エスカレーターを舞台に壮絶な銃撃戦を繰り広げ、なんとか彼らを片づけたカリートはゲイルの元へと急ぐ。ホームまで行き、列車に乗ろうとした時、そこに以前罵り、痛めつけたベニー・ブランコが現れ、カリートは冷笑を浮かべたブランコに撃たれてしまう。何発も腹部に銃弾を撃ち込まれ、倒れ込むカリート。
ブランコがホームにいたのは、用心棒パチャンガがカリートの行動情報を漏らしていたのだ。しかし、直後そのバチャンガもブランコに必要ないと撃たれる。
意識が段々と遠のくカリートに泣きつくゲイル。朦朧とした中、カリートはゲイルに金を託し、「お腹の子供と2人で街を出ろ」と言い残す。その後、今までの出来事が走馬灯のように駆け巡る中でカリートは静かに息を引き取る。
そんな彼が最期に見たものは、かつて夢見たパラダイスを写し出した看板だった。
寝っころがった体勢で身を隠し、一味とエスカレーターですれ違うが、見つかり、そのままの体勢で撃ち合う!
あれほど出たがっていた街から出られず、カリートは息絶えた・・・。
夢にまで見た”パラダイス”。決して叶わぬ夢であった。看板が虚しく映し出された。
デ・パルマ流の撮影方法
銃撃戦はお手の物だったアル・パチーノ
作品データ
監督 ブライアン・デ・パルマ
脚本 デヴィッド・コープ
出演 アル・パチーノ、ショーン・ペン、ペネロープ・アン・ミラー等
公開 1994年 ※アメリカは1993年公開
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
時間 144分
ブライアン・デ・パルマ監督(左)とアル・パチーノ (右)
2005年にカリート・ブリガンテの若き日の姿を描いたクライムアクション『カリートの道 暗黒街の抗争』が公開されている。
デ・パルマとアル・パチーノのコンビではないが、こちらも良作と言われている。
アル・パチーノは年齢を重ねて渋みが増していく。本作のアメリカ公開の前年1992年には悲願のアカデミー主演男優賞を『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』の演技で獲得している。
90年代前半は脂の乗り切った頃で、本作でも焦燥感と希望がまみれた”元麻薬王”の悲哀を圧巻の演技を見せてくれた。