1988年に登場した大塚製薬のドリンク『ファイブミニ』
食物繊維(しょくもつせんい)は、栄養学的には長い間無用なものとされてきたが、1971年にイギリスのバーキット博士が 『食物繊維の摂取量が少ないと大腸ガン発生のリスクが高くなる』という仮説を発表。
以後、急速に食物繊維への関心が高まり、食物繊維は体に不可欠な『第6番目の栄養素』と位置づけられた。
(五大栄養素は炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル)
食物繊維は炭水化物(糖質)の消化・吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を防ぐ効果、コレステロールなどの余分な脂質を吸着し排出するなど、体への吸収を抑制する作用がある。
また、腸の粘膜を守る効果、善玉菌を増やす効果もあるため、整腸作用がある。
日本全体で食生活の欧米化が進んできており、食物繊維の摂取量が年々低下しつつある時代背景を受けて大塚製薬は食物繊維を摂れる商品の開発をスタート。
そして、1988年レタス約1個分の食物繊維を摂れるドリンク『ファイブミニ』を発表した。
(現在は食物繊維を増量し、1.8個分)

大塚製薬【ファイブミニ】
食物繊維の18歳以上の目標量は1日あたり、男性19g以上、女性17g以上。
(日本人の食事摂取基準2010年版により)
ファイブミニに含まれている食物繊維は6g。
つまり、ファイブミニ1本で一日に必要な食物繊維の3分の1を摂取できる。
さらにレモン15個分のビタミンCも含まれている。

ファイブミニプラス
含まれている食物繊維は5g。
1本で1日のベータカロチンの不足分を補うことができる。
オレンジの透き通った液色、微炭酸の爽やかな味わい、飲みきりサイズのかわいいボトル等々、女性をターゲットとした画期的な飲料『ファイブミニ』は発売からすぐに火が付き、CM効果もあって大塚製薬の中心商品の一つとなった。
ファイブミニは女性の手によって開発された。
女性にこそ食物センイを摂って欲しい。
そんな思いからファイブミニは当時としては珍しい女性研究者3名のプロジェクトによって開発が進めらた。
商品設計からはじめ、味・量・デザインなどの全ての面で、試行錯誤を経て、女性をターゲットとした画期的な飲料は、瞬く間に女性の支持を集め、「食物センイ飲料」というカテゴリーを確立した。
懐かしい『ファイブミニ』『ファイブミニプラス』のテレビCM
発売当初は山田邦子をイメージキャラクターに起用。
山田邦子は1988年から1995年まで、NHK「好きなタレント調査」において8年連続で第1位を独占。
好感度タレントの代名詞ともなっていた。
1991年以降は野々村真や萩原聖人、森脇健児など男性タレントも起用し、ターゲットを男性にも広げていった。
インパクトがあったレタス1個分という表現。(現在は1.8個分)
あの大きいレタスと同じ量の食物繊維が入ってるから相当だなとか思っていたが、実際は100gあたりで計算するとレタスの食物繊維は野菜の中でそんなに多く方ではない。
(食物繊維が多く含まれている野菜はゴボウやオクラ)
だが、世間では食物繊維という言葉は浸透していなかったので、何か視覚的にインパクトの有るものに置き換えて訴求したいと思ったのだろう。
レタスの食物繊維が野菜の中で多い方ではないとはいえ、一日に必要な食物繊維の3分の1を摂取できるので、ファイブミニ自体に含まれている食物繊維が少ないわけではない。
1996年に食物繊維を6g(レタス1.8個分)に増量するとともに実験データを揃え、いち早く特定保健用食品の許可を取得している。

「特定保健用食品(トクホ)」マーク取得
現在も『ファイブミニ』、『ファイブミニプラス』は販売中
昔のようにテレビCMを見かけることが無くなったため、もう販売されていないと思っている人も多いが実はまだまだ好評販売中。
コンビニ、スーパーほかネットでも購入できる。
野菜をあまり食べないから食物繊維が足りないだろうなぁと思っているアナタ。
懐かしいCMを思い出しながら、たまには飲んでみてはいかがでしょう。
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