日々記録が更新される陸上競技!
選手の身体能力、技術、シューズなどの装着物も日々進化している!
日進月歩で進化をし続けている陸上競技界。ウサイン・ボルトが男子100m走で9秒58を出したときは世界中を大きく沸かせましたよね。男子100m走については、1968年に10秒の壁が破られ、1991年に9秒9の壁、1999年に9秒8の壁が破られました。その間、シューズは革製からナイロン製、そしてメッシュ素材へとアスリートが走りやすい形へと進化を遂げています。

2016年に、22秒88の日本新記録をマークした福島千里
ですが一部の競技では・・・?
80年代から世界記録が変わっていない?

日進月歩で進化している陸上競技。普通に考えれば、世界記録は日々更新されていくものだとお考えになる方が多いと思います。しかしながら一部の競技においては、1980年代で世界記録が止まったまま、それどころか、当時の記録に肉薄できる選手が現在のアスリートには存在しない種目すら存在しています。それらの種目をこれから詳しく見ていきたいと思います。
女子100m
1988年から記録が更新されず
女子100m競走の歴代トップ5
1位 10秒49 フローレンス・グリフィス=ジョイナー(アメリカ)1988年7月16日
2位 10秒64 カーメリタ・ジーター(アメリカ)2009年9月20日
3位 10秒65 マリオン・ジョーンズ(アメリカ)1998年9月12日
4位 10秒70 シェリー=アン・フレーザー=プライス(ジャマイカ)2012年6月29日
4位 10秒70 エレーン・トンプソン(ジャマイカ)2016年7月1日
ご覧のとおり、1988年に記録したジョイナーの記録が圧倒的です。2位との差が0.15ありますが、男子100mの世界記録保持者であるウサイン・ボルト(9秒58)と2位のタイソン・ゲイ(9秒69)との差よりも大きいです。ウサイン・ボルトとタイソン・ゲイが同世代の選手であることを考えると、ジョイナーのこの記録の突出ぶりが際立ちますね。
女子400m
80年代の選手が世界記録の上位を独占!
女子400m競走の歴代トップ5
1位 47秒60 マリタ・コッホ(東ドイツ)1985年10月6日
2位 47秒99 ヤルミラ・クラトフビロバ(チェコスロバキア)1983年8月10日
3位 48秒25 マリー・ジョゼ・ペレク(フランス)1996年7月29日
4位 48秒27 オルガ・ブリズギナ (ソビエト連邦)1985年10月6日
5位 48秒59 タチアナ・コチェンボヴァ(チェコスロバキア)1983年8月10日
なんと、21世紀のアスリートが一人も入っていません!「東ドイツ」「チェコスロバキア」「ソビエト連邦」といった現在は存在しない国の選手が堂々ランクインしています。陸上競技は黒人アスリートが活躍する傾向にありますが、世界記録保持者が白人アスリートであることも特徴的な点だと思います。
女子800m
旧共産圏のアスリートが大活躍!
女子800m競走の歴代トップ5
1位 1分53秒28 ヤルミラ・クラトフビロバ(チェコスロバキア)1983年7月26日
2位 1分53秒43 ナデジダ・オリザレンコ(ソビエト連邦)1980年7月27日
3位 1分54秒01 パメラ・ジェリモ(ケニア) 2008年8月29日
4位 1分54秒44 アナ・フィデリア・キロット(キューバ)1989年9月9日
5位 1分54秒81 オルガ・ミネエワ(ソビエト連邦)1980年7月27日
800mも400m同様に、東欧の白人アスリートが活躍しています。女子800mの世界記録は34年間破られておらず、世界記録の中でも最古の記録の一つです。最近のアスリートではこの記録に肉薄するタイムすら出せていないのが現状です。
ドーピング検査の厳格化により記録が伸びなくなった??
ただの風邪薬でも引っかかる?

90年代以降、女子の世界記録が止まってしまった理由として、1989年からドーピング検査が厳格化されたからではないかという主張があります。確かに、80年代に世界記録を樹立した女性アスリートの中には女性離れした体型の人がいるのも事実です。誰とは言いませんが、女性なのに髭が生えて話題になった人もいましたよね。
ただ、厳格化に厳格化を重ねた結果、ドーピング目的でない風邪薬などで陽性反応が出てしまうケースもあり、日常生活に困る人も出ているようです。アスリートをやるのも大変ですね・・・
うっかりドーピングを防止しよう 選手向けページ | 公益社団法人東京都薬剤師会
スポーツマンシップに則ったクリーンな競争を!
今となっては、80年代の女性アスリートの残した突出した世界記録がドーピングによるものだったのかを知ることは困難ですが、これからのアスリートにはフェアプレーを期待したいですね。彼らは世界中の子供たちの憧れですから、夢を壊すようなことはしないでもらいたいものです。
日本アンチ・ドーピング機構 | Japan Anti-Doping Agency (JADA)
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