高倉健と松田優作の最初で最後の共演作『ブラックレイン』。もう2度と実現しない衝撃の共演シーンは必見!

高倉健と松田優作の最初で最後の共演作『ブラックレイン』。もう2度と実現しない衝撃の共演シーンは必見!

死してなお燦然(さんぜん)と輝く名優、高倉健と松田優作。数々の伝説を残した2人の最初で最後の共演作が1989年公開の『ブラックレイン』だ。ヒットメーカー、リドリー・スコット監督によるハリウッド映画で、2人はいったいどんな共演を果たしたのか!?


まずは・・・『ブラックレイン』とは?

『ブラックレイン』は、1989年に製作された、ヒットメーカー、リドリー・スコット監督による日本を舞台にしたハリウッド映画だ。当時、アメリカで大人気だったマイケル・ダグラス主演で、高倉健、松田優作、アンディ・ガルシアの4人を中心に物語は展開していく。若山富三郎、神山繁、ガッツ石松、内田裕也、安岡力也など日本の俳優も数多く出演した(内田裕也の現在との違いはなかなか笑える)。

ハリウッド映画にありがちなステレオタイプの妙な日本人像、日本のイメージはほとんど見られなかった。撮影場所は関西方面が中心だったが、警察や各所で日本側の協力を得られなかったため、日本国内の設定ながらアメリカや香港で撮影されたシーンも数多くあったようだ。

映画の評価はそれほどでもなかったわりに、興行収入はしっかりと一億ドルを超えてみせるところは、さすがヒットメーカー、リドリー・スコットといえる。日本では、高倉健、松田優作をはじめとする豪華な日本人キャスト出演で記憶している人が多いのではないだろうか。個人的には、中心となる俳優4人が大好きなので、映画全体の出来はともかく、ひとまず好きな映画ではある。

まあ、この4人が出演しているだけで観る価値のある映画だと思う、個人的には。

<ストーリー>

ニューヨーク市警殺人課の刑事ニック・コンクリン(マイケル・ダグラス)とチャーリー・ビンセント(アンディ・ガルシア)は、レストランで日本のヤクザの刺殺事件に遭遇。刺殺した犯人佐藤(松田優作)を逮捕するが、日本国内で指名手配されていたために日本本国に護送することになる。

しかし、到着した日本の空港で警察官を装った佐藤の子分に佐藤を引き渡すという失態を演じてしまう。大阪府警で佐藤の追跡捜査に加わろうとするが拒否され、権限のない二人は銃を取り上げられ、監視役までつけられてしまう。

監視役の松本警部補(高倉健)と行動を共にする二人は、日本の慣習や捜査方法の違いなどに戸惑いをみせる。そんななか、ニックと松本の関係がギクシャクするが、チャーリーが二人の関係修復に努めようとクラブに誘う。その帰り道、チャーリーはニックとはぐれてしまい、自ら復讐しようと狙っていた佐藤の罠にハマってしまうのだった・・・。

このスリーショットもなかなかいい。

高倉健について語るときに僕の語ること

共演シーンについて語る前にまずは、二人のことを。
ただ、いまさら健さんについて何を語ろうというのかと自問自答したが、ひとまず、まとめてみようと思う。

高倉健について語るときに僕の語ることは、昭和、平成を駆け抜けた不世出の大俳優だということ以上に、もれ聞こえてくる“人間”高倉健の魅力について、ということになる。あれだけの俳優だから、もちろん逸話や美談は多い。それについては、いくら語っても語りきれないだろう(ウィキペディアにゴマンと書いてあるから、そちらを参照あれ)。

ただ、そんな逸話や美談を知らなくても、インタビューや番組出演での映像を見れば、“人間”高倉健のなんたるかは実感できると思う。でもって、印象的なのが1997年のスマスマ。まだ20代のスマップ相手に敬語で話す大スター高倉健。なんというか、佇まいが、とにかくカッコいいのだ。ぜひ、実感してほしい。その映像はこの「高倉健」コーナーの最後に!

さすが、目力、すごいっす。

口をグッと結んだ感じ、渋いっす。

街の雑踏の中の健さん、似合うっす。

カンタンに、健さんの好きな映画だけ並べたっす。なんだかすごいっす。

東映以外のもので固めさせてもらいました・・・。

●八甲田山 (1977年) 日本アカデミー賞 最優秀主演男優賞
●幸福の黄色いハンカチ (1977年) 日本アカデミー賞 最優秀主演男優賞
●野性の証明 (1978年) 
●動乱 (1980年)  日本アカデミー賞 最優秀主演男優賞
●遙かなる山の呼び声 (1980年) 日本アカデミー賞 最優秀主演男優賞
●駅 STATION (1981年) 日本アカデミー賞 最優秀主演男優賞
●海峡 (1982年)
●居酒屋兆治 (1983年)
●夜叉 (1985年)
●鉄道員(ぽっぽや) (1999年) 日本アカデミー賞 最優秀主演男優賞
●あなたへ (2012年、東宝)

『夜叉』での健さん。ヤマハの帽子をかぶっててもカッコ良いっす。

健さん出演の1997年のスマスマはこちら!

高倉健 - Wikipedia

次ページは「松田優作」コーナーから!

