【レーザーディスク】VHSとDVDの狭間で一瞬だけ輝いたといってもよいLD、その歴史をご紹介。

【レーザーディスク】VHSとDVDの狭間で一瞬だけ輝いたといってもよいLD、その歴史をご紹介。

レーザーディスク、ご存知ですか。「大きなCD」にも見えるこのLDもまた、時代の1ページとして埋もれてしまったのです。今となってはVHSとDVDの狭間で少しだけ輝いた程度の認識ですが、当時羨望の機器だったことは間違いありません。そんなLDについて書き記します。


短命に終わった、でもいまだに大きなインパクトが残るLD(レーザーディスク)。持っていた人は少なかったと思いますが憧れた方は多かったでしょう。ゆえにDVDが登場した時には「買う!」と強い気持ちを抱いたのではないでしょうか。

まずは懐かしのレーザーディスクCMからどうぞ

レーザーディスク

LD、直径が30cmもありましたね

レーザーディスクは直径30cmのディスクに両面で最大2時間の映像を記録できる光ディスク規格。いまとなっては「こんなに大きいのに2時間?」ですが、もちろん当時は画期的でした。本来、レーザーディスクという名称は日本国内ではパイオニアの登録商標でしたが、1989年に商標を無償開放して一般名詞化していたレーザーディスクという名称を他メーカーも使用できるようになりました。発売当時は「絵の出るレコード」というキャッチコピーが使われていましたね。

カラオケ喫茶とか、初期のカラオケでよくみた「レーザーカラオケ」。

「レーザーカラオケ」が主流だった時代ありましたね

レーザーディスクの誕生

1972年に登場したレーザーディスク

世界でみるとまず1978年にアメリカで製品化され、フィリップスの子会社マグナボックスから発売。パイオニアとMCAの合弁会社ユニバーサルパイオニア(UPC)がアメリカ市場で1979年2月に業務用LDプレーヤーPR-7820、1980年6月に家庭用LDプレーヤーVP-1000を発売しました。

1981年、日本ではパイオニアが製品化

日本では1981年10月、パイオニアが製品化して第1号機LD-1000を発売。当初はパイオニアのみが製品を販売し、日本ビクター(現・JVCケンウッド)の開発したVHD陣営と販売競争を繰り広げました。



ビクターはビデオデッキ市場でVHS方式を広めた実績があり、採用メーカー数では13対1と圧倒的に不利でした。

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VHDとレーザーディスクでは、水平解像度が240本程度だったVHDに対してレーザーディスクは400本以上と画質面のアドバンテージがあり、またレーザーによる非接触式のためディスク劣化が無いことからレーザーディスクの方が圧倒的に優勢でした。



さらにCDとのコンパチブル再生機の発売、レーザーカラオケのヒットによって一般層にも普及した事から、結果的に規格争いに勝利。VHD陣営のメーカーも参加して開発した音楽CDの量産技術が、同じ光ディスク方式であるLDの技術とコストの問題を解決させ、LDを勝利に導いたと言われています。

レーザーディスクの普及

当初は7,000~10,000円と高額だった映像ソフト

他社もこれに追随する価格帯のソフトを増やす一方、パイオニアの他、ソニー、松下電器産業、ケンウッドといった各社から「ロッキュッパモデル」と言われた69,000円台の安価なプレーヤーも次々と登場することに。

LDは1990年代前半を最盛期としてユーザーを拡大、多くの映画、音楽、ドキュメンタリー、アニメ、その他各種のコンテンツがLDで発売され、パイオニアからはCD/LDコンパチプルプレーヤーを搭載したミニコンポ「プライベート」も登場しました。

パイオニアの「プライベート」

テレビドラマやアニメーションなどのシリーズ作品を複数枚のLDに全話収録して一括販売する「LD-BOX」というボックス・セット形態の商品が数多く発売され、コアなファンやマニアを取り込んでユーザー層を拡大させていきました。

「LD-BOX」発売

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