Harry Edward Nilsson III
Harry Nilsson
ハリー・ニルソンは1941年6月15日アメリカ生まれのミュージシャンです。
1960年代後半から1970年代前半にニルソン名義で「ウィザウト・ユー」、「うわさの男」など数多くのヒット曲を放っています。
甘く美しい歌声は一度聴いてしまうと忘れられなくなるほどです。何度でも聴いていたいそんなハリー・ニルソンの名曲、名唱をご紹介します。
Pandemonium Shadow Show
1967年発売のアルバム「パンディモニアム・シャドウ・ショウ」に関するあまりにも有名なエピソードとして、このアルバムを聴いて感動したジョン・レノンが国際電話をニルソンにかけ、「You are great!」と称賛したというものがあります。
パンディモニアム・シャドウ・ショウ
Aerial Ballet
これまた名盤といえる1968年発売のアルバム「空中バレー」です。
このアルバムには映画「真夜中のカーボーイ」の主題歌として使われ大ヒットした「うわさの男」が入っています。
この映画の主題歌はボブ・ディランなど数人のミュージシャンに依頼されていましたが、監督の意向により「うわさの男」に決定しています。実は、当初ニルソンは「孤独のニューヨーク」を提出しており、「うわさの男」は仮歌だったそうですよ。
空中バレー
因みに映画「真夜中のカーボーイ」の主題歌としてボブ・ディランが提出したのはこの曲でした。主題歌ということを意識したのでしょうかボブ・ディランにしては珍しくポップです。大ヒットし、今ではスタンダードとして様々なミュージシャンにカバーされています。
Harry
アルバム「ハリー・ニルソンの肖像」。1969年の発売で名盤、名盤と言っていたらこの時期のハリー・ニルソンのアルバムは全て名盤となってしまいそうですが、このアルバムも本当に良い出来です。
当初ハリー・ニルソン自身が映画「真夜中のカーボーイ」の主題歌用にと考えていた「孤独のニューヨーク」はこのアルバムに収められています。
ハリー・ニルソンの肖像
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さぁ「孤独のニューヨーク」ですが、ボブ・ディランと比べてどちらが良かったでしょうか?比べるものでもありまでんが、監督は「うわさの男」にしろ「孤独のニューヨーク」にしろ明るく哀愁がある曲が良かったのでしょうね。
それにしても、どれも良い曲です。
Nilsson Schmilsson
1971年発売のアルバム「ニルソン・シュミルソン」は、アメリカとイギリスのアルバム・チャートでトップ5入りし、ハリー・ニルソンのアルバムとしては特に成功を収めています。
ハリー・ニルソンの代名詞ともいえ全米、全英共に1位を獲得したシングル「ウィザウト・ユー」はこのアルバムに収録されています。
オリジナルは1970年に発表したバッドフィンガーの作品です。
ニルソン・シュミルソン
A Little Touch of Schmilsson in the Night
正直こういうのもどうかと思いますが、またしてもこう言わなければなりません。名盤です。
1973年発売のアルバム「夜のシュミルソン」は、全曲スタンダード・ナンバーのみです。単なるカバー・アルバムとならなかったのは、50年代にフランク・シナトラの伴奏指揮者として活躍したゴードン・ジェンキンスの起用が好結果となっています。
このアルバムを通して聴いていると、ノスタルジックな時代へタイム・スリップしてしまいます。
夜のシュミルソン
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この後はアルコールとドラッグに溺れてしまい喉を痛め魅力的な声を失ってしまいます。
1974年にはジョン・レノン・プロデュースのアルバム「プシー・キャッツ」を発売しますが、声はつぶれ只の酔っ払いと成り果てたハリー・ニルソンにそれまでのファンは失望してしまいます。
今聴きなおしてみるとこのダミ声も哀愁があり魅力的ですけどね。
しかし、生活の乱れはハリー・ニルソンの体を次第次第に蝕み糖尿病に侵されてしまい1994年1月15日、自宅で就寝中に心不全のため亡くなってしまいます。まだ52歳という若さでした。