先立つこと半年。本国アメリカでも、ほぼ同時期に「スパイダーマン」が実写化されていたとは!
こうした流れを踏まえて見返してみると、確かにクモ糸の表現や壁に張り付いたりするアクションは、東映版に通じる物がある。

日本独自の設定(巨大ロボやマシンの登場、それにあの独特のポーズなどなど)も凄いと思うが、本シリーズの様に、夜8時放送の1時間ドラマとして、大人の鑑賞に堪えうる作品を作ろうとしたアメリカ版のアプローチは、現在のマーベルコミックス作品の映画版の大ヒット振りを見ても、決して間違っていなかったと言えるだろう。

何にせよ、このテレビシリーズの実現により、80年代に始まる実写映画版企画が動き始めた訳で、現在公開中の「ホームカミング」も、このTVシリーズが無ければ決して実現することは無かったのだ。
残念ながら未だにDVD化されていない本シリーズだが、今後のマーベル映画化作品のソフト発売に合わせて、いつかDVD化される日が来ることを願って止まない。
次回は是非、「スパイダーマン」映画化実現までの長い道のりを紹介したいと思う。

関連する投稿


中山美穂「子供に会えない…」海外移住 ~ 国際離婚の光と影

中山美穂「子供に会えない…」海外移住 ~ 国際離婚の光と影

2024年12月に不慮の事故でこの世を去った中山美穂。結婚後にパリに移住し、出産と離婚を経験する。ハーグ条約が締結された年の国際離婚は、芸能ファンのみならず多くの注目を集めた。親権を失った中山の無念や光と影を追っていく。


実写化作品の原点!オリジナル・ビデオ『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪奇伝 魔笛 エロイム エッサイム』の上映イベントが開催決定!!

実写化作品の原点!オリジナル・ビデオ『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪奇伝 魔笛 エロイム エッサイム』の上映イベントが開催決定!!

シネマノヴェチェントが運営する日本最小フィルム映画館・シネマノヴェチェント(神奈川県横浜市)にて、「月曜ドラマランド」で放映された『ゲゲゲの鬼太郎』の好評を受けて製作されたオリジナル・ビデオ『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪奇伝 魔笛 エロイム エッサイム』が1日限定スペシャルイベントとして上映されます。


桂正和の代表作「ウイングマン」実写ドラマ化!主演・藤岡真威人、ヒロイン・加藤小夏に決定!!

桂正和の代表作「ウイングマン」実写ドラマ化!主演・藤岡真威人、ヒロイン・加藤小夏に決定!!

合同会社DMM.comが運営するDMMの総合動画配信サービス「DMM TV」にて、ドラマチューズ!「ウイングマン」の配信が決定しました。10月22日より、毎週火曜深夜24時30分〜の放送を予定。


「寄生獣」岩明均の原作による実写ドラマ「七夕の国」がディズニープラスで配信中!!

「寄生獣」岩明均の原作による実写ドラマ「七夕の国」がディズニープラスで配信中!!

「寄生獣」で知られる岩明均の原作による実写ドラマ「七夕の国」が、現在ディズニープラスで配信中となっています。


円⾕プロ×MARVELコラボコミックシリーズ第3弾!『ザ・ミステリー・オブ・ウルトラセブン』の⽇本語版が好評発売中!!

円⾕プロ×MARVELコラボコミックシリーズ第3弾!『ザ・ミステリー・オブ・ウルトラセブン』の⽇本語版が好評発売中!!

⼩学館集英社プロダクションより、 円⾕プロダクションと⽶マーベル・エンターテイメントのコラボコミックシリーズ第3弾『ザ・ミステリー・オブ・ウルトラセブン』の⽇本語版が現在好評発売中となっています。


最新の投稿


MR.BIGの名盤『ヘイ・マン』30周年記念盤が発売決定!エリック・マーティン来日公演も開催

MR.BIGの名盤『ヘイ・マン』30周年記念盤が発売決定!エリック・マーティン来日公演も開催

MR.BIGが1996年に発表した4thアルバム『ヘイ・マン』の30周年記念盤が、2026年5月8日に全世界一斉発売されます。未発表のファイナル・ミックスや貴重なライブ音源を多数収録した豪華仕様。さらに、ボーカルのエリック・マーティンが天才ギタリストLi-sa-Xらと挑むアルバム再現来日公演も決定しました。


ざわ…!『カイジ』×『ドンジャラ』の悪魔的コラボがAmazon解禁!自宅で17歩の緊張感を味わえ

ざわ…!『カイジ』×『ドンジャラ』の悪魔的コラボがAmazon解禁!自宅で17歩の緊張感を味わえ

福本伸行氏の人気漫画『カイジ』と、バンダイの国民的ゲーム『ドンジャラ』が奇跡のコラボ!「大人ドンジャラ『逆転闘牌カイジ』」が、2026年3月よりAmazonや公式ストアで販売ルートを拡大します。名シーンを再現した「役」や、特殊ルール「17歩」を搭載。圧倒的熱狂と緊張感を、自宅で手軽に楽しめる逸品です。


田原俊彦、伝説の映像が再び!『KING OF IDOL HISTORY in TBS Vol.2』発売決定

田原俊彦、伝説の映像が再び!『KING OF IDOL HISTORY in TBS Vol.2』発売決定

「KING OF IDOL」田原俊彦の輝かしい足跡を辿る映像集の第2弾が登場!TBSが誇る貴重なアーカイブから、『ザ・ベストテン』『たのきん全力投球!』などの瑞々しいパフォーマンスを厳選収録。「抱きしめてTONIGHT」や「ごめんよ涙」など、歌謡史を彩るヒット曲満載の豪華4枚組が2026年7月に発売されます。


SF映画黄金期の熱狂を凝縮!『SF映画ポスター・コレクション '60s - '80s』が3月発売

SF映画黄金期の熱狂を凝縮!『SF映画ポスター・コレクション '60s - '80s』が3月発売

SF映画の歴史が大きく動いた1968年から1987年まで。本作は、その「黄金期」を彩った世界各国の傑作映画ポスターを550点以上収録した究極のコレクションです。『2001年宇宙の旅』から『ロボコップ』まで、本邦初公開となる貴重な資料や、AI時代だからこそ響く「人の手による表現」の凄みを一冊に凝縮しました。


マッチ、62歳の誕生日を祝う!『近藤真彦 Birthday Live 2026』東京・大阪で開催決定

マッチ、62歳の誕生日を祝う!『近藤真彦 Birthday Live 2026』東京・大阪で開催決定

歌手の近藤真彦が、2026年7月19日に62歳の誕生日を迎えることを記念し、バースデーライブを開催する。7月14日・15日の大阪・オリックス劇場を皮切りに、22日・23日には東京国際フォーラム ホールAで各2公演を実施。トップスターとして走り続ける「マッチ」の現在地を体感できる特別なステージだ。