むせび泣くバラードは天下逸品 轟音爆裂マシンガン・ピックのゲーリームーアのロック魂よ永遠なれ

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2014年冬季オリンピック・ロシアソチ大会のフィギアスケートSPでエレキギターのバラード曲バックに最高点を叩き出して優勝した羽生結弦。彼の演舞曲がまさにあの「パリの散歩道」。故ゲーリー・ムーアの代表曲だった。1974年のシン・リジィ参加で有名になり、以降1980年代はハードロック、フュージョン等を中心に、1990年代以降はブルースロックを軸に活躍。


2005年8月20日、フィル・ライノットの故郷ダブリンにライノットの銅像が立てられることを記念して行われたコンサートに元シン・リジィのメンバーと共に参加。
模様は、ゲイリー・ムーア・アンド・フレンズとして出演し映像作品としてリリースされた。この年はほぼライヴ活動を行っていない。

よりブルース色への傾斜~B.B.キングとともに

2006年4月、B.B.キングのファイナルUKツアーをサポートしたほか、R&Bのソウルフルな作品「オールド・ニュー・バラーズ・ブルース」をリリースし、数年ぶりのコンサート・ツアーをおこなった。

精力的な演奏活動

2007年4月には北アイルランドでコンサートを2回行った。
5月には25作目にあたるアルバム「クローズ・アズ・ユー・ゲット」リリース。
レコーディングにも参加した元シン・リジィのドラマーであるブライアン・ダウニーが参加してヨーロッパ・ツアーを行った。
10月にはダーレン・ムーニーらとともに「Tribute To Jimi Hendrix」でヘンドリックスの楽曲のみを演奏。
元ジミ・ヘンドリックス・バンドのメンバー;ビリー・コックス、ミッチ・ミッチェルと共演した。

再びモントルー・ジャズ・フェスで

2008年7月7日、モントルー・ジャズ・フェスティバルにてジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズのステージにゲスト出演した。
2008年9月最新作「Bad For You Baby」をリリース。

最後の来日公演と海外ツアー

2010年4月、21年振りの来日公演が東京、名古屋、大阪で行われた。
夏のヨーロッパでのフェスティヴァル・ツアーはニール・カーター、ピート・ルイス、ダーレン・ムーニーらによって1980年代の楽曲が演奏され、ロシア東北部のウラジオストクまでのツアーが組み込まれた。
ロシア公演中に、「どうして、イスラエル公演がおこなわれないのですか?」という質問に対して。ムーアは「イスラエルによるパレスチナへの弾圧があるから」と応えて断った。

ムーアの死

ギターヒーロー 旅先スペインで客死

2011年2月6日、休暇先のスペイン(アンダルシア州マラガ県の都市エステポナ)にて心臓発作で急逝。
2月23日15年間暮らしていたブライトンで葬式が行われた。亡骸はミュージシャンである息子のジャック・ムーアが「ダニー・ボーイ」を演奏して葬送された。

ゲーリー・ムーアの演奏スタイル

頑固一徹のブルース・ロック

ブルースをベースに、コロシアムII時代に培われたジャズ、フュージョンのほかクラシカルなフィーリングも加わり、驚異の速さ、正確さを兼ね備えている。
影響を受けたギタリスト達のスタイルをそのまま再現できる腕前から“巧すぎるギタリスト”、またマシンガンのようなピッキングによる速弾きから“ギタークレイジー”と形容されていた。
しかしながら彼の魅力が最も発揮されるのはバラードにおける泣きのギターであろう。
ギターを泣かせることにおいては最高峰のひとりに挙げられ、時代や流行に左右されない頑固一徹ぶりもある。
1990年代にブルースに移行してからは、ハード・ロック時代に聴かせた速弾きを比較的抑えるようになったが、時折マシンガン・ピッキングが出てしまうこともあった。
このマシンガン奏法が、ゲーリー・ムーアを「ヘビーメタル・ギタリスト」と勘違いする説が後を絶たない。
影響を受けたギタリストはジェフ・ベック、ピーター・グリーン、エリック・クラプトン、ジミ・ヘンドリックスなど。ブルース時期以降〜はオーティス・ラッシュの楽曲へのアプローチが顕著に見受けられる。

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