『攻殻機動隊』(原作漫画・1991年)の映像化作品『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995年)などのおさらい

『攻殻機動隊』(原作漫画・1991年)の映像化作品『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995年)などのおさらい

攻殻機動隊は、主人公の「草薙素子」(義体化した人間・サイボーグ)のように、人間の記憶や人格(人間が本来的に持つ自我や意識=この作品では「ゴースト」と定義される)が肉体を離れて外部記憶媒体へ移動した場合、人間は人間であり得るのかという点を問いかけています。 劇場版アニメ『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995年)を中心におさらいをしてみましょう。その他の攻殻機動隊の映像作品も軽くおさらいします。


『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995年11月18日公開・松竹の劇場用アニメ映画)

『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(ゴースト イン ザ シェル / こうかくきどうたい)は、1995年11月18日に公開された日本の劇場用アニメ映画。また、CG映像を中心にリニューアルされた『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0』が、2008年7月12日より全国5都市で公開された。Production I.G 制作。原作は士郎正宗の漫画『攻殻機動隊』。監督は押井守。

漫画の1巻を原作とする。SF小説的な内容で、アメリカではビルボード誌のビデオ週間売上げ1位となる(1996年8月24日付)。全世界でのビデオ・DVDの売上は130万本(日本経済新聞 2002年7月21日付 朝刊)。続編は2004年公開の『イノセンス』である。

2008年に、押井の新作映画『スカイ・クロラ』上映記念として、本作のリニューアル版『攻殻機動隊2.0』を上映した。『2.0』では新作カットが使用され一部が3DCGとなり、さらに全体的な色調がブルー/グリーン系から、イノセンスと同様のアンバー(オレンジ)系となった。また、音響がサラウンド(5.1ch/6.1ch)化され、キャストの一部・台詞・音楽・SEが、アメリカのスカイウォーカー・サウンドの協力のもと、リニューアルされている。

出典 GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 - Wikipedia

『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995年11月18日公開・松竹の劇場用アニメ映画)

士郎正宗の原作の漫画「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」(1991年10月発売)

人形使いに関する一連の事件の顛末が描かれる。

攻殻機動隊の原点となるおよそ25年前の作品ですが、攻殻機動隊のファンなら是非読んでいただきたいです。現在でも入手は可能です。

原作の漫画「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」(1991年10月発売)

原作の漫画「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」(1991年10月発売)

草薙素子の宿命の敵とも言えるテロリスト相馬(草薙素子は部下を殺され、相馬は息子を殺されている)との激しい戦いの末、部下の援護もあって九死に一生を得た草薙素子が相馬に銃を突きつけて言い放つ一言。

原作の漫画「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」(1991年10月発売)

最後に、自我を持った人工知能(AI)である「人形使い」と草薙素子は融合します。

映画版も「人形使い」と草薙素子は融合しますが、融合の仕方が違います。

ハッカー(通称:人形使い)「AIではない・・・私は情報の海で発生した生命体だ」

草薙素子(義体化した人間・サイボーグ)

「公安9課」俗称は「攻殻機動隊」の実働部隊隊長。
世界屈指の義体使いにして特A級のハッカー 。
通称は「少佐」

草薙素子(義体化した人間・サイボーグ)

「ゴースト」
あらゆる生命・物理・複雑系現象に内在する霊的な属性、現象、構造の総称であり、包括的な概念である。作中においては主に人間が本来的に持つ自我や意識、霊性を指して用いている。

要約すると人間の肉体から生体組織を限りなく取り除く、あるいは機械で代行していった際に、自分が自分自身であるために最低限必要な物、又はその境界に存在する物こそゴーストであり、生命体の根源的な魂とも表現できる。しかし厳密な意味ではゴーストは構造や複雑さ、効果において同一ではない包括的な概念であり、その構造や機能で人間のゴーストと区別しなければ森羅万象にゴーストはあるとされている。

ゴーストは上下方向に無限の階層構造を持っており、その中に意識・無意識・自我などのレベルが存在するが、上部に完全支配されている訳ではなく、相互に連結しながら上部構造が緩やかに下部構造を総体としてまとめている。脳科学の見地からは、大脳と視床下部の活動に大きく影響しているとされている。