『ブラックレイン』は松田優作の“ 最も危険な遊戯 ”だった!?

怪優と言って、まず間違いない。そして今もなお、その “特別な存在感” に魅了される人は多いだろう。カリスマ、松田優作の遺作である。その身はすでにガンにおかされながら、延命治療をせずに撮影のぞんだ。『ブラックレイン』の日本公開は1989年10月7日。松田優作の死はそれから約1か月後の11月6日だった。まさに、この作品こそ、松田優作の “最も危険な遊戯” だったといえるのではないだろうか。高倉健同様、日本映画史に永遠に語り継がれる俳優の一人だ。

ほんとに危ない感じ。

切れっきれの危なさ。

大御所、若山富三郎もこの始末・・・。

こちらも好きな映画、並べます。

●人間の証明(1977年)
●最も危険な遊戯(1978年)
●殺人遊戯(1978年)
●蘇る金狼(1979年)
●野獣死すべし(1980年)
●家族ゲーム(1983年)
●探偵物語(1983年)

『蘇える金狼』の松田優作はとにかく最高だった。

ということで、お待ちかね、高倉健&松田優作の共演シーンは3ページ目で!その前にもう少し『ブラックレイン』情報を!

と言っても、マイケル・ダグラスが主演なんですが・・・。

やれ、高倉健だ!松田優作だ!と言ってるけど、主演は当時アメリカで大人気だったマイケル・ダグラス。たしかに渋くてカッコいいっす。1987年、オリバー・ストーン監督製作の『ウォール街』でアカデミー主演男優賞をとったばかりだったから、まあ人気も実力も頂点のころの主演ってことですな。ほかに、『危険な情事』『氷の微笑』『ディスクロージャー』『トラフィック』などに出演。

大阪での二人。イケメンはどこにいてもイケメン、当たり前だけど(当時はイケメンなんて言葉なかったような・・・)。

アンディ・ガルシアが若くて爽やかなのだが・・・

アンディ・ガルシアが若くて爽やかなのだが、松田優作に “●●●” されるシーンは当時若かった自分にはちょっと衝撃的だった。ちなみに、アンディはなんといっても、『ゴッド・ファーザー PART III』があまりにも素敵だった。

若く無邪気そうなアンディ・ガルシアだが・・・。

はじめて観たときは、衝撃的で嫌な気持ちになった問題のアンディ・ガルシア “●●●” シーン。若かったんだと思う、自分・・・。

翌年の1990年の『ゴッドファーザー PART III』では、こんなに凛々しい姿で、アカデミー助演男優賞にもノミネートされた。

監督は『グラディエーター』のリドリー・スコット

監督はリドリー・スコットである。巨匠である。彼の監督作品は、まあ、人が入る。何度も言う。巨匠である。1979年に『エイリアン』を大ヒットさせ、1982年にはカルト的な人気を誇る『ブレードランナー』を世に送り、2000年、『グラディエーター』でアカデミー作品賞を獲得した。そのほかに、『アメリカン・ギャングスター』『ロビン・フッド』『プロメテウス』『悪の法則』『オデッセイ』などをヒットさせている。

なんだか、カッコいい。今年、79歳になるらしいが・・・。ちなみに、イギリス人である。

『グラディエーター』主演のラッセル・クロウは、アカデミー賞主演男優賞を獲得。5作のリドリー・スコット監督作品に出演している。こちらはニュージーランド出身である。

とにかく人を呼べる映画を作っている!興行収入1億ドル超の作品一覧。

『エイリアン』1979年 1億400万ドル
『ブラックレイン』1989年 1億3400万ドル
『グラディエーター』2000年 4億5700万ドル
『ハンニバル』2001年 1億6500万ドル
『ブラックホークダウン』2001年 1億800万ドル
『アメリカン・ギャングスター』2007年 2億6600万ドル
『ワールド・オブ・ライズ』2008年 1億1500万ドル
『ロビン・フッド』2010年 3億2100万ドル
『プロメテウス』2012年 4億300万ドル
『エクソダス:神と王』2014年 2億6400万ドル
『オデッセイ』2015年 5億9700万ドル

すっごいっすねえ。ちなみに1億ドル=現在約100億円。
ただ、製作費もすんごいんすけどね。

『オデッセイ』は興行収入6億ドルに迫る大ヒット作。製作費1億ドルってことなんで、大成功ですかね。主演はマッド・ディモン。マッド・ディモンは、ハンクス、クルーズの二人のトムの2倍以上を稼いだとして、『フォーブス』誌の2007年高収益俳優のナンバーワンに輝いている。なんだか納得。

というわけで、高倉健と松田優作、2人のお待ちかね共演シーン!! リドリー、やってくれたよねえ・・・。

高倉健と松田優作2人が
一緒に映っている・・・。
いい眺めだなあ・・・。

えっと、確認できた共演シーンは約1分15秒・・・。
交わしたセリフなし・・・。
最初で最後なのに・・・。
リドリーよぉ!!

まあ、リドリーにとっては2人とも
日本の俳優ってだけなんで
仕方ないかなあ・・・。でもなあ。

最後に予告編をどうぞ!

そんでもって、さあご覧ください!

『ブラック・レイン』 デジタル・リマスター版 スペシャル・コレクターズ・エディション DVD・ブルーレイ

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