『はれときどきぶた』

原作を読み、劇場版もテレビで見ていたため、「絵がかわいくなった」程度の認識でした。放送が始まるまでは。展開や演出が凄まじくなっており、賛否両論のようですが、このくらい突き抜けていれば逆に「どこまでも行ってください」という気にもなります。
概要
あらすじ
ちょっと空想壁がある以外取り立てて特徴のない少年、畠山則康。
母親に日記を見られた怒りから「嘘の日記」を書いたところ、それが次々現実化。
「ブタが降ってくる」と書けばその通りになってしまい、あわてて消しゴムで内容を消していくのだが、一匹だけ消し忘れのブタがいた。
以降、「はれぶた」と名付けられたその子ブタは畠山家のペットとして住むことになるのだが・・・?
登場人物

畠山則安(はたけやま のりやす)
主人公にして、作中ほぼ唯一の常識人。
ごく普通の小学校3年生、と言いたいところだが、10歳に満たない身ながらあきらめムードあふれるセリフを口にしたり、空想癖が強かったりする。しかも空想の内容がぶっ飛んでいる。
「十円安」というあだ名がある。

はれぶた
「明日はブタが降ってくる」という則安の日記が実現し、彼の部屋にまでなだれ込んできたブタの一匹。
「消しゴムで日記の内容を消せばいいんだ」との機転で他のブタは消え去るが、唯一の消し忘れとして残り、そのまま畠山家の一員に。
思考(主に則安の)を吸って現実化する特殊能力を持つ。
元は「ぶた王国」なる国の王子。

畠山玉江(はたけやま たまえ)
則安の妹。
通称玉ちゃん。
3歳だが、異様に大人びているというか、侮れない幼女。

畠山玉則(はたけやまたまのり)、畠山安江(はたけやまやすえ)
はれときどきぶた 1998年のお正月 - nicozon
則安の両親。パパ、ママと呼ばれる。
父玉則は一流大学を卒業したもののリストラに遭い、妻の実家の工場で名前だけの部長職を務める身。
母安江はそのせいもあって、学歴や勉強など何の役にも立たないと、則安に「勉強」の一切を禁じている。夏休みの宿題すらダメ。

矢玉アナ(やだまあな)
ナレーター的な役割で、番組を「アナウンス」し、時にはしゃべらないキャラクターの「通訳」もこなす。

黒矢玉(くろやだま)
矢玉アナとは別人。
口調や態度がやる気なさげでガサツ。

和子先生(かずこせんせい)
担任。
美人でスタイルもいいが、ナルシスト。
何かにつけ、天を仰いだり、ナルシルト的なポーズをとったりする。

その他キャラ
校長先生:和子先生をストーキングしている。子供時代よくやった遊びは釣りか虫取り。他にすることがなかったため。
ナベシン:友人。パーマのような髪型の少年。
おにぎり山:友人。太め。
武蔵小金井:「偉人、天才は皆変人と呼ばれていた」という理由で変人のような振る舞いをする。
平賀きみよ:何故か金髪縦ロール。金持ちなのか何なのか、お姫様のようないでたち。
袖振マサコ:長い袖をベロベロ振って、「べんべろ~」としか話さない・・・と見せかけ、普通に話せる。両親も同じで、通訳をこなした矢玉アナに「お疲れ様です」と声をかけた。
最終回
はれぶたと出会うきっかけとなった日記を燃やしたことで、はれぶたは消滅。
別れが訪れたかに思われますが、「はれぶたに会いたい」との気持ちから、新たな日記帳にはれぶたのことを書く則安。すると、則安も消滅してしまいました。
畠山家の子は、玉ちゃん一人だけ。その自体に疑問を持ったのも、玉ちゃんだけでした。
「この机や部屋は、玉ちゃんのじゃない」則安の友人のことも知っている。接点がないのに、何故だろう?
一方。則安は別次元ともいえる世界にいました。そこでは、ぶた王国とイノシシ王国が冷戦状態。
はれぶたは王子としての職務をこなしていました。
彼らの通訳は矢玉アナたちがこなしていましたが、則安はブタたちにより捕えられて、牢獄へ。
ぶた国王(はれぶたの父)が言うには、「我々は人間と一緒にいたら、その想いを現実化させてしまう。だから一緒にいない方がいい」
再会を果たした則安とはれぶたは、逃亡。それらすべて、「占い師」により得たヒントを元に、玉ちゃんが描いていた日記でした。
「皆で一緒にいるところ」を描き、相変わらず兄を思い出さない両親を説得し・・・。
涙が日記帳に零れ落ちた時、空間が歪みました。
ぶたの兵士に包囲されていた則安とはれぶたの元に、家族友人皆が集結!
しかし、戻る方法がない・・・。
「みんないるけど、何か違う」
そこで、則安ははれぶたに言うのです。
「思いっきり考えるから、もう一度だけボクのお願いを吸って」
そして頭にはれぶたを装着!
かつてないパワーは地球に届き、場面転換。
朝、それぞれの部屋で目覚め、窓を開ける則安とはれぶた。それぞれの部屋、というか住居が向い合せに建っていました。駆け寄り、抱き合います。
つまり、何と地球とはれぶたの故郷の星が「くっついた状態」に。
はれぶたは則安の家で朝食をとり、一緒に学校へ向かいます。映し出されるのは、どこもかしこもぶたであふれている光景、人と豚が共に暮らしている光景。
ぶた国王夫妻も畠山家に引っ越しのごあいさつ。
イノシシ王国の姫も、父王と再会が叶い、地球が自転し悪度を変えると、ぶたの顔が・・・。
最後までシュールでほのぼのしたアニメでした。
「あきらめなければ願いは叶う」といったメッセージは・・・野暮かもですね。
OP
原作準拠の劇場版
若干OPがぶっ飛んでますが、絵も内容も原作準拠です。