混迷の時代を生きる私たちが観るべき “必須科目” 「機動戦士ガンダム」。その「ガンダム」シリーズの最高傑作が『めぐりあい宇宙(そら)編』なのだ!!

混迷の時代を生きる私たちが観るべき “必須科目” 「機動戦士ガンダム」。その「ガンダム」シリーズの最高傑作が『めぐりあい宇宙(そら)編』なのだ!!

『めぐりあい宇宙(そら)編』は、アニメ史上、もっともリアルに人間と戦争を描いた「機動戦士ガンダム」の劇場版完結編である。その大きなテーマを丁寧に描きつつも “人の革新” について問う本作は、「ガンダム」シリーズの最高傑作といって過言ではない。人間の愚かさも美しさも何もかもを描いてみせた「ガンダム」はここに完結をみるのだ!


続いて、『めぐりあい宇宙(そら)編」のオープニングを!

▼名シーンレビュー<2>「やはり大佐は宇宙(そら)のほうがお似合いですな」

1作目から観ているファンなら、このオープニングの後のドレン(昔の部下)の登場にニヤリとするかもしれない。シャア(昔の上司)とのやりとりがまたいい。そこらへんの会社の上司と部下のやりとりさながらだ。

「おー、ご無沙汰であります、大佐」(ご無沙汰なんて使うアニメがあるか?)
「元気そうだな、ドレン」(シャアの、このさわやかな感じもいい)
「また貴様の手を借りたいのだ」(この言い回しもニクイ。手を借りたいと言ったのは、泣く子も黙る“赤い彗星のシャア ”だ。シャアが昔の部下にそういう言い回しを使う。シャアの人身掌握術を見るようだ。なまじ、現場での実力があるタイプは部下の扱いがマズい。それがシャアは人を操る術も知っている。それが垣間見れるシーンだ)

「追いつけますか?」(軽口挟み~の)
「私を誰だと思っているんだ?ドレン」(笑いながら、俺さま節)
「申し訳ありません、大佐」(笑いながら~の)
「やはり大佐は宇宙(そら)のほうがお似合いですな」
(お世辞も忘れない、まさに良い部下)
「お世辞か」(シャア様のツッコミ)
「わっはっはっはっはっはっは」(ここで会話終了!)

このリアルさ、小気味良さがいい。ホント、いろんな意味で感心します。

シャア・アズナブルの部下だったドレンは、いまやキャメル艦隊を率いる。そこにシャアから協力要請が来るという場面なのだ。

「やはり大佐は宇宙(そら)のほうがお似合いですな」(ドレンはお世辞も忘れない)

ただ、この登場のすぐあと、ドレン率いるキャメル艦隊は、完全に覚醒しつつあるアムロの乗るガンダムと、ホワイトベースにせん滅される。個性派ドレンはあっけなく宇宙の藻屑になってしまうのだ。ああ、ドレン。

さらに、ここで『めぐりあい宇宙(そら)編』の劇場予告編も!

▼名シーンレビュー<3>「宇宙の片隅で連邦とジオンが戦い続けるのです」

このシーンは、まさに予言的ですらあった。
公開は1982年だが、いま観るとその数年後の湾岸戦争のテレビ中継を想起させるものがある。

中立コロニーであるサイド6を飛び立ったホワイトベースとジオンの戦いをテレビ局が中継するシーン。サイド6の人々は街のあちこちでそれを目にする。

「これはドラマではありません。実戦です。宇宙の片隅で連邦とジオンが戦い続けるのです!」

1991年、私たちはアメリカのミサイルと
イラクの高射砲が飛び交う光景をテレビで見ていた。
暗い中東の空を光の筋が駆け抜けていく。
そこにあったのは確実に本物の戦争だった。
でも、私たちにはそれがどうもリアルに感じられなかった。
遠く離れた地で、中東の片隅で繰り広げられる戦争を傍観者として見ていたのだ。
まるでゲームを見ているような感覚で。

「これは本当の戦争です。この事実を目撃した我々は戦火に巻き込まれないために何を…考えるべきでしょう」

そう、私たちは何を考えるべきなのだろう。

ちなみに、こちらはそのテレビ中継をに食い入るように見ている酸素欠乏症になってしまったアムロの父、ティム・レイ。自分の開発した時代遅れの装置によってガンダムが圧倒的勝利をおさめたと思い込んで歓喜するあまり、2階の階段を踏み外し1階に落ちてしまう。おそらく、生きてはいないだろうと誰もが思ったシーン。ここにもなにやら言いようもない寂しさがある。

熾烈を極める最後の戦場ア・バオア・クーで私たちの見たものは?

