光村図書の国語の教科書は凄かったんだ!【挿絵編】

光村図書の国語の教科書は凄かったんだ!【挿絵編】

あの有名な画家が50年前に小学校の国語の教科書の挿絵を描いていた!みんなが大好きだったアニメの原作の挿絵画家も教科書の挿絵を描いていた!光村の国語の教科書は凄いんですよ!


小学生のころ、「光村図書出版」にはお世話になりましたよね!教科書会社はたくさんありますが、国語の教科書に限っては光村が最大シェアを誇っています。

拙文「光村図書の国語の教科書は凄かったんだ!【文芸編】」で、意外な方が執筆されていたことをご紹介しましたが、こちらでは挿絵を描かれた方を中心にまとめてみます。こちらもびっくりしますよ♪

光村図書の国語の教科書は凄かったんだ!【文芸編】

■漫画の神様が国語教科書に!

中学校英語の教科書にはウォルト・ディズニーが載っていますが、国語には漫画の神様・手塚治虫さんの書き下ろしが掲載されています。

手塚治虫・作

昭和55年~60年度版「国語五上」

「アニメーションとわたし」

手塚 治虫(てづか おさむ、本名:手塚 治(読み同じ)、1928年(昭和3年)11月3日 - 1989年(平成元年)2月9日)は、日本の漫画家、アニメーター、アニメーション監督。

1963年、自作をもとに日本初となる30分枠のテレビアニメシリーズ『鉄腕アトム』を制作、現代につながる日本のテレビアニメ制作に多大な影響を及ぼした。1970年代には『ブラック・ジャック』『三つ目がとおる』『ブッダ』などのヒット作を発表。また晩年にも『陽だまりの樹』『アドルフに告ぐ』など青年漫画においても傑作を生み出す。デビューから1989年の死去まで第一線で作品を発表し続け、存命中から「マンガの神様」と評された。(wikipediaより)

手塚治虫

昭和55年から掲載されていますが、この少し前くらいまではアニメは「漫画映画」「テレビ漫画」と呼ばれ「俗悪」とまで言われていたこともありましたから、この頃には漫画は市民権を得ていたと言っていいでしょう。
「アニメーションとわたし」は五年生向けですが、二年生の教科書にも手塚先生は執筆されています。

手塚治虫・作

昭和61~平成3年度版「国語四上」
(書き下ろし)

「まん画」

■「ガンバの冒険」の挿絵を描かれた絵本画家の絵!

「しっぽのやくめ」の挿絵を描かれた「やぶうちまさゆき」さん。平仮名でかかれていますが「薮内正幸」さんのことです。

かわたけん・文
やぶうちまさゆき・絵

「しっぽのやくめ」

薮内 正幸(やぶうち まさゆき、1940年5月23日 - 2000年6月18日)は日本の動物画家で絵本作家。藪内正幸と表記された著書もある。 動物学者の今泉吉典の元で図鑑の挿絵の基礎を習得。その挿絵は精緻でありながら親しみ深く暖かい。鳥や動物の羽毛や毛の一本一本まで丹念に描き「僕は毛描き」と言うほどだった。絵の技術そのものは独学。描いた絵は1万点を超える。友人たちからは「ヤブさん」と呼ばれた。(wikipediaより)

薮内正幸

「福音館書店で絵本画家として活躍されていた薮内さん。絵本「どうぶつのおやこ」「どうぶつのおかあさん」「くちばし」は子供の頃ごらんになった方も多いのでは?

。「子どもがはじめてであう絵本」として、背景を省略し余白を生かして動物たちの姿を明確にイメージ化した「ほんものを感じさせることができる絵」であり、そのころ主流であったおもちゃのような動物絵本とは一線を画するものであった。(wikipediaより)

薮内正幸の作品

ミドルエッジの読者の皆さんなら「ガンバの冒険」原作小説の挿絵を描かれた方、といえば「あぁ~…」と思われるでしょう!

