読売・朝日・毎日・産経…各新聞社の懐かしい4コマ漫画。子供の頃はこれとテレビ欄しか読まなかった…。

読売・朝日・毎日・産経…各新聞社の懐かしい4コマ漫画。子供の頃はこれとテレビ欄しか読まなかった…。

子供の頃、「新聞読みなさい」と親に言われても4コマ漫画とテレビ欄しか読まなかった人も多かったはず…。 1980~1990年代の各新聞に連載されていた 『アサッテ君』『フジ三太郎』『コボちゃん』など懐かしの4コマ漫画について振り返る。


新聞で唯一の楽しみだった4コマ漫画

『コボちゃん(読売)』 『アサッテ君(毎日)』『フジ三太郎(朝日)』など新聞に連載されていた懐かしの4コマ漫画。
子供の頃、「新聞読みなさい」と親に言われてもこの4コマ漫画とテレビ欄しか読まなかった人も多かったはず…。

あなたはどの4コマ漫画を読んでいましたか?

読売新聞の4コマ漫画

読売新聞の4コマ漫画の歴史は、1949年11月27日から『夕刊読売』(読売新聞社)に四コマ漫画の形式で連載を開始された秋好馨の『轟先生』から始まった。

『サンワリ君』作者:鈴木義司(1966~2004年)

1966年6月22日より読売新聞夕刊に連載を開始し、2004年7月2日を最後に休載。
同年7月17日、作者死去により連載も終了(事実上の最終回は7月2日)となった。
このサンワリ君の連載終了以後、2012年9月30日まで読売夕刊には4コマ漫画の掲載が途絶えていた。

タイトル『サンワリ君』の由来は、主人公の話は“3割だけ信用できる”と評され「サンワリ君」と渾名されていることにちなむ。また、「人生の3割バッター、見た目は3割引」によるとも言われる。

稀に変則で3・4コマ目がぶち抜きの特大コマや、細かく分割された5コマの回もあった。

『サンワリ君』作者:鈴木義司

『コボちゃん』作者:植田まさし(1982年~)

『フリテンくん』や『かりあげクン』で4コマブームの火付け役となった植田まさしの初の新聞掲載漫画作品として、1982年4月1日から連載が開始された。
2004年12月1日から、日本の全国紙の4コマ漫画としては初めてカラー化。
連載1万回に達した2010年6月14日には、主人公・コボちゃんの妹・ミホちゃんが誕生し、一層にぎやかになった。

読売新聞での4コマ漫画の長期連載は鈴木義司の『サンワリ君』(夕刊連載)の全1万1240回を抜き、2014年現在では最長記録となっており、全国紙の現役漫画の中で最多の連載回数を記録している。
本編以外では新聞休刊日や選挙での配達遅延などを告知する折り込み広告に、お辞儀しているコボちゃんが掲載されたことがある。

『コボちゃん』作者:植田まさし

読売新聞の日曜版では、『とべ!アンパンマン』(1990~1994年)、『あたしンち』(1994~2012年)な4コマではない漫画作品も連載されたいた。

朝日新聞の4コマ漫画

1951年から長谷川町子 『サザエさん』が休載を挟みながらも1974年まで連載されていた。
初期から中期にかけてはサザエとその家族および彼らの周辺の人物たちの日常生活が主な題材であったが、後期には主に社会風刺をネタにした作風が目立つようになっていた。
1974年2月21日に再度3年間の休載に入ったが、その後は連載が再開されることはなくそのまま打ち切りとされた。
連載回数は6477話に及んだ。

『フジ三太郎』作者:サトウサンペイ(1979~1991年)

1965年4月1日の連載開始から1978年12月28日までは夕刊、1979年1月1日から連載終了の1991年9月30日までは『サザエさん』(長谷川町子)が終了して以来4コマ漫画が空席だった朝刊に、それぞれ連載されている。

