株式会社小学館は、男子小学生向けマンガ雑誌『月刊コロコロコミック』の読者アンケートをもとに、男子小学生のリアルを分析するプロジェクト『コロコロコミック研究所(ラボラトリー)』を発足しました。その一環として、現役の男子小学生を中心に「平成レトロ」に関する実態調査(有効回答数989人)を実施しました。
近年、Z世代や女子小学生の間で「平成女児」カルチャーなどの平成レトロが一大ブームとなっていますが、今回の調査により、その波が男子小学生の間にも確実に広がっていることが明らかになりました。
2人に1人が「親世代の玩具」を体験している
「クラスや友だちの間で、おうちの人が子どもの頃に遊んでいたモノで遊ぶことはあるか」という質問に対し、過半数となる53.8%が「ある」と回答しました。スマートフォンひとつで手軽に最新のゲームが遊べる令和の時代ですが、子どもたちにとって親世代が夢中になった玩具は魅力的な選択肢となっているようです。
実際に遊んでいる玩具の種類を尋ねたところ、票数の割合が2桁を超えたトップ3が判明しました。第1位は「ファミコン」(13.5%)、第2位は「ミニ四駆」(13.0%)、第3位は「DSシリーズ(DS/2DS/3DS等)」(12.7%)という結果になりました。また、4位には「たまごっち」(8.6%)、5位には「ベイブレード」(7.4%)がランクイン。かつて一世を風靡し、現在もリバイバルやシリーズ展開が続いているホビーが上位に食い込んでいます。
不便さや難しさが「逆に新しい」エンタメに
平成の玩具で遊ぶ理由(複数回答)の第1位は、「おうちの人と一緒に遊べるから」(24.5%)でした。親にとっては懐かしく、子どもにとっては新鮮な玩具が、親子の共通の話題やコミュニケーションを深める手段として役立っている様子が伺えます。
続く2位には「見た目やデザインがかっこいい・かわいいから」(20.2%)がランクイン。さらに、「今のモノより難しくて、燃えるから」(8.0%)や「少し不便なのが、逆に新しいから」(5.3%)といった意見も目立ちました。グラフィックが洗練され、親切な設計が当たり前となった現代のゲームに慣れた子どもたちにとって、ドット絵の質感や攻略の難しさ、時には「バグの多さ」さえも、未知の体験であり新鮮なエンターテインメントとして受け入れられているようです。自由回答の中には「今のベイブレードと昔のものを戦わせたい」といった、世代を超えた組み合わせを楽しむユニークな意見もありました。
認知のきっかけは「リアルなつながり」が圧倒的
「おうちの人が子どもの頃に遊んでいたモノを知ったきっかけ」については、1位が「おうちの人」(64.9%)で、2位が「友だち」(10.0%)となりました。親が大切に保管していた現物を見たり、家庭内での会話から知ったりするケースが圧倒的多数を占めています。
一方で、「SNS(X、TikTok、Instagramなど)」をきっかけに知ったと答えた割合はわずか1.7%にとどまりました。現役の小学生男子においては、デジタル上のトレンドよりも、家族や友人、あるいは店舗や『コロコロコミック』の誌面といった「リアルな接点」や口コミが、レトロカルチャーの認知と普及に強い影響を与えていることが分かります。
平成レトロは親子を繋ぐ「未来型カルチャー」へ
『コロコロコミック研究所』の小林浩一所長は、今回の結果について「デジタルネイティブにとって、ドット絵や攻略の難しさは古いのではなく“未知の体験”であり、体験価値の再発見と言えます。スマートフォン一台で完結するエンタメとは異なり、そこには親子で『教え合う』といったリアルな関係性が存在します。平成レトロは単なる懐古ブームではなく、親子の共通言語をつくる『未来型カルチャー』になっているのかもしれません」と分析しています。
かつて平成の時代に少年たちが熱狂したホビーやゲームは、令和の時代において、親子の絆を深める新しいコミュニケーションツールとして進化を遂げているようです。