個人生活

映画『個人生活』
メインキャスト

ジュリアン・ダンディユを演じるアラン・ドロン

ルネを演じるジャンヌ・モロー

クリージーを演じるシドニー・ローム

ドミニクを演じるクロード・リッシュ
キャストのシドニー・ロームはアラン・ドロンに抜擢され、この作品でトップスターになりました。
ストーリー

早朝のパリ。大統領官邸エリゼ宮で行なわれていた閣議が、今終わった。降りしきる雨の中、待ちうけていた報道陣のカメラの砲列が注目の若手政治家ジュリアン・ダンディユ(A・ドロン)に殺到する。

彼は左翼自由主義をスローガンとする連合共和党の多数派を率いてぐんぐんのし上った野党の党首であった。混迷する政界はジュリアンのような若く野心的な政治家にとっては恰好の活躍の舞台であった。このフランス政界の若手ホープは、今ではパリの花屋の売り子までがその姿を見つけて囁き合うようなマスコミの寵児なのである。

というのも彼には美しく知的な妻と息子がいながら、最近クリージー(S・ローム)という美貌とプロポーションで売り出したトップ・モデルとの公然の関係が噂されていたからである。ジャーナリズムは、ジュリアンの多忙な一秒一刻を争って追っていた。

やがて新しい内閣が誕生しようとしていた。ジュリアンにとっては政治生命を左右するほど重要な閣僚のポスト争いが熾烈に行われていた。

幼いときから炭坑夫として働き、労働運動に身を投じてきた彼にとって連合共和党の総裁ビベールの未亡人で影の実力者といわれるルネ(J・モロー)は深い信頼で結ばれた仲であった。ジュリアンは今、ルネの助けを必要としていた。というのは同志サバランがジュリアンに反対派として対立していたからである。

ジュリアンとは一心同体の秘書ドミニク(C・リッシュ)も、彼が閣僚のポストにつくためには何よりもサバランを巻き込むことだと考えていた。

サバランへの調停者をルネに依頼したが、彼女はジュリアンがクリージーと別れることを条件に引き受けた。

そして思惑通り、サバランはジュリアンに協力することを約束した。これでジュリアンが閣僚のポストに着くことはほぼ確実だった。

ジュリアンは受話器をつかんでクリージーに電話する。だが誰も出なかった。数日後、大統領はジュリアンを新内閣の重要メンバーに選任した。彼の社会的野望は遂げられようとしていた。しかし、その瞬間、ジュリアンの胸のうちに熱い思いがこみあげてきた。

それはクリージーへの未練であった。クリージーのやさしさ、伸びきった肢体。その豊かな胸に顔を埋めると、ジュリアンの孤独で凍った心が次第に暖かくなっていくことを感じる。

何回目かの電話でやっと電話連絡がついた。彼女は、もし0時までに彼女の家にこなければ自殺するという。必ずいくと約束したものの、いまわしい会議が始まろうとしていた。

“今、エリゼ宮で大統領がお待ちになっています”。ジュリアンはもうひき返すわけにはいかなかった。

夜がとっぷりとふけていく。街灯がマロニエの木立ちを照らしていた。ジュリアンがクリージーのアパルトマンに着いたとき、時刻はすでに0時をまわり、クリージーの部屋はまっ暗だった。
欲しいものを同時に手に入れるのはなかなか難しい事です。そして映画では仕事を取り、恋人は・・・。とても悲しい恋です。
映画解説
ジュリアンとクリージーとの出会い

出会いは、飛行機の中でした。

クリージーは、ジュリアンが有名だったので知っていました。
「あ、**さんね」 「僕を知ってるの?」 にっこりと、彼が表紙になった雑誌を見せる。
http://ameblo.jp/irusutyuu/entry-11246136254.html第百一話・シドニー・ローム様|時は止まる君は美しい

その後、二人は不倫関係に...。
恋はどこで始まるかわからないものです。そしてそれが上手く実とは限りません。
主要スタッフ
La Race des \'seigneurs\' 個人生活(1) - LE REGARD D'ALAIN DELON
見所

電話をかけるシーン
La Race des \'seigneurs\' 個人生活(1) - LE REGARD D'ALAIN DELON
映画のテーマ曲
多忙な生活の中で安らぎのある場所がジュリアンにはあり、それが妻ではなくクリージーでした。大切な存在だったはずなのに仕事を取り、自ら失ってしまいました。