そういえばジャガーやベンツなど高級車のボンネットマスコットが無くなったような…

そういえばジャガーやベンツなど高級車のボンネットマスコットが無くなったような…

昔は高級車といえばボンネットにマスコットやエンブレムがありましたが、最近見かけなくなりました。かつての車のエンブレムや使われなくなった理由について調べてみました。


高級車のステータスだったボンネットマスコットが減っている…

車のボンネットについている立体的なエンブレムはフードクレストマークまたはフードマスコット、ボンネットマスコットという。
自動車メーカーのシンボルを立体化し、フロントグリルやボンネットに装着するようにしたもので昔は高級車に着けられていることが多かった。

しかし、歩行者への衝突安全性の問題から各社ともボンネットのマスコットは減っている。
これは平成13年(2001年)6月に自動車の国際基準調和の一環として道路運送車両の保安基準等が改正され、国際基準である「乗用車の外部突起(協定規則第26号)」が導入されたことが要因である。

現在もボンネットマスコットを使用している車種は、可倒式や収納式で歩行者に配慮した仕組みになっている。

外車のボンネットマスコット

ロールスロイスのボンネットマスコットは、スピリット・オブ・エクスタシー(The spirit of Ecstasy )という名が付けられている。一般には「フライング・レディ」とも呼ばれる。

ロールスロイスのエンブレム

1910年頃自動車雑誌「The Car」の編集者であったジョン・ダグラス・スコット・モンタギューが自分のロールス・ロイス・シルヴァーゴーストの高性能にふさわしいマスコットを装着しようと考え、友人の彫刻家チャールズ・ロビンソン・サイクスに製作を依頼した。サイクスは過去に手がけていた『シルバー・ファンシー』という作品を元にイメージを膨らませ、モンタギューの秘書もしくはモンタギューの父の秘書であったエレノア・ヴェラスコ・ソーントンをモデルとし、ニーケーに似た女性のマスコットを完成させ、『スピリット・オブ・エクスタシー』と名付けた。その後モンタギューとクロード・ジョンソンの話し合いの結果、ロールス・ロイスの正式なマスコットとなった。

ロールスロイスのボンネットマスコット(スピリットオブエクスタシー)はドアロックすると自動で収納される。

自動で格納されるロールスロイスのボンネットマスコット

世界で最も有名なエンブレムの一つ、ベンツのエンブレム「スリーポインテッドスター」。
星が指し示す3ヵ所は、「陸」「海」「空」を示し、メルセデスベンツが「陸・海・空」の頂点に立つことを表している。

ベンツのエンブレム

マイバッハ創業者のウィルヘルム・マイバッハとその息子の会社名「マイバッハ・モトーレンバウ社」の頭文字をとったもの、現在は、「マイバッハ・マニュファクチャラー」の頭文字をとったもの。

マイバッハのエンブレム

ベントレーのエンブレム「ウイングドB」。
創業者のウォルター・オーウェン・ベントレーの頭文字「B」をあしらった物である。

ベントレーのエンブレム

車好きなら一度は憧れるジャガーのエンブレム。
1938年、アマチュアの彫刻家”ビル”ランキンが、車雑誌「オートカー」の美術を担当していた彫刻家のF・ゴードン・クロスビーにデザインを依頼し制作された。このマスコットは「ザ・リーピング・ジャガー」もしくは「リーピングキャット」と呼ばれ、以来、じっとジャガー車のラジエーターキャップの上に立っていたが、1970年代、アメリカの安全規制で突起物と見なされ、着けられなくなった。

ジャガーのエンブレム

国産車のボンネットマスコット

シーマの一見、貝殻にも見えるマークは「アカンサス」という植物。
地中海沿岸に約20種が分布する毎年花を咲かせる多年草でギリシアの国花。古代ギリシア・ローマ時代、コリント様式の建築に、アカンサスの葉が彫刻のモチーフとして用いられた。
原型制作は彫刻家・二田原英二氏の手によるものでシーマの持つ気品を表現している。

日産 シーマ

トヨタの高級大型車「クラウン」マジェスタのエンブレム。
英語で「王冠」を意味するクラウンだけに、ド直球の王冠モチーフとなっている。
クラウンマジェスタのフードクレストマークは、他の形式のクラウンマジェスタやクラウンに装着させて、視認性を向上させるオーナーもいる。

トヨタ クラウンマジェスタ

日産自動車が1959年から2004年まで製造・販売していた上級セダン「グロリア」のエンブレム。
頭を上に上げて羽を広げた鶴をイメージしている。

日産 グロリア

グロリアの兄弟車。日産自動車が1960年から2004年まで製造・発売していた高級セダン「セドリック」のエンブレム。

日産 セドリック

復活して欲しいボンネットマスコット

近年、似たようなデザインの車が多い気がするのも、ボンネットマスコット(フードクレストマーク)が減少しているからかもしれません。

若い時にジャガーを見て、「わぁ、こういう車に乗りたいなぁ」と憧れた気持ちは今も覚えています。
安全性への配慮も勿論重要ではありますが、技術でクリアして頂いて是非、復活させて欲しいです。

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