「一休さん」とは?

OPテーマ「とんちんかんちん一休さん」は、「一休さ~ん!」「はぁ~い!」という呼びかけから始まって、一休さんの明るく愉快な修行生活が描かれた楽しいOPです。この特徴的な歌詞とメロディーはほとんどの人が口ずさめるのではないでしょうか。
EDテーマ「ははうえさま」はOPとうって変わって哀愁漂う切ないED。小さい頃は苦手だったのですが、改めて見ると悲しいけれどアニメの世界観に合った歌詞とメロディーが泣ける名曲です。
「一休さん」のあらすじ

舞台は現在からおよそ600年前の日本、室町時代の都のはずれにある禅寺・安国寺。南北朝の動乱が終わり戦は終わったものの武士が台頭し、庶民の暮らしは苦しくなるばかり。
ある日川で大根を洗っていた小坊主に、一人の武士が「おい、小僧!」と話しかけます。「小さな僧侶だから小僧だ」と言う侍に、小坊主は「大根は大きくても小さくても大根じゃないか。私は坊さんだ」と見事なとんちで返します。この小坊主は一休という名の天皇の息子で、武士の蜷川新右衛門は一休の監視を将軍足利義満から命じられていたのでした。
新右衛門が見張っていることを知り一休は「一番刀捌きが上手い子はあのお侍さんが養子にしてくれるよ」と言って近所の子供達に薪割りをさせます。子供を騙した罰として、住職の外観和尚から本堂の掃除を命じられ、くじけそうになった一休は吊るしてあったてるてる坊主を見て母の言葉を思い出しました。このてるてる坊主は母の小袖で作られ、出家の際に託されたものだったのです。
一休は後小松天皇の子だったのですが、母親の伊予の局は天皇の女官である一方父方が足利将軍に敵対していた南朝側・藤原氏系であったため、6歳の時に名を幼名の千菊丸から一休に改め、将軍の命令で寺に預けられることになったのです。
5人の小坊主達と境内の裏手に住むさよちゃん、将軍足利義満や豪商の桔梗屋親子など様々な人々とふれあい、一休は愉快なとんちでピンチを切り抜け、母を思いながら修行に励むのでした。

舞台は戦の影響が色濃く残るシリアスな世界なのですが、暗さを感じさせずキャラクターが皆いきいきと活躍する「一休さん」はどの世代が見ても楽しいアニメです。このアニメでは喜怒哀楽に加え「そもさん」「せっぱ!」という問答形式や民衆の生活など基本的な日本文化も学んだような気がします。
「一休さん」の登場人物

一休(一休さん)

さよちゃん

蜷川 新右衛門(しんえもんさん)
「一休さ~ん!一大事でござる!」新右衛門さんがそう言って駆けつけてくるところから話が始まるというのが定番でした。

伊予の局(母上さま)

足利義満(将軍さま)

外観和尚(和尚さま)

秀念(しゅうねんさん)

哲梅・哲斉・陳念・黙念 (てつばいさん)・(てっさいさん)・(ちんねんさん)・(もくねんさん)

桔梗屋 利兵エ(ききょうやさん)

桔梗屋 弥生(やよいさん)
「一休さん」こぼれ話





気になる最終回は?

一休は今よりもっと厳しい境遇で修行しようかと考え込んでしまい、仕事も上の空の日々が続いていました。そんな一休を見て和尚は「どうやら巣立ちの時がきたようじゃな」とその真意を理解していました。和尚の許しを得て母の元へ向かった一休は母に「修行の旅に出たい」と申し出ます。「寂しくなりますね…でもいつかこういう日が来ると思っていました」と答えた母と一休は最後の晩餐を共にし、親孝行をして一晩を過ごしました。
翌日、いつものように新右衛門に連れられ義満の呼び出しでとんち問答をすることになった一休。義満の問題を「今までの問答の中で、一番難しい問題でございましたよ」と感謝の心をこめて言うのでした。
桔梗屋で自分が写経した経文と引き換えに薬草が欲しいと言う一休。「経文は売らずに自身に使って欲しいのです。」と言い残して去っていきます。新右衛門には薬草を、さよちゃんには父からもらった菊の御紋入りのお守りを渡した一休を見て、新右衛門は一休は別れを告げずに旅に出るのではないかと気づくのでした。
その日の晩、和尚に涙ながらの別れを告げ、寝ている小坊主達に挨拶して安国寺を出た一休の前にさよちゃんが現れます。最初は「行かないで」と泣くさよちゃんでしたが、自分の小袖で作ったてるてる坊主を渡して健気に去っていきます。門の前の階段には小坊主達が待っていて、「俺たちはいつまでもいつまでも、お前の帰りを待ってるからな!」 と秀念に励まされ、駆けつけたさよちゃん達に見送られて一休は涙をこらえて旅立っていきます。
母の庵を背にして別れを決心したその時、背後には新右衛門が待っていました。子供のように泣きだす一休に「解っているでござる。でも、いつかきっときっと、追いかけて行きますからね・・・」とやさしく見送る新右衛門。新右衛門が見送った先には、般若心経が流れ仏門を究める道へ歩んでいく一休の姿が見えるのでした。

明るく楽しいイメージのアニメでしたが、最終回はお坊さんらしくお経で終わるというエンディングのため何となく怖いと感じてトラウマになった人も多いようです。自分の決心が鈍るために周りには知らせず一人で旅立とうとするものの、仲間達に見送られる一休さんの姿は感動ものです。
「一休さん」LINEスタンプの煽りスキルが高すぎると話題に!
2015年9月に発売された一休さんのLINEスタンプが時代のニーズに合ったワードを連発できるとしてネットで大きな話題を呼び、スタンプランキングで1位を獲得していました。



中国でリメイクされ、劇場版「一休さん」が公開された!

2014年4月30日に「一休さん」の劇場版アニメ「聡明的一休之反闘公主」が中国で公開されました。中国では1983年から「聡明的一休(賢い一休さん)」のタイトルで放送され、人気を博していた「一休さん」。ちゃんとライセンス取得済みで、日本版で作画監督を務めた石黒育さんも参加しているという本格的な日中コラボ作品。残念ながら日本では公開されていないようですが、DVDなどで販売されたら見てみたいですね。
探偵ナイトスクープの「一休さんになりたい6歳児」が泣けると話題

2014年9月26日に放送された「探偵ナイトスクープ」で、一休さんのアニメが大好きで「一休さんみたいになりたい!」と言う息子にお寺で修行をさせたいという依頼がありました。男の子の6歳児らしからぬ意思の固さ、親子愛が泣けると話題になりました。
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放送から40年経った今もなお世界中で愛され続けているアニメ「一休さん」。「機転を利かせて物事を解決する」という知恵を使う一休さんのスキルは、コミュ力が求められている現代にこそ見習うべき点が多いかもしれません。