ジューシィ・フルーツ、テクノポップの未来形

ジューシィ・フルーツ、テクノポップの未来形

近田春夫の作曲した「ジェニーはご機嫌ななめ」は、典型的なテクノポップでありながら、いつ聞いても新鮮で古さを感じさせない楽曲だった。


デビューした時から所属事務所の関係もあって、ボーカルのイリアがサザン桑田の妹分のような感じがしていて、その後楽曲の提供を受けたりしていたもあり、デビュー曲の「ジェニーはご機嫌ななめ」と「そんなヒロシに騙されて」の印象ばかりが強く残っている。

下記は、日本コロンビアより2001.6.21に「ジェニーはご機嫌ななめ」がニューマキシシングルとして発売された時に作成された記事を引用したもので、デビューから解散、再レコーディングまでの経緯が詳しく書かれている(一部、wikipediaより引用)。
なお、バンドのライブ活動は、2009年に再開している。

デビューまでの経緯

それまでまったく異なったフィールドで活動をしていたアーティストがパンクやニューウェーヴの洗礼を受け、それまでの過去(それこそ、音楽性からヘア・スタイルやファッションに至るまで)を捨ててテクノ・ポップやニューウェーヴのバンドを結成する。70年代終盤から80年代初頭にかけて、日本ではそんな光景がよく見られたが、ジューシィ・フルーツもまた、そのようにして生まれたバンドの一つであった。  バンドの母体となったのは、ハルヲフォンを解散した近田春夫が1979年に新たに結成したバンド、近田春夫&BEEF。映画『ファントム・オブ・パラダイス』に出てくるホモのロック・シンガーから名前を引用したこのBEEFなるバンドが結成されたいきさつを、メンバーの柴矢俊彦は次のように語る。 「もともとハルヲフォンが自然解体みたいになって、でも近田さん自体はステージの仕事が色々あったんですね。それで、じゃあ新しいメンバーを集めようってんで、まずガールズってバンドをやってたイリア(奥野敦子)に近田さんが声をかけたんです。で、沖山優司君と高木利夫君はアマチュアで一緒に東京スタイルってアヴァンギャルドなバンドをやってたんですけど、近田さんがたまたまリハーサル・スタジオで見かけて、君達面白いねって話になって、声をかけたと。僕はその時は色々な人のバックでギターの仕事をしていたんですけど、あるドラマーの紹介で近田さんに会うことになりまして。それから他に茂木(由多加)さんっていうキーボーディスト(元・四人囃子)と野毛さんっていうパーカッションの人(後にビブラストーンに参加することになるNOGERA氏)がいて。その6人が集められてBEEFが結成されたわけです」  このような経緯のもとに始動したBEEFであったが、作品を残すことなく発展解消することとなる。そうして生まれたのが、ジューシィ・フルーツであった。 「近田春夫&BEEFでライヴをやっていくうちに、近田さんがレコード会社をキングから日本コロムビアに移籍することになりまして。今もあるのか分からないですけど、当時はレコード会社を移籍する時は半年間レコードを出せないという規定があったんですね。それだったら、バック・バンドだけ先にデビューさせておいて、自分はその6ヶ月後に華々しく何かをやろうみたいなことを多分近田さんが考えたんだと思うんですけど、それで6人の中からルックスが悪い2人が落とされまして(笑)、ルックスのいい4人がジューシィ・フルーツになったというわけです(笑)」(柴矢)  ジューシィ・フルーツのメンバーとなったのは、イリアこと奥野敦子(ヴォーカル、ギター)、柴矢俊彦(ギター)、沖山優司(ベース)、高木利夫(ドラム)の4人。近田春夫のプロデュースのもと、80年6月1日にリリースされたデビュー・シングル『ジェニーはご機嫌ななめ』は、瞬く間にシングル・チャートを駆け上り、ベスト10内にランクインするほどの大ヒットとなる。 「あの当時、YMOやプラスチックスを筆頭とするテクノ・ポップのシーンがあって、その一方にはサザンやツイストがいて、なおかつアイドル音楽の全盛期でもある、みたいな時代でしたよね。そのおいしいところを全部やるにはどういう風に作ればいいんだろう、みたいなことを近田さんは考えたんだと思うんですよ。だからテレビの現場に行くと、“君達はロックの人だ”と言われ、ロックのイベントに出ると“君達はTVに出てるから歌謡曲系の人達でしょ”と言われる。そのどちらか片方だけには行かないというか、ある意味どっちにも行けたというところはありましたよね。メンバーもそのニセモノくささを思いっきり楽しんでいたというか、インチキっぽいとかバンドっぽくないって言われることが光栄だと思ってましたし。だからテレビに出る時はアイドルみたいにニコニコしながら絶対にロック・バンドがやらないような振りをつけて演奏したりとか、それぐらいやって客を楽しませようっていう意識は高かったですね」(柴矢)