はじめにも触れたが、しっかりと人間と戦争が描かれている。
世界の歴史をなぞるように。

権力闘争の末に身内が殺し合う権力者。
母親や恋人の名前を叫びながら、死んでいく兵士。
戦場(宇宙空間)では爆発音が鳴り響き、
いたるところに死体が漂っている。

この『めぐりあい宇宙(そら)編』の
最後の戦場ア・バオア・クーでの戦いはまさに熾烈を極めた。
ホワイトベースは両方のエンジンを失って、ア・バオア・クーに沈む。
ガンダムは片手と顔を失い、シャアへ最後の一撃を放つ。

最終的には地球連邦軍が勝利する。
だが、誰が勝者で誰が敗者だというのは関係がないように思える。
最後にそこにあるのは、死と沈黙でしかない。

四方八方からの攻撃。
生き延びるためにはただ戦うのみだ。

父デギンを殺した息子ギレンを
その妹キシリアが撃つ。

そのキシリアはジオンの創始者ジオン・ズム・ダイクンの息子である
シャア・アズナブルあらためキャスバル・レム・ダイクンに殺されることになる。

哀れなジオンの権力者ザビ家の末路である。

かつて主人公の乗るマシンが
ここまで朽ちていくシーンがあっただろうか。
ガンダムはこのあとシャアのジオングの攻撃で、
右手も右足も失い、崩れ落ちていく。

▼名シーンレビュー<4>「ニュータイプの独善的な世づくりをすることはいけないわ」

シャアとセイラがテキサスコロニーで出会うシーン。
その会話は子どもじゃ、いやいやアホな中高生でも、なかなか理解しずらい内容だ。

「私のたちを育ててくれたジンバ・ラルはデギン・ザビ公王が父を暗殺したと言い続けていた。父の死因となった心臓発作はデギンが仕掛けたのは事実らしい。それを悟られぬためにデギンは公国性を敷いたとき、父の名のジオンを国の名に使ったわけだ。宇宙移民者の独立主権を唱えた父は、宇宙の民をニュータイプのエリートだとしたところにデギンのつけ込むスキがあったのだな。宇宙移民者はエリートであるから地球に従う必要がない、という論法にすり替えられたわけだ」(公国性? 独立主権? 論法のすり替え? いやいや、ホント、子どもの映画ではないですな)
「けど、この戦争で、いえ、この以前から人の革新は始まっていると思えるわ」
「それがわかる人とわからぬ人がいるのだよ。だからオールドタイプはせん滅するのだ」
「でも、オールドタイプがニュータイプを生む土壌になってるのではなくて。古きもののすべてが悪しきものではないでしょう」(土壌ってドジョウ?)
「それはわかっている。しかしな、アルテイシア。体制に取り込まれているニュータイプが私の敵になっているのは面白くない。それは私のザビ家打倒を阻むものとなる」

とまあ、よくできたお話しです。というかよくできたセリフ。
この大きな物語の在り様が多くの世代をガンダムに引き付けた理由でもあるのだろう。

「兄さんは一人で何かをやろうとしているようだけど、ニュータイプひとりの独善的な世づくりをすることはいけないわ」(独善的? 世づくり?)
「私はそんなにうぬぼれていない。ニュータイプがニュータイプとして生まれ出る道を作りたいだけだ」(生まれ出る道?)

まったく・・・子どもの知らない言葉を連呼してますなあ。
子どもの観るものじゃあ、ありません、ホント。

関連する投稿


ガンダムが伝統工芸「卯三郎こけし」に変身!木の温もり溢れる3体が登場。限定セットは台座付き

ガンダムが伝統工芸「卯三郎こけし」に変身!木の温もり溢れる3体が登場。限定セットは台座付き

ガンダムの世界観を表現するアパレルショップ「STRICT-G」より、群馬県の伝統工芸「卯三郎こけし」との初コラボ商品が登場。ガンダム、シャア専用ザク、量産型ザクが、職人の手仕事による温かい木製こけしになりました。2026年1月5日から予約開始。ファン必見の「和」の逸品を詳しくご紹介します。


激動の昭和が蘇る!歴史映像ポータル「フィルムは記録する」に満洲や災害、産業など新規30作品公開

激動の昭和が蘇る!歴史映像ポータル「フィルムは記録する」に満洲や災害、産業など新規30作品公開

国立映画アーカイブは、所蔵する文化・記録映画を配信するWEBサイト「フィルムは記録する」にて、12月26日より新規30作品を公開します。1927~1944年の貴重な映像群には、満洲国皇帝の訪日や枚方陸軍倉庫爆破の記録、戦前の新聞製作、捕鯨、製鉄などの産業風景が含まれ、社会の諸相を全篇視聴可能です。


「新機動戦記ガンダムW」より、30周年を記念したフィギュア『ヒイロ・ユイ&リリーナ・ピースクラフト』がリペイント再販!!

