レスキューポリスシリーズ第2弾であるこの作品は、前作『特警ウインスペクター』の直接の続編という形になっています。
犯罪が高度化した近未来を舞台に、“特装救急警察“であるソルブレインが様々な事件に立ち向かうというストーリーが展開されました。
敵が人間の犯罪者であるという関係であまり着ぐるみの怪人は登場せず、また本作では犯罪者の心も救うというテーマが設定されていたため、さらに「刑事ドラマ」らしさがパワーアップしています。
加害者よりも被害者側に圧倒的に非があるというパターンも多く、本当は正しい人間であると知りつつも犯人に苦渋の決断をして逮捕、という展開もよく見受けられました。
そんな異色の特撮ヒーローである、『特救指令ソルブレイン』を振り返ってみましょう。
ソルブレインってどんな番組?
『ロボット刑事』や『機動刑事ジバン』、そして前作『特警ウインスペクター』など、それまでも東映のヒーロー物には刑事ドラマをモチーフとしたものが多く存在していました。
このソルブレインでは敵が怪人やロボットのような得意なものがあまり登場せず、登場した場合でもその背景に悪人やその他の「人物」が存在していて、犯人やそれを取り巻く人物たちのドラマが多く描かれていたことが特徴です。
ソルブレインのメンバーは?
名優・宮内洋が演じた正木本部長は本作でもレギュラーとして毎回登場しています。
中盤で一度前作の主人公・香川竜馬が帰国し、その後再び新しい姿となって帰ってきたことは特撮ヒーローものの中でも珍しい展開でした。
それでは、ここで登場人物たちを振り返ってみましょう。
特救指令ソルブレインとは (トッキュウシレイソルブレインとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
印象的な敵キャラクターたち
この番組は刑事ものである都合上、毎週必ず登場するような悪役は存在しません。しかし、複数回登場したキャラクターも存在しました。
特救指令ソルブレインとは (トッキュウシレイソルブレインとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
この他にも様々な印象に残る悪役(?)キャラクターたちが番組には登場していました。
・様々な姿に自身を変化させることができるロボット・メサイア(脳は人間のもの)
・現代日本への復讐のために放火活動を続ける老人たち
・養子を轢き逃げされ、さらにその事件を隠蔽した親子に復讐しようとするFBIの男・コスギ
など、犯人たちのドラマが主人公たちを差し置いて展開されていたのがこの作品です。
当時発売されたおもちゃ
ストーリーが話題となることが多いこの作品ですが、商品展開にも力が入れられていました。
ネット上には当時放送されていたテレビCMが数本残されています。
母艦SSIは大型の装備ということもあり本編のドラマパートに登場することは少なく、主に消火活動のシーンにおいて活躍していました。
また、悪人やその他の犯人がSSIを強奪しようとするエピソードも数本存在します。
パイルトルネードは、前作から引き続き登場していた大型アイテム・ギガストリーマーに加えて番組内で新登場した装備です。ナイトファイヤーとソルブレイバーの両方が使用していたため、どちらのキャラクターが好きな人でも欲しくなる特別なおもちゃでした。
この他に、「ミニットブレインシリーズ」という約10センチのアクションフィギュアも発売されていました。地方のおもちゃ屋さんでは、未だに在庫があることもあるようですよ。
現在はDVDが発売中。そしてさらなる展開も…?
長らくソフト化がされていなかったソルブレイン。VHSでは総集編のみの発売だったため、ソフト化はDVDの時代を待つこととなりました。
2010年、ついにソルブレインがDVD化され、全話視聴が容易になりました。現在では定期的にYouTubeでの東映公式配信も行われているなど、一昔前に較べて人目に触れる機会が多くなりました。
近年・プレミアムバンダイにおいて前作『特警ウインスペクター』のフィギュアが発売されました。
もしかしたらこのまま流れに乗り、ソルブレイバーやソルジャンヌといった本作のキャラクターたちもフィギュア化される日が来るかもしれませんね。
おまけ:ソルブレインショー
YouTubeにおいて、当時行われた『ソルブレイン』の登場するヒーローショーの映像が公開されています。
本編ではあまり怪人と戦うことはないソルブレインですが、ヒーローショーにおいては普通に怪人と戦い、さらには同じ年に放送されていたジェットマンと共演するなど、まっとうなヒーロー番組としての一面を見せていたようです。
テレビでは見られなかった夢の共演をぜひ御覧ください。