暗黒の虎『初代ブラックタイガー』タイガーマスク佐山聡と熱戦を繰り広げた男の正体

暗黒の虎『初代ブラックタイガー』タイガーマスク佐山聡と熱戦を繰り広げた男の正体

無尽蔵のスタミナと多彩なテクニックで初代タイガーマスク(佐山聡)を苦しめた『初代ブラックタイガー』。ダイナマイトキッドや小林邦昭と共にタイガーの宿敵として君臨した男の正体と経歴について紹介。


『暗黒の虎』ブラックタイガー

1982年4月、初代タイガーマスク(佐山聡)のライバルとして新日本プロレスでデビュー。
ダイナマイトキッドや小林邦昭と共に初代タイガーの宿敵として君臨した。
覆面のカラーリングは黒のベースに銀色で縞模様が描かれている。

初代ブラックタイガー

アニメ『タイガーマスク』に登場するブラックタイガー

赤いマスクの支配者たちの正体であり「幻の三人タイガー」の一人で変幻自在のスピードの持ち主。
ビッグタイガーやキングタイガーと共にタイガーマスクを苦しめた。
ただし、このアニメのブラック・タイガーは通常の虎の覆面を被った黒人レスラーである。

アニメでのブラックタイガー

ブラックタイガーのレスリングスタイルと得意技

派手な技は多くないが、無尽蔵のスタミナと巧みな試合作りで着実に相手を追い込む。
局所に金的蹴りやロープを使った反則を交えるイヤらしい攻めは、クリーンなタイガーマスクと対照的でライバルとしての特徴を十二分に発揮し、観客を沸かせた。

その実力はアントニオ猪木も高く評価していたという。

イギリスが発祥といわれ、欧州系レスラーが得意とし、初代タイガーマスクも自身のフェイバリット・ホールドとしていた。アンドレ・ザ・ジャイアントも使用していたが、1972年にターザン・タイラーの首を折って以来みずから禁じ手とした。
初代ブラック・タイガーの得意技でもあり、「暗闇脳天落とし」とも呼ばれていた。

ツームストーン・パイルドライバー 別名「暗闇脳天落とし」

ネックブリーカーの一種。
首と背骨にダメージを与えてギブアップを奪う怪力技。絞首刑における首吊りを想起させることから、技をかける腕を首吊り縄(noose)に見立てハングマンズ・ヌースとも呼ばれる。

ハングマンズ・ホールド

正面を向いて飛び、空中で自らの体を横向きに傾けて繰り出すレスラーが多いが、初代ブラックタイガーや天龍源一郎は後ろ向きで飛んでいくスタイル(背面エルボー・ドロップ)を得意としていた。

ダイビング・エルボー・ドロップ

ジャーマン・スープレックスが得意技のタイガーマスクに対して、背後を取られた際に効果的に使用していた。

金的蹴り

ロープに相手の両腕を固定してから助走をつけてドロップキックを浴びせる。
初代ブラックタイガーは、高さ・スピード・タイミング。どれを取っても一級品であった。

ロープに固定してのドロップキック

初代ブラックタイガーの正体

マーク・ロッコとも読まれる。
本名:Mark Hussey
1951年5月11日生まれ
イギリス・マンチェスター出身
ドロップキックの名手として活躍した名レスラー、ジム・ハジーの息子。
父にプロ入りを反対されていたが1969年に英国マットにてデビュー(デビュー年には諸説あり)
身長:178cm、体重:95kg

マーク・ロコ(Mark Rocco)

デビュー当時はジム・ハジー・ジュニアを名乗っていた。
その後、回転する球のように速く動き回るという意味の「ローラーボール」をつけ、マーク・ローラーボール・ロッコのリングネームで活動。
ヒールのポジションで活動し、1977年にはイギリスを主戦場にダイナマイト・キッドと抗争を繰り広げ、イギリス中量級で最強のレスラーと謳われていた。

マーク・ローラーボール・ロッコは、1979年9月には国際プロレスに初来日し、阿修羅・原を苦しめ高い評価を受ける。

ブラックタイガーになる前に佐山聡と対戦していた。

1980年から1981年にかけてイギリスで、「サミー・リー」のリングネームで武者修行中していた佐山聡と抗争を展開、両者は数々の名勝負を生み出した。

ブラックタイガーとして1982年4月21日、蔵前国技館でデビュー

佐山聡がタイガーマスクとして凱旋後の1982年4月21日に、覆面レスラーのブラック・タイガーに変身して新日本プロレスに初登場。

タイガーマスクのWWFジュニアヘビー級王座に挑戦し、両者リングアウトで引き分けた。
以降、タイガーマスクと激しい攻防を繰り広げていく。

【動画】タイガーマスクとの名勝負

シングルとタッグを含めて一度もギブアップやフォール負けがないタイガーマスクに対して、ブラックタイガーは勝利こそないが5度も引き分けに持ち込んでいる。
(記録上は勝利となっているが、メキシコでの3本勝負で1本フォールを取られたことはある。)

