失楽園

渡辺淳一の恋愛小説が原作で、1997年7月7日から9月22日まで、日本テレビ系列で毎週月曜22:00 から22:54に全12回を放送しました。

放送日程
1 1997年7月07日 不倫夜曲 23.5%
2 1997年7月14日 京都初夜 20.7%
3 1997年7月21日 妻の疑惑 20.7%
4 1997年7月28日 通夜密会 19.8%
5 1997年8月04日 愛欲の日光 19.0%
6 1997年8月11日 妻と女の炎 19.3%
7 1997年8月18日 家庭内離婚 17.3%
8 1997年8月25日 妊娠 20.1%
9 1997年9月01日 阿部定絶唱 21.1%
10 1997年9月08日 別れの予感 18.6%
11 1997年9月15日 運命の殺意 20.6%
12 1997年9月22日 衝撃‼最終回スペシャル愛の永遠 27.3%
平均視聴率20.7%
主題歌
主題歌:ZARD「永遠」
スタッフ
監督:加藤彰、花堂純次
脚本:中島丈博
音楽:渡辺俊幸
技術協力:バル・エンタープライズ
美術協力:日本テレビアート
プロデュース:岡本俊次、近藤晋
制作協力:総合ビジョン
あらすじ
出版社の敏腕編集者である久木祥一郎は、ある日突然、編集の第一線から閑職の調査室配属を命じられた。そんな久木の前に、友人・衣川が勤めるカルチャーセンターで書道の講師をしている松原凛子という美しい人妻が現れる。彼女は“楷書の君"と呼ばれているほど折り目正しく淑やかな女性だが、久木の強引でひたむきな恋の訴えに、やがて彼を受け入れた。そして、週末毎に逢瀬を重ねていくうちに、凛子はいつの間にか性の歓びの底知れない深みに捕われていく。

二人の関係は次第にエスカレートしていき、凛子の養父が死んだ通夜の晩、久木にせがまれた凛子は、夫や母親の眼を逃れて喪服姿のままホテルで密会した。凛子は罪悪感にさいなまれるが、それはかえってふたりの気持ちを燃え上がらせる。やがて、久木は密かに都内にマンションを借り、凛子との愛の巣を作り上げた。

しかし、そうした大胆な行動は隠し通せるものではなく、凛子の夫・晴彦は興信所の調査で妻の不貞を知る。晴彦はあえて離婚しないことで凛子を苦しめようとし、一方、久木の妻・文枝は静かに、しかしキッパリと離婚してほしいと要求した。家庭や社会からの孤立が深まっていく中、それでも二人は逢うことを止めようとはせず、世間並みの日常が失われていく分だけ、二人だけの性と愛の充足は純度を増していく。

そんな折、久木の会社に彼の行状を暴く告発文が送られてきた。久木は、それをきっかけに辞職を決意し、文枝との離婚も承諾する。凛子もまた晴彦や実母との縁を切って、久木のもとに走った。「至高の愛の瞬間のまま死ねたら」という凛子の願いに共感するようになった久木は、誰にも告げず、二人でこの世を去ろうと決意する。雪深い温泉宿へ向かった久木と凛子は、生命を絞るように激しく求め合ったまま、互いに毒の入ったワインを口にした。後日発見されたふたりの心中死体は、局所が結合したままの愛の絶頂の瞬間の姿であった。

結末とその詳細
久木は環境分析センターの研究室で働いている友達を訪ね、出版するつもりの小説の科学的な内容について相談したいと言い、友達に青酸カリという毒物を見せさせました。青酸カリは一、二分で人を殺す毒です。友達が隣の部屋に行った隙に久木は青酸カリを少し取り、毒を手に入れました。
二人を一緒に葬ってくださいという遺言を書いて青酸カリをワインに混ぜて性交しながらそのワインを飲みました。「凜子」「あなた」と呟いて死にました。
久木と凜子の恋愛の話はそれで終わりですが、終章として小説の終わりに警察医によって書かれた死体検査調書が添付されています。警察は自殺現場に着いたら二人の死体は強く抱き合って隔離することが簡単にできませんでした。久木と凜子の、一緒に死にたいという夢は叶いました。
登場人物

久木祥一郎:古谷一行

松原凛子:川島なお美

久木文枝:十朱幸代

久木知佳:菅野美穂

松原晴彦:国広富之

衣川道夫:みのもんた
じっくり見たい方はこちら
いかがでしたでしょうか?
川島なお美さんがなくなったことで、再びクローズアップされることとなった「失楽園」
渡辺淳一作品を知る上でもよい物語です。