ニュータイプロックバンド『YBO²』。正式呼称は「イボイボ?」
1986年、ナゴムレコードやキャプテンレコードと共にサブカルチャーの一端を担ったインディーズロックレーベル「トランスレコード」の代表である北村昌士が結成したバンドがこの「YBO²」です。
パンク、メタル、ノイズ、エスニック・・・どのジャンルに属することもなく新しいロックを追求したスタイルは熱狂的なインディーズロックファンを虜にしました。
もともとはイボイボであり、そもそもマンガのいぼぐりくんから拝借して名付けたともいわれる。 のちにバンドをひきいる北村昌士はYBO2を「ワイビーオーツー」と呼ぶようにと言ったそうだが。
http://www.dnovels.net/bodies/detail/42540六十九回目『イボイボ』 | ネット小説SNS - dNoVeLs
奇書「ドグラマグラ」の世界観を聴覚に訴える
YBO²は結成と同年の1986年、北村が主催するトランスレコードから1st.シングル『Doglamagla』をリリース。
幻想小説家 夢野久作の大作、日本三大奇書として数えられる「ドグラ・マグラ」の一文を抜粋し歌詞に起用したこの作品はリスナーに衝撃を与えました。
轟音の演奏の中からきこえるハウリング・ノイズ。呪詛のようなボーカルは中毒性さえ感じさせます。
YBO²のメンバー
YBO2 - Wikipedia
幻のインディーズレーベル「トランスレコード」
かつて存在した幻のインディーズレーベル「トランスレコード」の代表がボーカルの北村でした。
ポジティブパンク(現在でいうゴシック・パンク)やノイズ、ハードコアに至るまで、ポップで明るいパンク、ハードコアから溢れたダークな音楽をメインに多くの名盤をリリースしました。
自身のバンドYBO²はもちろん、Z.O.A、ASYLUM、SODOM等のサブカルチャー界で有名なバンドが所属していました。
北村昌士とFOOL'S MATE
北村は1977年創刊のロック雑誌、「FOOL'sMATE」の初代編集長でもありました。
現在はビジュアル系ロックに焦点を当てた雑誌となっていますが、当時はインディーズシーンで活躍する多種多様なロックをとりいれた雑誌で、「西のロックマガジン」に対し、「東のFOOL'sMATE」と呼ばれていました。
誌上で難解なエッセイを書いたりしていた北村昌士は当然YBO²の情報も掲載。YBO²が広く知られるきっかけになりました。
その後、YBO²は1990年に活動停止。2000年に復活を果たしますが北村が2006年6月17日に49歳の若さで急逝しました。
アバンギャルドな活動でインディーズロックシーンを牽引した北村の伝説は今でも多くの人々に語り継がれています。