平社員のサラリーマン・フジ三太郎を中心に、三太郎の周囲の職場や家族で起きるできごとを主な題材としている。

サラリーマン社会の悲喜こもごもに加えて時事ネタも多く、事件や不祥事を風刺したり、流行に登場人物が右往左往する様子も描かれ、人気を博した。
1968年と1982年にはテレビドラマ化もされている。一般紙としては異例な程の下ネタや、死刑廃止論や労働争議、ジェンダーフリーを揶揄する描写が描かれるなど、朝日新聞の左派的な論調と齟齬する作風も話題を呼んだ。

『フジ三太郎』作者:サトウサンペイ

『ペエスケ』作者:園山俊二(1979~1992年)

ギャートルズシリーズの原作者・園山俊二によって、1979年1月4日から1992年6月27日まで朝日新聞の夕刊で連載されていた。
新聞漫画には珍しいストーリー4コマで、連載が進むにつれ登場人物が年をとるのが特徴。
主人公・ペエスケこと平野平助は、1979年1月の登場時は卒業間近の大学生で、最初の3ヶ月はキャンパスライフやバイトに精を出す貧乏学生としての姿も若干は描かれていた。
その後同年4月に新入社員となったのを機に本格的サラリーマン漫画へ移行、やがて将来の妻・ヒロコや愛犬ガタピシ等の出会いにより徐々にファミリー漫画の形相へ、と時間を追うごとにスタイルも少しずつ変化していった。

作者・園山の病状悪化に伴い、1992年6月27日、3,764回目の掲載を最後に休載、未完のまま半年後の園山の死により絶筆となった。

『ペエスケ』作者:園山俊二

『サミット学園』作者:山井教雄(1993~1996年)

1993年6月1日から1996年3月30日まで朝日新聞の夕刊で連載されていた。
それまで連載されていた園山俊二の「ペエスケ」が作者の病気休載後、再開されず作者が逝去したためにそのまま打ち切られていたため、四コマ漫画不在となっていた夕刊に新たに連載の四コマ漫画としてスタートした。

パリのインターナショナルスクールが舞台となり、日本人の小学三年生であるジロー君が転校してくる設定でスタート。
ジロー君の日常と、クラスメイトである時の要人を茶化した風刺の両面を描いた作品であった。
最終回はジロー君が日本に帰るというエピソードが描かれた。

『サミット学園』作者:山井教雄

『Mr.ボォ』作者:砂川しげひさ(1996~2002年)

1996年から2003年まで朝日新聞夕刊に連載。
タイトルである『Mr.ボォ』と同名のMr.ボォが主人公であったが、やがて銀田一氏に主役が移り、更に飼い猫であるワガハイに主役が移って、2000年4月3日より「ワガハイ」に改題、猫とその飼い主一家のお話に路線修正した。
作家である銀田一氏の日常や、ワガハイの日常を描いた、シュールな作品である。

朝日新聞での連載が終了した後は、砂川しげひさのサイトにて連載が続き、主人公はチビ丸に移り、タイトルも『チビ丸』に改題した。現在はWeb連載も完結し、過去の作品を再掲載する形でWeb連載を続けていたが、2016年現在は更新が止まっている。

『Mr.ボォ』作者:砂川しげひさ

『となりのやまだ君』作者:いしいひさいち(1991~1997年)

『フジ三太郎』に代わる『朝日新聞』朝刊の4コマ漫画作品として、1991年10月10日から『となりのやまだ君』の題で連載が開始された。

全国紙の新聞連載4コママンガとしては珍しい特徴が見られる(特に『となりの山田くん』初期)。
その一つとして、主要キャラクターに関西弁を話す人物を複数設定したことが挙げられる。
新聞連載4コママンガとしては、オチが難解なエピソードも散見されるが、それが独特の味を生んでいる。
また、有名人に対するあからさまな揶揄や、隠語に近い言葉を登場人物に喋らせるといった点もある。
日常漫画でありながら、SFやファンタジー的な要素も折り込まれている。

同作者の『おじゃまんが山田くん』を意識して付けた名前だったが、主人公であるのぼるくんよりも妹のののちゃんの人気が高かったため、1997年に題と主人公が変更された。

『となりのやまだ君』作者:いしいひさいち

『ののちゃん』作者:いしいひさいち(1997年~)

『となりのやまだ君』とは設定と登場人物の大部分、世界観は同じであるが、配役が一部変更された。
『サザエさん』などの作品の同様に、登場人物は年を取らない形式となっている。

