歌姫デビュー
1978年11月、「戻っておいで」でレコードデビュー。
デビュー当時は慶応大学英文科に在籍していた秀才でしたが、中退し本格的に歌の世界へと歩み始めます。もう少しで卒業だったのに、この決断はすごいですね。
これがあったからこそ、松任谷由実・中島みゆきと並ぶ歌姫が誕生するのです。
でも、デビュー当初はあまり売れませんでした。
翌1979年、1980年と続けてヒット曲を発売し、その後、紆余曲折ありながらも確実に自身の音楽スタイルを確立して、存在感を示していくことになります。

夏の陽ざしが弱まるように 心に翳がさした
SEPTEMBER

1979年8月リリース。
日本レコード大賞新人賞を獲得し、彼女を世に送り出した曲ですね。
B面の歌の編曲を山下達郎が担当しており、この頃すでに未来の夫と出会っていたのでした。
恋は初めてじゃないけれども
不思議なピーチパイ

1980年2月リリース。
資生堂のCMとタイアップして、シングル40万枚を売り上げたヒットソングです。
「アイドル歌手」としての彼女の最大にして最後のヒット曲ですね。
翌1981年後半、自身の音楽と向き合うために、一時活動を休止しますが、山下達郎との結婚などを経て、活動再開し、「竹内まりや」を樹立していきます。
Let’s Get Married
本気でオンリーユー

1984年4月リリース。
彼女自身の作詞作曲で初めてのヒットソングと言える曲です。
詩は全編英語で構成されており、彼女の英語力の高さも話題になりました。
(彼女は高校時代にアメリカ留学経験があり、慶應大英文科の秀才です)
友達でいたいけど 動き出したハートは止められない
恋の嵐

1986年3月リリース。
ドラマ「となりの女」(主演;大原麗子)の主題歌。
詩は切ない恋を描いているのですが、リズムの良いメロディが明るく感じさせています。
この頃から彼女の歌はシークレット、不倫をテーマにした歌が多くなっていきます。
懐かしさの一歩手前で こみあげる苦い思い出
駅

元々は1986年の中森明菜のアルバムへの提供曲でしたが、評判になりシングル化。
その後も1991年までに2回の再リリースを行うなど、長い間愛され続けている名曲です。
駅で偶然すれ違った、2年前に別れた恋人。
同じ電車の隣の車両に乗って彼を見つめる。
彼は彼女に気づいていない。
彼の横顔を眺めているうちに昔の思いがこみ上げてくる。。。
別れた男女のすれ違う愛情を、女性の情感たっぷりに表現されたとてもいい歌です。
終わりを告げた恋に すがるのはやめにして
元気を出して

1988年11月リリース。
1984年に薬師丸ひろ子のアルバム「古今集」に提供した曲。
この歌もロングヒットを続けた1曲で、1992年にはTBC(東京ビューティセンター)のCMに使われ、2000年以降も2度ドラマの挿入歌になり、多くの歌手がカバーしています。
忘れかけた想いが 胸の中でざわめく
シングル・アゲイン

1989年9月リリース。大人の女の失恋歌。
微妙かつ不可思議な女性の心情を描いたこの歌は、「火曜サスペンス劇場」の主題歌にもなりヒットしました。
本気で好きとつぶやいたこと 心の片隅に覚えてて
告白

1990年9月リリース。
シングル・アゲインに続き「火曜サスペンス劇場」の9代目の主題歌になりました。
「今頃愛打ち明けられても引き返せない」「どんなに遅すぎても 告白待ちわびているの」という矛盾に満ちた微妙な女心を、やさしいメロディにのせてヒットした歌です。
凍りかけた愛を 温めなおしたいのに
家に帰ろう

1992年11月リリース。
とても明るく軽やかなメロディですが、詩はちょっと嫌悪感さえ覚える、倦怠ぎみの女性の思いが随所にみられる内容です。でも、最終的にあなたと一緒に未来に向かって行こう、という思いがうかがえることから、このような明るいメロディの歌になったのでしょう。
竹内まりやの歌は、実におもしろいですね。
あなたの心奪うのは ルール違反でしょうか
純愛ラプソディ

1994年5月リリース。彼女の最大のヒット曲になりました。
ドラマ「出逢った頃の君でいて」(主演;酒井法子)の主題歌です。
詩のテーマは不倫なのですが、メロディはそれを感じさせないテンポのいい曲です。
一般的には決して許されることではないのですが、理屈道理にはいかない女性の恋愛感情を、ポジティブに、見事に表現したいい歌です。だからこそ、20年以上たった今でもカラオケで歌われているのですね。
キムタクさえも かすむような男
今夜はHearty Party

1995年11月リリース。
キムタクまで登場しちゃう、クリスマスパーティにピッタリのハッピーな曲です。
こんなエピソードも、
今夜はHearty Party - Wikipedia
かなわない想いほど 未練になる
ロンリー・ウーマン

1996年11月リリース。
ドラマ「義務と演技」(出演;浅野ゆう子・黒木瞳)の主題歌にもなり話題になりました。
昨日までの涙と偽りを捨てて
カムフラージュ

1998年11月リリース。
サスペンスドラマ「眠れる森」(出演;木村拓哉・中山美穂)の主題歌。
デビュー20年の記念すべきこの歌は、自身初となるオリコンチャート1位の座も射止めました。
たった今来た道さえも 迷路の始まり
天使のため息

1999年9月リリース。
彼女の20世紀最後のシングルとなったこの歌は、オリコンチャートベスト10に入るヒット曲となりました。同年公開の東野圭吾原作の映画「秘密」(主演;広末涼子)の主題歌にもなりヒットに貢献しました。
最高にして 最愛の伴侶

アイドル路線でのデビュー後、自身の目指す道へとかじを切り、見事に大輪の花を咲かせた竹内まりやさん。
そんな彼女を公私に渡って応援し、支え続けてきたのが夫の山下達郎さんです。彼女の楽曲の編曲・プロデュースをほとんど担当し、歌姫「竹内まりや」の礎を築き、ともに生きてきたと言えるでしょう。唯一無二の存在ですね。
いついつまでも、二人三脚で、ファンを楽しませていただきたいですね。