http://columbia.jp/~juicy/history.html

ジューシイ・フルーツ HISTORY OF THE JUICY FRUITS

デビューから解散まで

最終的に『ジェニーはご機嫌ななめ』は34.6万枚のセールスを記録。1980年度のオリコン・年間シングル・チャートでは37位にランクインするほどの大ヒットとなったのであった。  また同年、彼等は『ドリンク!』(1st)『ジューシィ・ア・ラ・モード』(2nd)という2枚のアルバムをリリース。間髪入れず81年には3rdアルバムの『パジャマ・デート』がリリースされ……といった具合に、半年ごとにアルバム1枚という驚異的なハイ・ペースで作品を発表していく。 「その当時、メンバーもプロデューサーの近田さんの指向もそうだったと思うんですけど、ギター・バンドのかっこよさを追求したいっていうのがありましたね。レコードにはキーボードが入っていたりするんですけど、あくまでもライヴではロックなギターでそういう(テクノ・ポップ的な)音楽を表現するっていうようなところがいいんだ、みたいな。しかも女の子がかわいい衣裳を着てかわいく歌うんだけど、間奏では足を広げてグイ~ンてギターを弾くのがいいんじゃない、みたいなのが」(柴矢)  『ジェニーはご機嫌ななめ』で確立された彼等のイメージは、3rdアルバムをもって一段落。82年にリリースされた4枚目のアルバム『27分の恋』からは自分達でプロデュースを手掛けるようになり、アルバムごとにサウンドやヴィジュアルのカラーを変えるなど、シリアスに自分達の音楽と向き合う姿勢が見られるようになる。そして『天然カフェイン』(83年。5th)『Come On Swing 』(84年。6th)とアルバムをリリースした後、85年に解散。メンバーはそれぞれ別の道を歩み始める。 「近田さんがいなくなって、自分達が本当にやりたいのはどんな音楽なんだろうっていうのを考えるようになりましたね。だからこの頃になると、デビューした頃とは全然違うジューシィ・フルーツになっていたと思うんですけど、4人にとっては自然な流れで変わっていったことだったんですよ。  解散したのは、85年の1月だったかな。個々にやりたいことが当然あったりしたんで、これは発展的に解散して、ソロでやりたいことをやろうってことでスンナリと決まりましたね」

http://columbia.jp/~juicy/history.html

ジューシイ・フルーツ HISTORY OF THE JUICY FRUITS

解散から再結成

解散後、沖山優司はベーシストとしてビブラストーンに参加。柴矢俊彦は作曲家として他のアーティストへの楽曲提供をおこなうなど、裏方へとまわり、現在は新人アーティストの育成活動に力を注いでいる。イリアはソロ・アルバムを2枚リリースするなど、ソロ・シンガーとして活動していたが、現在は主婦業に専念しているとのこと。高木利夫は音楽の道を離れて、現在は実家の鉄工所を経営。このように別々の道を歩んでいた彼等が今回『ジェニーはご機嫌ななめ』をニュー・レコーディングするために再び集まったのは、一体いかなる理由によるものなのだろうか。 「今までにもテレビの企画とかで、4人で出演してくれませんかっていう話はあったんですよ。でも1回終わりにしたものを中途半端な形で復活させるのはイヤだっていうのがありましたから、断っていたんです。でも今回は松江君に僕らをうまく今風に料理してもらって、ちゃんとした形で作品を出せるっていうことだったんで、それだったらやってもいいかなと思って」(柴矢)  しかし残念なことに、4人が再び一堂に会して本格的に演奏するのはどうやらこのレコーディングが最初で最後のようであり、現時点では再結成ライヴといったようなことは一切予定されていない。そういう潔さも、ジューシィ・フルーツらしいところだ。 「松江君の感覚で僕らをすごくうまく料理してくれたなって感じがして、ひじょうに感謝しています。『ジェニーはご機嫌ななめ』はテンポとか多少のサイズの違いはあるんですけど、基本的には(オリジナルと)一緒で、これがいいとこですね。この曲の持ってる面白さっていうのはひじょうにバカバカしくてニセモノくさいっていうところだと思うんで、かっこよく料理しないで未完成な感じを残したところが、さすが松江君だなって。で、『ビート・タイム』は思いっきり料理されちゃって全然違うものになったし、『恋はベンチシート』もバカバカしさを残しつつ、サウンドはまったく違う今のものになっているじゃないですか。だからそれぞれ彼なりに色をつけてく れたなっていう気がしていて。ジューシィ・フルーツを知らない今の若い連中がこれを聴いて、こんなことをやってもいいんだ、みたいに多少なりともいい影響を与えることができたら、これはもう最高の幸せですね」(柴矢)

http://columbia.jp/~juicy/history.html

ジューシイ・フルーツ HISTORY OF THE JUICY FRUITS

代表曲

メンバー

イリア(ボーカル・リードギター)

