小学生のころ、「光村図書出版」にはお世話になりましたよね!教科書会社はたくさんありますが、国語の教科書に限っては光村が最大シェアを誇っています。
拙文「光村図書の国語の教科書は凄かったんだ!【文芸編】」で、意外な方が執筆されていたことをご紹介しましたが、こちらでは挿絵を描かれた方を中心にまとめてみます。こちらもびっくりしますよ♪
光村図書の国語の教科書は凄かったんだ!【文芸編】
■漫画の神様が国語教科書に!
中学校英語の教科書にはウォルト・ディズニーが載っていますが、国語には漫画の神様・手塚治虫さんの書き下ろしが掲載されています。

「アニメーションとわたし」

手塚治虫
昭和55年から掲載されていますが、この少し前くらいまではアニメは「漫画映画」「テレビ漫画」と呼ばれ「俗悪」とまで言われていたこともありましたから、この頃には漫画は市民権を得ていたと言っていいでしょう。
「アニメーションとわたし」は五年生向けですが、二年生の教科書にも手塚先生は執筆されています。

「まん画」
■「ガンバの冒険」の挿絵を描かれた絵本画家の絵!
「しっぽのやくめ」の挿絵を描かれた「やぶうちまさゆき」さん。平仮名でかかれていますが「薮内正幸」さんのことです。

「しっぽのやくめ」

薮内正幸
「福音館書店で絵本画家として活躍されていた薮内さん。絵本「どうぶつのおやこ」「どうぶつのおかあさん」「くちばし」は子供の頃ごらんになった方も多いのでは?

薮内正幸の作品
ミドルエッジの読者の皆さんなら「ガンバの冒険」原作小説の挿絵を描かれた方、といえば「あぁ~…」と思われるでしょう!

「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」
「ガンバ」はその後テレビアニメをはじめとして何度も映像化されていますよね。
斎藤惇夫さんの文章もさることながら、薮内さんのリアルな挿絵が読者の子どもたちの心をつかんだことは間違いないでしょう。
wikipediaによると、テレビアニメ化されたのは当時プロデューサーだった楠部三吉郎さんの甥ごさんが「これすごく面白いからテレビでやってよ」と勧めたことがきっかけということです。
■絵本、小説挿絵、雑誌の表紙などオールマイティのイラストレーターも!
1962年から「小説現代」の表紙を描いている村上豊さんも教科書の挿絵を描いています。

「との様の茶わん」

村上豊
村上さんはさまざまな作品を手がけられているので、これももし教科書をごらんになって気づかれた保護者の方がいたらきっと驚いていたんじゃないでしょうか。
、
■誰もが知ってる絵本画家が50年前に教科書の挿絵を描いていた!
実は、筆者がこの光村教科書について書きたいと思ったのは、この「チックとタック」の挿絵を描いた方のお名前を知ったことがきっかけでした。

「チックとタック」
ひらがなで「あんのみつまさ」と書いてありますが、「安野光雅」さんのことですよ!

筆者は昭和44年に一年生で、そのときに「チックとタック」に触れたことになりますが、まさかこのイラストが安野光雅さんだったとは…40年以上経って初めて知り驚きましたが、それと同時に、子供のころに安野さんの絵に接していたとは、なんと贅沢なことなんだとも感じました。

いかがでしたか?
光村の国語の教科書の挿絵はどれも水準が高いということがよくわかりますよね。
もしかしたらわたしたちは自然と美術・イラストを見る目が養われていたのかもしれません!
光村の教科書についてはもっと書きたいことはたくさんありましたが、ひとまず今回はここまでとさせていただきます!