「YAWARA!」とは?

OPテーマ③「負けるな女の子!」(第82 - 102話)
EDテーマ③「少女時代」(第82 - 102話)
今見ても鮮やかでファッショナブルな服装の柔ちゃんが可愛いOPとED。曲はどれも素晴らしい名曲ですが、個人的にはOPテーマ②「雨にキッスの花束を」とEDテーマ④「いつもそこに君がいた」が特にオシャレで好きでした。
「YAWARA!」のあらすじ

舞台は1989年の日本。新聞記者の松田耕作はある日、ひったくり犯を巴投げで投げ飛ばし去っていく少女を目撃します。スポーツ取材を志望している松田は彼女は日本柔道界の次代をしょって立つ逸材であると記事にします。その少女の名は猪熊柔といい、祖父の滋悟郎オリンピックで金メダルを取るべく祖父の滋悟郎の教えを受け日夜柔道の鍛錬に励む16歳の高校生でした。恋をしたりおしゃれしたりする普通の女の子になりたいと柔道の実力を隠していた柔でしたが、柔を尾行していて不良にボコボコにされていた松田を助けるために再び不良たちを一本背負いで倒してしまいました。
父親に反発し、柔道に消極的な柔にライバルを作ろうと滋悟郎はスポーツ万能の令嬢・本阿弥さやかを柔道の世界に引き込みます。一方柔はイケメン大学生・風祭に魅了されますが風祭はさやかのコーチでした。意に反して柔道で順調に勝ち進む柔とそれを追う松田。二人はいつしか魅かれあっていくのでした。
晴れて短大生となった柔は同じ新入生・富士子とアルバイトをしたりとつかの間の青春を楽しみますが、滋悟郎に見つかってしまいソウルのワールドカップに出場することになり優勝します。父の失踪の原因が5歳の時に自分が投げ飛ばしてしまったことだと知った柔は柔道を辞めようとしますが、富士子が柔道部を結成したことで柔道を続けることになります。
父虎滋郎を探すため旅行代理店関係の就職活動を続ける柔とめきめき実力をつけ戦績を重ねる富士子。鶴亀トラベルに就職した柔は全日本選手権で10ヶ月の山篭りを終えたライバルのさやかを破り、富士子と夢の親友対決の末に勝利します。そうしていくうちにオリンピック選考の女子柔道最終予選が近づいてきます。果たして柔は優勝できるのでしょうか?

柔道は当時まだマイナーで男くさいイメージのスポーツでしたが、「YAWARA!」は可愛くてオシャレな女の子が柔道でのし上がっていくと同時にトレンディドラマのような恋をするという斬新な内容で話題になった浦沢直樹の代表作です。天才的な柔はもちろん、滋悟郎・さやかに富士子など脇役も魅力的な作品でした。
個性豊かなキャラクター

猪熊柔

猪熊滋悟郎

松田耕作

本阿弥さやか

風祭進之介

伊東富士子

ジョディ・ロックウェル
「YAWARA!」のここが凄い!

YAWARA! - ヤワラ! -: 感想(評価/レビュー)[アニメ]
気になる最終回は?

父虎滋郎がさやかを指導しているのを知った柔はショックで会場に向かえず、初の不戦敗を喫します。滋悟郎と虎滋郎とのコーチ同士の親子対決となったオリンピック予選。48キロ級の決勝でさやかと対決することになった柔は封印していた巴投げを繰り出し、右腕を痛めながらも最後には一本背負いでさやかに勝利します。「本当に楽しかったです。また試合をしてくださいね。」とさやかの健闘を称えて取れた差し歯を渡す柔。
仲間達と取材陣に囲まれ、柔は富士子と抱き合って喜びます。富士子も61kg以下級のママさん選手としてバルセロナオリンピックに出場が決まっていたのでした。柔の父虎滋郎は「オリンピックが終わったら家族みんなで会おう」と言い残しコーチとして招かれていたフランスへ向かいました。用意されていた祝勝会に独りでいたさやかの元に風祭が現れ、柔に実力を認められたとはいえ負けて悔し泣きをするさやかに口づけを交わします。
柔の家でどんちゃん騒ぎが行なわれている中、松田のおかげで勝てたと報告する柔。柔に告白し、松田がキスしようとしたその時に障子が破れて滋悟郎たちが現れてうやむやになってしまいます。オリンピックに向けて旅立つ柔を見ながら松田はこれまでの柔との日々を思い出し、柔は松田の言葉を思い出しながら会場へ向かうのでした。

テレビ放送終了時にはバルセロナオリンピックが終了しており、原作ではまだそのシーンが描かれていなかったため中途半端な終わり方だった最終回(124話)でしたが、4年後の1996年にアトランタオリンピックの開催に合わせ、『YAWARA! Special ずっと君のことが…。』として真の最終回が放送されました。
バルセロナオリンピックで金メダルを獲得した柔は国民栄誉賞を受けることになりました。松田はアメリカの支社へ赴任することになってしまい、受賞の瞬間に飛び出した松田は柔に告白しようとするも口ごもってしまいます。大混乱になってしまった会場の中、柔は記者たちをすり抜けて松田と共に空港へ向かいました。
松田が去って涙を流す柔のもとに松田が現れ、ついに「俺・・・君が好きだ。」と告白します。柔は松田の元へ駆け寄って「私も・・・ずっと好きだった!」と答えて抱き合うのでした。

ある日の朝、お弁当作りに精を出す柔。アメリカへ行くため倹約して旅費を貯めるという柔に「アメリカなんぞ自分で金貯めて行かんでも、四年後のアトランタ五輪でいやでも行くことになるではないか!」と反論する滋悟郎。「そうやって遊び呆けとると、アトランタ五輪で金メダルなんぞ夢のまた夢ぢゃぞ!」と喝を入れる滋悟郎をかわして柔は「四年間も待てないの、すぐにでも行きたいの」と朗らかに会社へ向かうのでした。
TVシリーズの最終回は松田が告白できずじまいで中途半端な終わり方でしたが、後のスペシャル放送ではついに二人の思いが結ばれ、相変わらずの滋悟郎と柔の攻防もほほえましい素晴らしい最終回でした。
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現実では誤審で話題になることも多い柔道ですが、「YAWARA!」では誰もがポイントを取りに行く柔道をせず、組み手を真っ向から受けて誰の目にも明らかな完璧な一本を取るという正々堂々とした気持ちの良い試合をしています。恋や友情、成長物語としてもいつまでも色褪せない感動をもらえる「YAWARA!」は不朽の名作です。