トシ(ドラムス・コーラス)

ジェフ(ベース・コーラス)

アキシロ(ギター・コーラス)

関連する投稿


レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム関連の復刻・配信ビジネスなどを行うD4エンタープライズが運営するレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」にて、新規コンテンツ『トラぶるCHASER 第1話 トラブルは空から未来から(PC-9801版)』『3Dテニス(MSX版)』の配信がスタートしました。


『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

ジー・モードより、推理アドベンチャーゲーム『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』の世界観を再現したオリジナルグッズが、北海道紋別市のふるさと納税返礼品として提供されます。


抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

高校時代からモデル活動を始め1986年に「カネボウ・スイムウエアイメージモデル」として脚光を浴びた広田恵子さん。現在は家族で〇〇を組んで活動している・・・。


完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

ハイクオリティフィギュアの製造・販売で好評を博している株式会社SpiceSeed フィギュア事業部より、キン肉マンシリーズのフィギュア『ネメシス』が発売されます。


懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

藤子・F・不二雄による名作の数々を紹介する書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が、8月7日(木)より全国のフェア参加書店にて順次開催されます。


最新の投稿


阪神優勝の歓喜を永遠に!天然ダイヤ×黄金の記念腕時計など、限定「黄金グッズ」5種が予約開始

阪神優勝の歓喜を永遠に!天然ダイヤ×黄金の記念腕時計など、限定「黄金グッズ」5種が予約開始

阪神タイガースの2025年JERAセ・リーグ優勝を祝し、天然ダイヤモンドと黄金を贅沢に使用した公式記念グッズ5種が登場。世界限定2025本の電波ソーラー腕時計や、血行を改善する磁気ネックレスなど、藤川新監督のもと頂点に立った虎の威容を象徴する逸品揃い。本日より予約開始、2月2日より順次発送です。


芸歴50年・秋吉久美子の名作が蘇る!CS衛星劇場で「秘蔵傑作選」が2・3月放送、本人解説番組も

芸歴50年・秋吉久美子の名作が蘇る!CS衛星劇場で「秘蔵傑作選」が2・3月放送、本人解説番組も

CS放送「衛星劇場」にて、女優・秋吉久美子のデビュー50周年を記念した特集「クミコが選ぶ、とっておきのクミコ ~秋吉久美子秘蔵傑作選~」が2月・3月に放送されます。本人がセレクトした名作映画7本に加え、自身の歩みを振り返る特別番組も登場。日本映画界を彩った彼女の魅力を再発見できる貴重な機会です。


工藤静香、全国7都市を巡るプレミアム・シンフォニック・コンサート開催決定!本日より一般チケット発売

工藤静香、全国7都市を巡るプレミアム・シンフォニック・コンサート開催決定!本日より一般チケット発売

工藤静香のフルオーケストラ共演シリーズ第3弾「PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2026」の開催が決定。2026年3月から全国7都市を巡るツアーに挑みます。栁澤寿男、柴田真郁ら名指揮者と共に、往年のヒット曲から最新曲までを大胆かつ繊細に再構築。本日より一般チケットの販売が開始されました。


シティポップ再評価の決定版!DJシーザー最新作『昭和100年』ベストMIX第2弾が2月に発売

シティポップ再評価の決定版!DJシーザー最新作『昭和100年』ベストMIX第2弾が2月に発売

DJシーザーによる人気MIX CDシリーズ最新作『昭和100年 JAPANESE CITYPOP NON-STOP BEST MIX Vol.2』が2月18日に発売決定。大貫妙子や米米CLUB、ピチカート・ファイヴなど、国内外で愛される珠玉の35曲を極上のノンストップMIXで収録。世代を超えて「都会」のムードを堪能できる、新時代のシティポップ入門編です。


【箱根ホテル小涌園】昭和100年を祝うレトロな100日間!「懐かしのあの頃ドリンクフェア」開催

【箱根ホテル小涌園】昭和100年を祝うレトロな100日間!「懐かしのあの頃ドリンクフェア」開催

2026年の「昭和100年」を記念し、箱根ホテル小涌園の「Bar1959」で期間限定フェアが開催。バイオレットフィズやテレビの砂嵐をイメージしたドリンクなど、昭和を知る世代には懐かしく、若い世代には新鮮なメニューが登場。駄菓子付きのフォトジェニックな体験で、世代を超えた会話が弾む特別な100日間をお届けします。