「新機動戦記ガンダムW」より、30周年を記念したフィギュア『ヒイロ・ユイ&リリーナ・ピースクラフト』がリペイント再販!!

ホビー通販大手の「あみあみ」にて、メーカー「メガハウス」が展開する『アルファオメガ 新機動戦記ガンダムW ヒイロ・ユイ&リリーナ・ピースクラフトセット 30th Anniversary リペイント再販』が発売されます。


「機動戦士ガンダム」より『ジオン公国軍 ノーマルスーツ』がジャージになって登場!!

「機動戦士ガンダム」より『ジオン公国軍 ノーマルスーツ』がジャージになって登場!!

公式キャラクターコスチュームやアパレル・グッズの企画、開発、製造を行うコスパより、『機動戦士ガンダム』新作アパレルが発売されます。


「機動戦士ガンダム」より『地球連邦軍』『ジオン公国軍』ノーマルスーツ兵士の可動フィギュアがブリスターパッケージで登場!!

「機動戦士ガンダム」より『地球連邦軍』『ジオン公国軍』ノーマルスーツ兵士の可動フィギュアがブリスターパッケージで登場!!

ホビー通販大手の「あみあみ」にて、メーカー「メガハウス」が展開するフィギュア『G.M.G. COLLECTION 05 機動戦士ガンダム 地球連邦軍ノーマルスーツ兵士 可動フィギュア』『G.M.G. COLLECTION 06 機動戦士ガンダム ジオン公国軍ノーマルスーツ兵士 可動フィギュア』が現在予約受付中となっています。


最新の投稿


『eフィーバーキン肉マン』発売決定!聖地・沼津に実機展示&「なすなかにし」試打動画も公開予定

『eフィーバーキン肉マン』発売決定!聖地・沼津に実機展示&「なすなかにし」試打動画も公開予定

株式会社SANKYOから新機種パチンコ『eフィーバーキン肉マン』が登場。2026年4月の導入に先駆け、静岡県の「キン肉マンミュージアムin沼津」にて先行実機展示がスタートしました。キン肉マン好き芸人「なすなかにし」の試打企画や、QUOカードPayが当たるSNSキャンペーンも実施される注目の新台です。


連載45周年!葛飾区で『キャプテン翼』と11人のエピソード展開催。小野伸二や影山優佳も参加

連載45周年!葛飾区で『キャプテン翼』と11人のエピソード展開催。小野伸二や影山優佳も参加

漫画『キャプテン翼』の連載開始45周年を記念した特別展が、2026年2月6日より葛飾区で開催されます。小野伸二氏や影山優佳さんら「翼ファン」11名が、作品から受けた影響を名シーンと共に紹介。南葛SCの選手との交流やベイブレード大会など、聖地・葛飾ならではの多彩なイベントも同時展開されるファン必見の催しです。


全高65cmの衝撃!アシェットから『週刊 勇者ライディーンをつくる』創刊。光と音のギミックも搭載

全高65cmの衝撃!アシェットから『週刊 勇者ライディーンをつくる』創刊。光と音のギミックも搭載

アニメ放送50周年を記念し、アシェット・コレクションズ・ジャパンから『週刊 勇者ライディーンをつくる』が2026年2月18日に創刊されます。全高65cmのフルメタルボディで、必殺技の再現や「ゴッド・バード」への変形機構を実装。発光・BGM・セリフ再生など、大人の所有欲を満たす豪華ギミック満載のシリーズです。


牧伸二&立川談志の共演作も!CS衛星劇場で「映画秘宝」厳選の松竹秘蔵映画4作品を2・3月特集放送

牧伸二&立川談志の共演作も!CS衛星劇場で「映画秘宝」厳選の松竹秘蔵映画4作品を2・3月特集放送

CS放送「衛星劇場」にて、2026年2月・3月に特集『「映画秘宝」セレクション ~松竹秘蔵作品特集~』の放送が決定。雑誌「映画秘宝」が厳選したものの、諸事情により映画祭から外れた幻の4作品をピックアップ。テレビ初放送となる羽仁進監督の官能作や、牧伸二・立川談志ら豪華キャストが集結したコメディなど必見です。


揚げパン無料!クジラから3Dフードプリンターまで「学校給食タイムトラベル」イベントが東京で開催

揚げパン無料!クジラから3Dフードプリンターまで「学校給食タイムトラベル」イベントが東京で開催

懐かしの「クジラの竜田揚げ」や「揚げパン」、さらに3Dフードプリンター製の最新デザートまで!株式会社中西製作所は、2026年1月27日・28日に学校給食の無料試食イベント「第2回給食タイムトラベラー」を東京で開催します。新旧のメニューを食べ比べながら、給食の歴史と未来を親子で体験できる注目イベントです。