George Harrison

ジョージ・ハリスン
ビートルズの一員であり、ビートルズ解散後も多くのヒット曲を放っているジョージ・ハリスン。言わずと知れた存在ですが、そのジョージ・ハリスンはツアー嫌いで、ソロとしては生涯2回しかツアーを行っていないということは、もしかするとあまり知られていないのかもしれません。
人気があり、楽曲もたくさん持っているジョージ・ハリスンが2回しかツアーを行っていないというのは、どう考えても少ないですよね。
キャリアを考えればツアーはもとより、ライブ、人前で歌うこと自体が極端に少ないジョージ・ハリスンですが、そんなジョージ・ハリスンのツアーをご紹介します。
1970年にビートルズが解散し、実質的なファースト・ソロ・アルバムである「オール・シングス・マスト・パス」を同年にリリース。シングル・カットされた「マイ・スウィート・ロード」と共に全米1位をはじめ全世界で大ヒットしています。
The Concert for Bangla Desh

バングラデシュ・コンサート
ジョージ・ハリスンのライブといえば、最も有名なのは「コンサート・フォー・バングラディシュ」でしょう。
ジョージ・ハリスン主催のこのライブは、シタールの師であるラヴィ・シャンカールの要請で1971年12月20日に行われたロック界初の大規模なチャリティー・コンサートです。
エリック・クラプトン、ボブ・ディラン、レオン・ラッセル、リンゴ・スター、バッド・フィンガーなどが参加したこのライブは大成功を収め、ライヴ・アルバムも大ヒットし、1972年のグラミー賞のアルバム・オブ・ザ・イヤーにも輝いています。
と同時に、ボブ・ディランやビリー・プレストンなども入っているとはいえ、ジョージ・ハリスンのライブ音源を収めた貴重な1枚でもあります。

バングラデシュ・コンサート
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First Tour
ジョージ・ハリスンの快進撃は翌1973年も続き、2枚目となるアルバム「リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」も全米5週連続1位をはじめ世界的に大ヒット。
シングル・カットされた「ギヴ・ミー・ラヴ」もこれまた全米1位となっています。
そんな絶好調の最中に行われたのがビートルズ解散後初となる北米ツアーです。
ソロとしては初めてとなるこのツアーは、26都市45回にも亘るツアーでしたが、マスコミから酷評されてしまいます。

北米ツアー
酷評された原因はいくつかありますが、先ずジョージ・ハリスンの体調が万全ではなかったということです。多忙なスケジュールにより声帯を痛めていたため「声が出ていない」と叩かれてしまいます。
このツアー中に制作されていた次のアルバム「ダーク・ホース」で、今となっては貴重なガラガラ声のジョージ・ハリスンを聴くことが出来ます。
そして、オリジナルの歌詞を変え、アレンジも変えすぎたということも不評を買ったようです。
更に、コンサートの中に挟んだラヴィ・シャンカールのセットが長いということも問題でした。多くの観客はジョージ・ハリスンを見に来ているわけですから、分からない話ではありません。
ただ、この時のツアーを観たポール・マッカートニーは後に「言われるほど悪くなかったよ」と発言しています。
自身のヒット曲以外に、ビートルズ時代のジョン・レノンの名曲「イン・マイ・ライフ」をファンキーなアレンジで演奏したりしており、なかなか聴きどころ見どころの多いライブになっています。
一説によるとこのツアーの模様はレコーディングされているらしいですが、正式にアルバムや映像が発売されていないのはとても残念です。
Second Tour
最初のツアーの評判が悪かったことでジョージ・ハリスンのツアー嫌いが更に深まり、2度目のツアーが行われたのは、親友エリック・クラプトンと彼のバンドを従えた1991年のジャパン・ツアーになります。
ビートルズ以来25年ぶりの日本公演であり、17年ぶりのコンサートツアーとなったこのジャパン・ツアーは結局ジョージ・ハリスン最後のツアーになってしまいました。
中ほどで披露されていたエリック・クラプトンのコーナーはカットされているものの、このライブの模様は1992年にリリースされたアルバム「ライヴ・イン・ジャパン」で聴くことができます。
1ステージほぼ収録されたジョージ・ハリスンのライブ音源が正式に残されたことは大きい。
十分に楽しめます。

ライヴ・イン・ジャパン
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1991年12月
ところで、来日公演時にジョージ・ハリスンが使っていたギター、一見するとフェンダーのテレキャスターに見えますが、実はフリッツブラザースというメーカーのブルーズマスター、ロイブキャナン・モデルというものです。
知る人ぞ知るギターといえますが、ギター・フリークのジョージ・ハリスンらしいチョイスです。

Bluesmaster
生涯わずか2回のツアーしか行わなかったジョージ・ハリスン。最後のライブはジャパン・ツアーの翌年に行われたボブ・ディランのレコードデビュー30周年記念コンサートでした。
ボブ・ディランとは60年代から仲が良かったとはいえ、友達思いのジョージ・ハリスンらしいですね。