華麗なる女銀行員
華麗なる女銀行員
メインキャスト
エンマ・エケールを演じるロミー・シュナイダー
ポール・システルヌを演じるジャン・クロード・ブリアリ
カミーユを演じるノエル・シャトレ
バニステールを演じるジャン・ルイ・トランティニャン
ルクードレを演じるダニエル・メグイシュ
ストーリー(ネタバレ)
エンマ・エケール(ロミー・シュナイダー)の生涯の転機となったのは、1919年にモイーズ・ナタンソンと結婚し、彼と組んで金融界に足を踏み入れたことだった。彼女は、帽子職人の母の下で働く貧しい娘であったが、上流社会の家に出入りするうちに、その美貌が周囲の注意をひき、いつしか社交界の名花となり、〈エンマ・エケール新聞社〉を設立するまでになった。モイーズとはその後別れたが、交流はその後も続いた。
1921年、彼女は戦時暴利のカドで裁判沙汰となるが、有能な弁護士ポール・システルヌ(ジャン・クロード・ブリアリ)の絶大な協力を得ることにより、以後、彼は彼女のよき協力者となった。
やがてエンマは、女富豪のカミーユ(ノエル・シャトレ)と親しくなり、彼女の資金で〈エンマ・エケール銀行〉を設立した。フランス金融界初の女銀行家であった。初めは多難をきわめた銀行経営も、彼女の持ち前の才覚で軌道にのった。彼女は株式仲買人や金融業者、外国の情報提供者らを懐柔し、独自の情報網を作り上げた。その結果、ロイヤル石油の大油田発見をいち早く察知し大もうけをした。彼女はまた大衆に8パーセントの金利を約束し、“8%の女”として大衆の絶大な人気を得た。
そんな彼女の台頭ぶりを冷ややかな目で見る人物がいた。仏銀行界の大立者バニステール(ジャン・ルイ・トランティニャン)だ。
エンマはその頃、左翼の新進若手代議士候補ルクードレ(ダニエル・メグイシュ)と恋に陥り、彼女は初めて女として燃えた。ところが、エンマが時の保守系首相プレファイユに傾倒していることに疑問をもったルクードレは彼女に別れ話を切り出した。怒ったエンマはルクードレ失脚を計るが、彼を愛しているエンマは、最終的には、彼を救う。再燃した二人の恋の炎は、ドイツ、オーストリアと駆けめぐった。
そんな彼女に非難の目を向けるのが少年アルマン(アルノー・ボワソー)、彼は昔の“恋人”だった上流夫人の遺児で今はエンマの養子になっていた。
エンマが絶頂を極める頃、ファシズムが台頭し、ムッソリーニが国債発行をエンマに委ねると発表した。その頃、バニステールと保守の首相プレファイユがエンマ追い落としを画策していた。
ルクードレが心臓発作で倒れ、エンマは、予審判事ラルゲ(クロード・ブラッスール)の追いつめで、証券不法取引の疑いで逮捕、送検された。
ハンストを敢行し病院に運ばれた彼女を救ったのは、夫との関係を知りながらエンマに心酔しはじめていたルクードレ夫人コレット(マリー・フランス・ピジェ)だった。
エケール事件の裁判が始まり、彼女は3年の禁固刑を言い渡される。