恐るべきちえりのポテンシャル
陸上での基礎体力トレーニングをしばらく続けた後、続は初めてちえりをリンクに連れて行きます。そこでちえりがいきなり披露したのが、父親に教わったコンパルソリー。
フィギュア用語解説(コンパル・ターン)
実は高い基礎能力を備えていたちえりですが、この後も驚異の身体能力と順応力で、周囲を驚かせ続けます。
こうしてフィギュアスケートの才能を開花させていくちえり。しかし、その前に、高く大きな壁が立ちふさがります。
彼女の名はキャンティ秋山。わずか8歳で全日本ジュニアで優勝を果たし、現在、世界ジュニア選手権を連覇中という逸材です。その可憐な容姿と圧倒的な実力、そして気位の高さから「プリンセス」と呼ばれています。
そのプリンセスは、ちえりの演技に致命的な弱点を見つけたようですが……。
さて、ちえりたちはこの後「チェリー・プロジェクト」を完遂することができるのでしょうか?
おわりに
飛鳥ちえりは、続たち仲間のサポートを受けながら、数々の困難に立ち向かっていきます。その中で、ご紹介したシーンよりも遥かに驚きに満ちた展開を見せることもあります。その表現に戸惑う人もいるかもしれません。
空想科学研究所主任研究員の柳田理科雄先生は、ベストセラー「空想科学読本」のまえがきで、次のように語っておられます。
一方「プリンセス」キャンティ秋山は「四回転をとべる男子がいま世界に何人いると思うの?」と発言しましたが、この物語が発表されたのは90年代初頭。フィギュアスケートの世界は大きく進化しています。
2016年現在、男子シングルのトップ選手は各種四回転ジャンプを複数プログラムに組み込んでいます。2002年には、安藤美姫さんが女子スケーターとして初めて、競技会での四回転ジャンプ(四回転サルコウ)を成功させました。
時代をはるかに先取りしていたといえる「Theチェリー・プロジェクト」。「リアル飛鳥ちえり」のようなスケーターが、我々の前に登場する時は近いかもしれません。