タイガーマスク vs ブラックタイガー 対戦成績
1982年4月21日 △14分17秒 両者リングアウト
1982年5月26日 〇14分15秒 体固め
1982年8月29日 △18分3秒 リングアウト
1982年9月6日 △11分22秒 両者リングアウト
1982年9月21日 〇19分8秒 エビ固め
1983年1月17日 △11分57秒 両者リングアウト
1983年1月21日 〇11分48秒 回転エビ固め
1983年1月29日 △9分31秒 両者リングアウト
1983年2月7日 〇15分18秒 原爆固め

初代タイガーマスク佐山聡が語るブラックタイガー

マーク・ロコとは、イギリス時代から何試合もやっていました。 ただ、イギリスでのラウンド制のときはあまり感じなかったんですけど、日本でやるようになってから、すごくしつこいなと思いましたね。 バテないで、ちょこまか、ちょこまかと、いいかげんにしろよって思うぐらいに技が細かいんですよね。 本当に梅雨空みたいな感じで(笑)。 ダイナマイトとは対戦していて気持ちいいなぁていう感じでしたけど、ブラックはなんかイヤな感じでした。 ストンピング一つにしても、ダイナマイトはパーン、パーンっていう感じだったけど、アイツはちょこちょこ、ちょこちょこと蹴ってきてね。 だから、こっちが反撃するチャンスがないというか、反撃する隙をつくらないんですよね。 イギリスでのラウンド制のときは、ダイナマイトみたいに思いっきりがいい感じだったんですよ。 でも、日本ではラウンド制じゃないし、実際はどうなのかわからないですけど、もしかしたらバテると思ったから細かく試合を組み立ててきていたのかもしれないですね。 ただ、イギリスでずっと対戦していたので、相手として難しくはなかったですね。 手の内がわかっていますからね。 急所蹴りなど荒っぽさもありましたけど、イギリスではヒールで、そういう攻撃は向こうでもやっていたことでした。 とにかく、いっぱい引き出しを持っていて、試合もよかった。 いいライバルでいてくれたと思います。 悪どい感じでヒールファイトと思われがちですけど、ボクにとってはしつこいというイメージでしたね。

週刊プロレスNo.1516 タイガーマスクのインタビューより

タイガーマスク離脱後も新日本プロレスで活動。

タイガーマスクは人気絶頂期だった1983年8月10日、突如として新日本プロレスへ契約の解除を一方的に申し入れ、現役引退(正確には引退はせず退団)を表明。

ブラックタイガーの活動はどうなるのかと不安視されたが、誰と対戦しても、いい試合を作り上げるブラックタイガーを新日本プロレスは重宝し、ザ・コブラ(ジョージ高野)のライバルとして引き続き新日本プロレスで活動することになった。

ブラックタイガーが語るザ・コブラ

1986年からは地元の英国マットでフライング・フジ・ヤマダこと山田恵一(現・獣神サンダー・ライガー)と世界ヘビーミドル級王座を争い、1987年8月には凱旋帰国した山田を追って素顔のマーク・ロコとして新日本に参戦。
1989年7月には再びブラック・タイガーに変身し、獣神サンダー・ライガーのIWGPジュニアヘビー級王座に挑戦した。

1990年1月に最後に故郷イギリスで活動

1990年1月に最後の来日を果たしてからは英国のオールスター・プロモーションズ(後のオールスター・レスリング)に定着したが、1991年試合中に背中を負傷。
さらに試合後に、呼吸困難で入院、心臓肥大と肺の欠陥が見つかり手術。
命に別状は無かったが再びリングに上がることはなかった。

マットを離れてからは実業家として成功し、今はスペイン領カナリヤ諸島で悠々自適の生活を送っているという。
2003年2月と2006年8月に、オールスター・レスリングを主催したリ、ユニオン・イベントに登場している。

かつてヒールとタイガーマスクを追い込んでいた姿からは想像できないほどの優しい顔です。

現在のマーク・ロコ

ブラックタイガーはマーク・ロコ以降も故エディ・ゲレロなど多くのレスラーに引き継がれ、現在なんと7代目までが登場している。(タイガーマスクは現在5代目まで登場)

それも初代ブラックタイガーとして、初代タイガーマスクと名勝負を繰り広げ多くのファンを魅了したマークの実績が大きいのではないだろうか。

Mark "Rollerball" Rocco

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