バングルス結成の経緯
バングルス(The Bangles)のルーツを辿れば、そもそも、1981年にまで遡ります。
名門として知られるカリフォルニア大学バークレー校を卒業したばかりだったスザンナ・ホフスが、ヴィッキー&デビーのピーターソン姉妹と出会ったのを機にバンドを組んだのがバングルスの始まりとなります。
当初のバンド名は『スーパーソニック・バングス』。
始めのうちは、ベース担当は、アネット・ズィリンスカスというオリジナルメンバーでしたが、すぐにアネットが脱退してしまい、後任に元ランナウェイズのマイケル・スティールが加入。
バンド名も『The Bangles』と改名し、翌1983年には、CBSレコードと契約します。
翌1984年になると、メジャーデビューアルバムとなる『All Over The Place』をリリース。
メジャーデビューを果たします。

All Over The Place
The Bangles All Over The Place Japanese CD album (CDLP) (470155)
デビューアルバムである『All Over The Place』はヒットと呼べるセールスには至らず、一般的にはデビューを果たしても、バングルスはまだまだ無名の新人バンドでしたが、このデビューアルバムをたまたま聴いたプリンスが、特にヴォーカルのスザンナ・ホフスを大変気に入り、プリンスの方からホフスに連絡を取り付け、「是非とも、君たちの次の作品のうちの1曲を僕に作らせてくれないか!」と持ち掛けるのです。
まさに、ここから彼女たちのシンデレラストーリーが始まることになるのです。

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バングルス、大ブレイク!!
CBSレコードと契約に漕ぎ着け、『All Over The Place』でメジャーデビューを果たしたバングルスでしたが、残念ながらデビューアルバムは売れず話題にもなりませんでした。
しかし、天才プリンスがたまたまこのバングルスのデビューアルバムを聴いて、スザンナ・ホフスを個人的に気に入ってくれたところから、彼女たちの運命は好転し始めます。
自分の方から、バングルスの次作(セカンドアルバム)への楽曲提供を申し出たプリンスは偽名を使って、彼女たちのための曲を書き上げました。
その曲が、彼女たちを一躍大ブレイクに導くことになるセカンドアルバム『Different Light』の先行シングルである『Manic Monday』でした。

Different Light
1986年にリリースされた、セカンドアルバムである『Different Light』は、バングルスにとってまさに、ブレイクスルーポイントとなりました。
このアルバムのリリースに先駆けて先行販売されたプリンス作の『Manic Monday』が、全米シングルチャート2位という大ヒットを飛ばし、一躍バングルスの名前は全米に轟き渡りました。
結局、計5枚ものシングルカット(いずれも大ヒット)を出したこのセカンドアルバムは、全米、全英ともにアルバムチャートで最高位2位を記録、全米だけでも300万枚を超えるビッグセールスを記録する大ヒットアルバムとなりました。
【収録曲】
Manic Monday
In A Different Light
Walking Down Your Street
Walk Like An Egyptian
Standing in the Hallway
Return Post
If She Knew What She Wants
Let It Go
September Gurls
Angels Don't Fall In Love
Following
Not Like You
バングルス絶頂期
こうしてセカンドアルバム『Different Light』の世界的大ヒットによるすっかりスーパーバンドの仲間入りを果たしたバングルスは、この後は、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いを見せます。
『Different Light』リリースの翌年の1987年には、サントラ盤に提供した『A Hazy Shade of Winter』(サイモン&ガーファンクルのカバーバージョン)が、大ヒットします。
更に、翌年の1988年になると、満を持して3rdアルバムとなる『Everything』をリリースします。
前作『Different Light』が世界的にも大ヒットしたこともあって、期待も大きく、本人たちもかなり気負いを持って制作した意欲作でした。
セールスの方は、残念ながら前作には届きませんでしたが、シングルカットした『In Your Room』は全米シングルチャート最高位5位のスマッシュヒット、『Eternal Flame』は全米シングルチャート1位の大ヒットシングルとなり、当代ナンバー1ガールズバンドの面目は保ちました。

Everything
バングルス『Everything』がボーナストラックを追加して再発 - amass
3rdアルバム
『Everything』
【収録曲】
1. IN YOUR ROOM
2. COMPLICATED GIRL
3. BELL JAR
4. SOMETHING TO BELIEVE IN
5. ETERNAL FLAME
6. BE WITH YOU
7. GLITTER YEARS
8. I'LL SET YOU FREE
9. WATCHING THE SKY
10. SOME DREAMS COME TRUE
11. MAKE A PLAY FOR HER NOW
12. WAITING FOR YOU
13. CRASH AND BURN
人気絶頂期での解散(活動休止)~再結成へ
3rdアルバムとなる『Everything』をリリースして、全米はじめ5か国で1位のシングル曲となった『Eternal Flame』などをシングルカットして、脂の乗り切っていた1989年に、バングルスは突然活動休止をします。
事実上のバンド解散であり、人気絶頂に上り詰めた矢先のことでした。
その後、バンドのメンバーはそれぞれソロ活動や個人的な活動にシフトしていきました。
ヴォーカル/ギターのスザンナ・ホフスは、ソロ歌手に転向、1993年には映画監督であるジェイ・ローチと結婚しました。
その夫のジェイ・ローチの代表作である『オースティン・パワーズ』シリーズのサントラ盤をスザンナが担当していて、1999年の『オースティン・パワーズデラックス』のサントラでは、久々にバングルスの4人が集結して、サントラ盤を制作しました。
この出来事をキッカケに、バングルスは再結成を果たしました。
2005年には、残念ながら、ベースのマイケル・スティールは脱退しましたhが、残りのメンバーは今でも精力的に音楽活動、バンド活動を続けています。
1980年代に鮮烈な印象を世界中に与えた伝説的なガールズバンドとして、バングルスは今でも歩みを続けています。