チャレンジ精神を感じる疑似3D表現に、堅実なゲームシステム

コナミといえば、「グラディウス」、「ツインビー」、「沙羅曼蛇」等の多くのシューティングゲームのメジャータイトルを発売している。『アクスレイ』は、その過去の名作達のノウハウがしっかりと受け継がれたシューティングゲームとして完成度の高い作品となっている。
特に本作で印象的なのが、縦スクロール面での斜め上から見たような奥行きのあるゲーム画面である。これにより、奥から手前へ向かってくるような迫力のある演出がなされている。SFCにおいて、3Dポリゴンによる立体表現は「スターフォックス」等の例外は除いて一般的ではなかったため、背景で使われるスクリーン描画面に対して拡大縮小を用いてパースを付けるこの手法は、非常に臨場感のある演出に成功している。

2Dだけど立体的!工夫された表現が印象的。
binto

往来のタイトルでもおなじみ、ウェポン選択画面。
binto
縦横交互のステージ構成で有名なシューティングゲームといえば・・・・

『沙羅曼蛇』が真っ先に思い浮かびます・・・・
Amazon.co.jp: 沙羅曼蛇: ゲーム

沙羅曼蛇の横スクロール面。
ファミコン版沙羅曼蛇

沙羅曼蛇の縦スクロール面。
ファミコン版沙羅曼蛇
アクスレイのストーリー

平和なイーリスに闇の帝国の戦艦が迫る!
binto
多数のウェポンを使いこなして攻略!
本作は、ポッド、サイド、ベイの三箇所にウェポンを装備できる。この三つの兵装は、ゲーム中にL、Rボタンを押す事で切り替えて使用する事ができるので、直線に強いウェポンと広範囲をカバーできるウェポン両方を搭載してステージ中の状況によって使い分ける事で、攻略が容易となる場合もある。
全部で8種類のウェポンが存在し、ステージが進む事に選択できる種類が増えていく。
◆POD(ポッド)
機体上部にレーザー系ウェポンを装備できる。癖の無い物から変わったレーザーまで。
・【ストレートレーザー】
正面に発射されるショット、威力は中くらいで最もオーソドックス。
・【ニードルクラッカー】
自機の周囲6方向に発射された後、敵の方向に向かっていく誘導レーザー。威力は低いが、雑魚敵の処理に優秀。
・【ワインドレーザー】
自機の後方4方向に発射された後、前方へ曲がって行くレーザー。方向キーの前後入力で曲がる角度が変わり、前で上下に拡散、後ろで前方に収束する軌道を取る。敵を貫通するので、強力。
◆SIDE(サイド)
機体側部にバルカン系ウェポンを装備できる。自機の周囲をカバーするための装備。
・【ラウンドバルカン】
ボタンを押すと後方から発射され、押し続けるごとに発射方向が前方になる。ボタンを離すと再び発射方向が後方になっていく。使いこなすと様々な方向の敵を処理する事ができる。
・【モーニングスター】
ボタンを押しっぱなしにすると自機の周囲を回転し、ボタンを離す事で放射場に発射されるショット。連射力が無いので、雑魚敵処理には向かないかもしれない。テクニカルな武器。
◆BAY(ベイ)
機体下部にミサイル系ウェポンを装備できる。正面と下側を攻撃するための装備。
・【マクロミサイル】
正面に発射され、着弾した際の爆風でもダメージを与えるミサイル。威力が高く、ミサイル系の中ではどのような曲面でも比較的使いやすい。
・【エクスプロージョンボム】
前方下方向に発射され、着弾すると爆風でもダメージを与えるミサイル。特に横スクロール面では、下方向の雑魚敵せん滅に役立つ。
・【クラスターボム】
自機の真下に投下される小型の爆弾。連射が可能。横スクロール面では下方向の敵せん滅に向くが、縦スクロール面では下側に落ちるので当てるのが難しい。
多彩なギミックのステージとボス達
本作のステージ数は全6面、1・3・5面が縦スクロール、2・4・6面が横スクロールのステージ構成となっている。いずれもそのスクロール方向に対応した演出とギミックをもっているので、印象に残り易い。

ステージ1:雲の惑星
binto

ボス1:モイ
binto

ステージ2:コロニー
binto

ボス2:ゴルスカスダウパー
binto

ステージ3:都市惑星
binto

ボス3:ラムズ
binto

ステージ4:水と菌類の惑星
binto

ボス4:ミフォンコウ
binto

ステージ5:溶岩と炎の惑星
binto

ボス5:ボビーウェイラー
binto

ステージ6:闇の要塞
binto

ボス6:デスウィン
binto

ボス7:逃走するデスウィン
binto
ついにエンディング!しかし・・・・
ついに闇の帝国の野望を打ち砕き、傷つきながらもアクスレイは平和になったイーリス恒星系に帰り着く所でスタッフロールエンディングとなる。
しかし、スタッフロールが終わった所で難易度が一段階上がった2週目が開始される!そして真のエンディングは2週目をクリアしなければ見れないのであった。

2週目が始まる・・・・!
binto
アクスレイまとめ
多彩なシューティングゲームをリリースして老舗としての安定感を感じさせるコナミであったが、このアクスレイでシューティングゲームというジャンルをさらに一歩前進させようとする意気込みを感じる事ができた。続編を匂わせるような演出もあり、グラディウスや沙羅曼蛇のようにシリーズ化して欲しかったが、実現する事は叶わなかったようだ。また現在のコナミは再編され、株式会社コナミデジタルエンタテインメントとしてゲーム事業を引き継いでいるが、大半の事業から撤退という現状である。かつてのコナミは本作に留まらず、多くの人の記憶に残る名作を生み出して居たと思うと、現在のソーシャルゲーム押しの方針はどこか寂しいと感じるこの頃であった。