作中では、ミクロな意味合いでの遺伝子やマクロな意味合いでのガイア理論を持ち出すことで、個人・集団とは異なる第三の主体としてこのゴーストという概念を上げている。人間という現象をゴーストを通じた複雑系が織り成す現象へと還元することで、スタンド・アローン・コンプレックスをも定義している。
なお作中においては脳科学や電脳化、霊能者の研究が進み、一般的に認識されるようになっている。

出典 攻殻機動隊 - Wikipedia

草薙素子の「ゴースト」が義体に組み込まれたサイボーグ。外見は年齢に応じて移し変えている。

テクノロジーが高度に進んだ近未来では、人体の各部分はすでに人工物に置き換えられてしまっている。主人公の草薙素子は全身すべてがサイボーグ化している。

ここまで行くと、一体何が「人間」の基準となるのだろうか?

その判断は非常に難しい。

本作品における人間としての「自我・人格・精神」ともいうべき記憶・感情の塊=「ゴースト」があれば、人間としての肉体がなくても、人間といえる証となるのであろうか?

生来の人間としての部分はゴーストだけという存在である草薙素子は、はたして人間といえる存在だろうか?そういう疑問を投げかけている作品です。

草薙素子は、はたして人間といえるのだろうか?

「公安9課」俗称は「攻殻機動隊」

公安9課
主人公草薙素子らが所属する内務省所属の防諜機関(非公開組織)であり、内閣総理大臣に直属している。電脳化・義体化の普及により、凶悪化の一途を辿る犯罪に対応するため、9課には、憲法を超越する権力と戦闘能力が付与されている。日本政府にとっての後ろ暗い仕事を、9課は“銃と戦車”によって解決してきた。

犯罪の芽を事前に探し出し、これを除去するために、法に縛られない超法規的な活動と、暴力装置の行使が認められている9課は、思考戦車という“殻”を着て戦う“攻性”の組織であることから“攻殻機動隊”とも呼ばれている。
本作のタイトルはこの組織の通称である。

出典 攻殻機動隊 - Wikipedia

「公安9課」俗称は「攻殻機動隊」

公安9課所属。男性型高出力義体を持つパワー型サイボーグ。身長187cm。原作1.5巻では「専門は電子戦」と豪語しているが、原作1巻では戦闘サイボーグのコイルと互角以上に格闘戦を行っている。9課に所属する以前はレンジャー4課(陸上自衛軍レンジャー部隊)に所属し、海外での特殊な戦闘任務にも参加していた。

ほぼ全身を義体化したサイボーグであるが、草薙ほど義体化率は高くない。レンジャー4課時代に任務特化した特殊な義眼レンズ(センサーアレイや、サーモセンサー等を有する)を、9課移籍以降もそのまま残しており、小火器から重火器までの幅広い武器の扱いにも長けている。

サイボーグの人工筋肉は発達しないにも関わらず筋トレが趣味であり、『S.A.C.』では脳まで筋肉にしないよう草薙からのツッコミを受けている。

公安9課所属のパワー型サイボーグ「バトー」

凄腕ハッカー、通称「人形使い」(自我を持った人工知能。真相は闇の中だが、元は外務省のプログラムが始まりではないか・・・)

女性型の義体の中には「人形遣い」の「ゴースト」が封じ込められていると言われるが・・・実際には人形使いという実存するハッカー(人間)など存在しない。当然ハッカーのゴーストも存在しない。でっち上げである。

凄腕ハッカー、通称「人形使い」

少佐(草薙素子)たちも「人形使い」の一部始終を傍観している

荒巻の調査では「人形使い」は外務省が作ったプログラム(プロジェクト2501)が始まりではないかと考えている。

そしてこのプログラムは独り歩きし、自我を持って増幅する人工知能のような存在となり、もはや制御出来ない状態になってしまう。・・外務省はこれをハッカーと偽り排除しようとしてきたのではないかと・・・

原作漫画の1991年、映画版の1995年では理解が難しい話でしたが、現代では、かなり実感ができ、昔よりも理解がしやすくなっています。

現代は学習し成長する人工知能の分野は発展が目覚しい。自我を持ち自己学習し、自己増殖するような強力な人工知能が生まれてもおかしくない気持ちになります。

ネットの中で増幅し自我を持った人工知能(AI)「私は情報の海で発生した生命体だ」

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