庵野秀明の新たなる挑戦『ラブ&ポップ』
『新世紀エヴァンゲリオン』がどれだけの衝撃と称賛をもって多くの人に受け入れられたかを、いまさら語るまでもないだろう。当然のことながら、多くの人が庵野秀明の次の長編アニメを待ち望んでいたと思う。しかし、彼は「実写映画」という選択をする。『新世紀エヴァンゲリオン』の手法をふんだんに盛り込み、それをオリジナリティだと納得できれば十分に楽しめる映画となった。とにかく、庵野秀明が「新人」監督と名乗って、新たなる挑戦に踏み出した作品が、『ラブ&ポップ』なのである。

家庭用デジタルビデオカメラで撮影された『ラブ&ポップ』
あらすじ
キャスト&スタッフ
吉井裕美・・・三輪明日美/野田知佐・・・希良梨
横井奈緒・・・工藤浩乃/高橋千恵子・・・仲間由紀恵
三輪ひとみ、平田満、吹越満、モロ師岡、手塚とおる
渡辺いっけい 、浅野忠信、岡田奈々、森本レオ
監督/庵野秀明(新人) 原作/村上龍 脚本/薩川昭夫
撮影/柴主高秀 録音/橋本泰夫 助監督/杉野剛 音楽監督/光宗信吉
主題歌/三輪明日美「あの素晴しい愛をもう一度」
製作・配給/ラブ&ポップ製作機構(1998年)




庵野秀明はどこに向かうのか!?
日本アニメ界に燦然と輝く名作『新世紀エヴァンゲリオン』を手掛けた庵野秀明。日本アニメ界において、『機動戦士ガンダム』以降、これほどまでに大きなインパクトのある作品はなかった。そして今年、庵野はゴジラシリーズの最新作『シン・ゴジラ』を世に送り出した。従来のゴジラシリーズとは一線を画すこの作品に対して賛否両論はあるものの、またも問題作を世界に提示してみせたのだ。『ラブ&ポップ』はまさにその胎動だったといえる。今後、庵野秀明はどこに向かうのか!? とにかく、なによりも「次」が楽しみな映画監督だといえよう。

< 庵野秀明の仕事 >
庵野秀明 - Wikipedia
『風の谷のナウシカ』
『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』
『新世紀エヴァンゲリオン』
『シン・ゴジラ』

ブレイクだいぶ前の仲間由紀恵、主役ではなかった、が妙に目立ってしまっていた。。。
まだブレイクする前の仲間由紀恵である。しかし、存在感は十分。少なくとも高校生にしては色気がありすぎる。ドラマ『TRICK』『ごくせん』で大ブレイクし、大河ドラマ『功名が辻』で主役をはり、紅白歌合戦の紅組司会を4度もやり、まさに国民的女優に登り詰めた仲間由紀恵の映画出演2作目の『ラブ&ポップ』は初々しさのなかに何かやはり光るものがあった(ような気がする)。



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仲間由紀恵 - Wikipedia
浅野忠信
映画俳優である。もちろんテレビドラマに出ていないわけではないが、映画俳優として、圧倒的なのである。映画人に愛される俳優と言っていいだろう。とにかくデビュー以来、映画出演が途切れることはない。毎年、何かしらクレジットを刻んでいる。その存在感は群を抜いている。とはいえ、激しさに身を包んで演技をするだけではない。静かなその佇まいで、観るものに強烈な印象を残していくのだ。稀有な俳優である。
『ラブ&ポップ』では、ぬいぐるみと話をしながら、女子高校生をホテルに誘う奇妙な男を演じる。この役が彼のキャリアにとって、どんな意味があるのかはわからない。でも、彼は完璧にこの男を演じている(と思う)。その奇妙な男を。

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浅野忠信 - Wikipedia
人気作家村上龍の原作の映画化である
ミドルエッジ世代で村上龍という作家を知らないというのはあまり信じたくはないが、それは人それぞれの人生の歩き方によるところで、それについてとやかくいう資格など、一小市民の私にあるはずもないのだから、やっぱり言わないでおこうと思うが、いちおう、あの村上春樹と一時期は並び称される作家ではあったということはお伝えしておこうと思う。念のため(W浅野ならぬW村上などと言われていた)。
で、作家としては、『限りなく透明に近いブルー』という衝撃的な作品でデビューし、そのまま芥川賞を受賞し、ターンと一世風靡をし、その後もヒット作を連発し、小説やら、エッセイやら、売れまくって、映画を作ったり、キューバ音楽をプロデュースしたり、テレビ番組のMCやったり、まあ多彩な人なのである。もちろん、作家としても数々の賞を受賞していて、日本では確固たる地位を築いてもいる。
その村上龍のこれまた人気作『トパーズ』の第2段的な意味合いをもつのが、この『ラブ&ポップ』なわけで、それを日本アニメ界の風雲児、庵野秀明が出がけたのがこの映画だったのである。
村上龍の長編小説たち。とにかく多作。これ以外に短編集やエッセイなども多数。
村上龍 - Wikipedia