『ののちゃん』作者:いしいひさいち

毎日新聞の4コマ漫画

横山隆一により『デンスケ』(1949~1955年)、『フクちゃん』(1956~1971年)が連載され、その後1974年から東海林さだお『アサッテ君』が新たに連載された。

『まっぴら君』作者:加藤芳郎(1954~2002年)

1954年1月5日から連載を開始。
最初はタイトルの通り「まっぴら君」を主人公に最近の世相や社会を真っ向から斬っていたが、連載開始から1年ほどで特定の登場人物を定めずに、それを毎日日替わりでシチュエーションや登場者を変えて掲載した。
体調不良で休止する2001年までの47年間、計1万3615回の連載を重ね、ユーモラスな戦後史の一面を綴った。

『まっぴら君』作者:加藤芳郎

『アサッテ君』作者:東海林さだお(1974~2014年)

『毎日新聞』朝刊に連載。
アサッテ君ことヒラ社員の朝手春男(あさって はるお)を中心とした東海林が得意とするサラリーマン物の作品であり、またアサッテ家を中心としたホームドラマとしても描かれている。
基本的には4コマ漫画だが、1977年7月24日から1985年8月31日までの間は、8コマないし7コマ漫画で掲載されていた。

「今日よりも明日、明日よりはアサッテの方がいいだろう」という東海林の願望により、東海林自らのアイデアでタイトルを『アサッテ君』とした。
一般全国紙4紙に連載された連載漫画では過去最長となる13,749話を記録した。

『アサッテ君』作者:東海林さだお

産経新聞の4コマ漫画

『サラリ君』作者:西村宗(1980~2010年)

産経新聞朝刊に1980年3月24日付から2010年3月31日付きまでの約30年間連載されていた。
新聞4コマ漫画としては他紙のそれと比べて、短気で喧嘩っ早い性格のキャラクターが多い。
掲載紙の性格上、保守的な内容が多かったと言われている。

当初は地方面に掲載されていたが、その後社会面に移動。
2008年1月10日付から産経新聞東京本社版管内の一部でカラー化された。
また、2008年3月20日付からは記事中の文字の拡大化に伴い、縦4段・横1列から縦2段・横2列の配列に変更された(最長8コマまでになることもあった)。
2009年6月9日付で連載10000回を突破した。

『サラリ君』作者:西村宗

『ルートさん』作者:はらたいら(1980年)

『カボスさん』作者:堀田かつひこ(1990~1993)

産経新聞では4コマ漫画以外に、藤子不二雄A『夢トンネル』、松本零士『新竹取物語 1000年女王』、永野のりこ『ちいさなのんちゃん』なども連載していた。

地方紙の4コマ漫画

『ほのぼの君』作者:佃公彦(1956~2007年)

1956年3月23日、東京新聞朝刊発行開始と同時に『ほのぼの君』の連載を開始。
スタート当初は、セリフ無しの「サイレント漫画」形式だったが、表現に行き詰ることとなり、1962年12月31日をもって連載はいったん終了し、充電期間を経て7年後の1970年1月1日から『ちびっこ紳士』のタイトルで、セリフつきの漫画として連載を再開した。

このときから東京新聞の総本家である中日新聞、中日新聞とともにブロック紙3社連合を形成していた北海道新聞、西日本新聞でも連載されるようになった。
1984年2月6日、連載5000回突破を機に『ほのぼの君』にタイトルを変更。
2001年には(旧『ほのぼの君』を含めた参考記録ではあるが)加藤芳郎の『まっぴら君』(毎日新聞夕刊連載)の持っていた連載回数を超えた。

『ほのぼの君』作者:佃公彦

意味不明だった漫画も今なら…

とっつきやすい為、4コマ漫画は必ず毎日読んでいたが社会を風刺した内容などは全く理解できず「この漫画、面白くない!」なんて思っていた子供時代。

大人になった今、読み返して見たら「ああ!そういうことか!」と頷くことができそう。
たぶん…

書籍化されている4コマ漫画も多いので懐かしい感覚に浸りながら試してみます。

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