『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』(ぼうけんしゃたち ガンバとじゅうごひきのなかま)は、斎藤惇夫の児童文学作品。挿絵は薮内正幸。
1972年、アリス館牧新社より刊行された。現在は岩波書店から発売されている。

ドブネズミのガンバは、幼馴染みのマンプクに誘われて海を見る旅に出る。2匹は港で船乗りネズミの集まりに参加するが、そこへ全身に傷を負ったネズミが現れる。忠太と名乗ったそのネズミは「夢見が島でイタチのノロイ一族に襲われた仲間を助けてほしい」と訴える。
ノロイとは、船乗りネズミの間では関わることをタブーとされる恐るべきイタチであった。及び腰になる船乗りネズミたちの姿を見たガンバは、自分だけでも忠太の願いを聞き入れることを決意し、忠太と共に夢見が島行きの船に乗り込む。しかし、ガンバに心を動かされたネズミたちもまた、夢見が島へ向かう決意をしていたのだった。(wikipediaより)

「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」

「ガンバ」はその後テレビアニメをはじめとして何度も映像化されていますよね。
斎藤惇夫さんの文章もさることながら、薮内さんのリアルな挿絵が読者の子どもたちの心をつかんだことは間違いないでしょう。

wikipediaによると、テレビアニメ化されたのは当時プロデューサーだった楠部三吉郎さんの甥ごさんが「これすごく面白いからテレビでやってよ」と勧めたことがきっかけということです。

■絵本、小説挿絵、雑誌の表紙などオールマイティのイラストレーターも!

1962年から「小説現代」の表紙を描いている村上豊さんも教科書の挿絵を描いています。

小川未明・文
村上豊・絵

昭和46~51年度版 「新国語六年下」

「との様の茶わん」

村上 豊(むらかみ ゆたか、1936年6月14日‐)は静岡県出身の画家。

静岡県立三島南高等学校卒業後、デザイン会社、三島市役所職員を経て、1960年に、当時直木賞を受賞した司馬遼太郎の週刊サンケイの連載小説「風の武士」で挿絵デビューとなる。以後、多くの小説家の週刊誌・新聞の連載の挿絵や、絵本の原画・書籍の装幀を多く手掛ける。1962年には「小説現代」の創刊号から表紙の挿絵を担当し現在に至っている。(wikipediaより)

村上豊

村上さんはさまざまな作品を手がけられているので、これももし教科書をごらんになって気づかれた保護者の方がいたらきっと驚いていたんじゃないでしょうか。

■誰もが知ってる絵本画家が50年前に教科書の挿絵を描いていた!

実は、筆者がこの光村教科書について書きたいと思ったのは、この「チックとタック」の挿絵を描いた方のお名前を知ったことがきっかけでした。

ちばしょうぞう・作
あんのみつまさ・絵

昭和40~54年度版「しんこくご一 下」
昭和55~60年度版「こくご一下」

「チックとタック」

ひらがなで「あんのみつまさ」と書いてありますが、「安野光雅」さんのことですよ!

安野 光雅(あんの みつまさ、1926年3月20日 - )は、日本の画家、装幀家、絵本作家、元美術教員。島根県鹿足郡津和野町出身。現在は東京都小金井市在住。文化功労者。
子供の頃より、画家への夢を抱き、美術のみならず、科学・数学・文学などにも造詣が深く、豊かな知識と想像力を駆使して独創性あふれる作品を発表してきた。原色や派手な色をほとんど使わない淡い色調の水彩画で、細部まで書き込まれながらも落ち着いた雰囲気の絵を描く。(wikipediaより)

筆者は昭和44年に一年生で、そのときに「チックとタック」に触れたことになりますが、まさかこのイラストが安野光雅さんだったとは…40年以上経って初めて知り驚きましたが、それと同時に、子供のころに安野さんの絵に接していたとは、なんと贅沢なことなんだとも感じました。

画像が小さくて見えにくいかもしれませんが、安野さんの作品です。

いかがでしたか?
光村の国語の教科書の挿絵はどれも水準が高いということがよくわかりますよね。
もしかしたらわたしたちは自然と美術・イラストを見る目が養われていたのかもしれません!

光村の教科書についてはもっと書きたいことはたくさんありましたが、ひとまず今回はここまでとさせていただきます!

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