「ドラえもんのひみつ道具で最強なのは?」の議論、したことありませんか。
タイムマシンやスモールライト、タケコプター。欲張りな人はソノウソホントやウソ800。
筆者などは四次元ポケットと答えつつ「あ、ドラえもんが使ってるヤツだから中身も入ってるよ!」なんて、可愛げのないことを言ってたものです(笑
そんななかでも最強説に登場しやすかった「もしもボックス」。
これも一見すると万能なのですが、なかなかどうしてハッピーな結果になりません。
もしもボックスの用途を知った上で、その登場シーンを振り返るとなんとなくもしもボックスの意味が分かって来るようです。
もしもボックスは一種の「実験装置」
ドラえもんの説明では「もしもこんなことがあったら、どんな世界になるか」を体験するための道具ということです。

昭和の香りが存分に漂う「もしもボックス」
利用方法に「元に戻す」がある為、もしもボックスで体験する世界は一時的なもので、その経験の後に元に戻すことが想定されているんですね。

もとの世界へ戻して!
「もしもボックス」(凧揚げと羽根つきのない世界) 初出:1975年度小学四年生1月号

たこあげとはねつきのない世界
お正月で凧揚げが揚げられず、羽根突きでボロ負けしたのび太は「こんな遊び無ければ良いのに」と考えます。
凧揚げと羽根つきの無い世界でのび太は「誰もやったことが無いなら、僕が一番上手に決まってる」と考え、意気揚々とみんなに自慢するものの結局みんなの方が上手く、自分だけが赤っ恥をかいてしまうことに。
やったことがなくても、呑み込みの早さの問題だったんですね。
「もしもボックス」(てれびくん版)初出:1976年度てれびくん12月号

昼夜が逆の世界に
夜更かしに憧れるのび太は、昼夜が逆の世界を出します。その世界では人々が昼間眠って夜に生活します。
のび太は昼でも学校に行かずに済むので、喜んで遊び回ろうとするものの、結局みんなの生活習慣が正確に12時間逆転しただけで、全く目的を果たせていない世界でした。
「お金のいらない世界」 初出:1976年度小学五年生1月号

もし世界にお金がなかったら…
プラモデルが欲しいがお金がないというのび太は「もし世界にお金がなかったら…」という思いから「お金のいらない世界」に。
しかしその世界はのび太が思い描いた「お金がかからない世界」でなく「お金はマイナスの価値を示す物であり、皆が欲しがらない世界」でした。
そのため、色々なアクシデントで莫大なお金を受け取ったのび太は懲り懲りな顏付きで元の世界に戻してしまいます。
とにかくお金が邪魔な世界でした。
「あやとり世界」 初出:1977年度てれびくん4月号

世界じゅうがあやとりにむちゅうだったら・・・
新しいあやとりを披露したものの全く相手にされなかったのび太は、あやとりの技術で社会・経済的な地位が決まる世界を出します。
あやとり最強ののび太でしたから、この世界で周囲から羨望の目を集め、多額の契約金でプロ大会にスカウトされるなど急速に高い地位を築くものの、指がないためにあやとりができないドラえもんがすっかり頭に来て元に戻してしまうことに。
作中でのび太によって実現された世界の中では珍しく何のデメリットもない世界でした。
「音のない世界」 初出:1977年度小学三年生5月号

ジャイアンのリサイタルを前に音のない世界を・・・
例によってジャイアンがまたしてもリサイタルを開く事になり、何とか聞かずにすむ方法を考えた末、のび太とドラえもんは世界から音をなくすことを思いつきます。
音がなくなった世界ではコミュニケーションは全て筆談で行われるようになった。生活に不便さを感じたため、リサイタルが終われば元の世界に戻そうと考えていたのび太ですが、不思議なことに音痴な歌の文字はそれを見ただけで吐き気がしてしまうと、全く目的を成さず終いに終わることに。
「かがみのない世界」 初出:1980年度てれびくん3月号

自分のパッとしない顔に自信が持てないのび太
自分のパッとしない顔に自信が持てないのび太が「鏡さえなければ誰も自分の顔を知らず、傷つくこともうぬぼれることもないはずだ」という思いから「誰も自分の顔を見たことがない世界」にします。
のび太とドラえもんは鏡を出して周りの反応を楽しんでいたものの、それがとんでもない事件の引き金となったために元の世界へ戻すことになります。
「大富豪のび太」 初出:1981年度小学五年生7月号

貨幣の価値が現在よりもはるかに高い(物価が安い)世界
貨幣の価値が現在よりもはるかに高い(物価が安い)世界を出します。
漫画が1冊350円の世界から10冊で3銭5厘になり、貨幣価値が10万倍(物価が10万分の1)に。
のび太は道具を使うときに「自分の持ってる1万円札は除く」としたため、その1万円札の価値が(元の世界の)10億円相当に。そこで金に不自由しない世界を満喫するが、身代金目当ての誘拐犯が現れ、結局元の世界に戻すことにします。
実はデメリットがなかったケースです。
「ねむりの天才のび太」 初出:1982年度てれびくん4月号

眠る人ほど偉い世界
居眠りしてばかりで叱られたりバカにされたりするのび太は、この道具を使って「眠る人ほど偉い世界」を作ってみることに。
のび太はその世界でテレビ出演を果たすほど地位を築くが、結局眠れば何もできない世界では、様々な問題が発生してしまい、居眠り運転のダンプが突撃したことがきっかけで元の世界に戻すことに。
子供ながらに「そりゃそうだ」の回でしたね。
「ためしにさようなら」 初出:1982年度てれびくん2月号

自分が引っ越すことになったらしずかたちは悲しんでくれるか試したくなったのび太
しずかが海外に引っ越す友人との別れを惜しんでいる様子を見たのび太が、自分が引っ越すことになったらしずかたちは悲しんでくれるか試したくなり、野比家がアメリカに引っ越す設定に。
ジャイアンやスネ夫も別れを惜しみ、彼らなりのやり方で今までの意地悪を詫びようとします。
しずかがあまりに悲しみ嘆くために元の世界に戻そうとしたら、もしもボックスが故障して本当にアメリカ行きになる寸前、ドラえもんが何とか修理して戻すことが出来ました。
もしもボックスを使うまでもない設定だったかもしれませんね。
『のび太の魔界大冒険』、『のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』

魔法が実在する世界
「魔法が本当に使えたらいいな」と魔法にあこがれるのび太が作った、魔法が実在する世界。
映画「のび太の魔界大冒険」の物語の全ては、のび太がこの道具を使うところから始まりました。
『わたし、のび子よ』

男の子だから馬鹿にされて嫌だと思ったのび太は女の子に・・・
男の子だから馬鹿にされて嫌だと思ったのび太は、この道具を使って女の子に。
女の子になると、ドラえもんも女の子(ドラ子)になり、机のイスの色や、ふすまの色も女性を意識した色(ピンク)になります。
この世界では馬鹿にされずに、遅刻しても廊下に立たないなどいいことだらけでしたが、しずかとは結婚できずに逆にジャイアンに惚れられてしまいます。
『のび太3さい!?』

小学5年生のままの3才児の姿になるのび太
玉子の友人の息子が褒められているのを見て悔しがるのび太がこの道具を使って学力は小学5年生のままの3才児の姿に。
この姿で小学5年生の問題を答えるなどをして玉子の友人を悔しがらせることに成功し、スネ夫とジャイアンには優しくしてもらったり、神成に謝ったご褒美に饅頭を貰ったりとメリットもあったのですが、しずかには子供扱いされて相手にしてもらえず、近所の子供にも苛められてしまうことに。
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