ドラマデビューまで
内藤剛志さんはNHKで技術職をしていた父、人形制作をしていた母の間に生まれました。幼少期から両親の意向でピアノや児童劇団に通い、小学生の頃には子役として活動していました。ドラマデビューは1966年の「横堀川」です。
ですが本人はジャズミュージシャンを目指し、飯田ジャズスクールに入るために上京します。ですが入学直後にその道を諦め、日本大学芸術学部映画学科に入学します。この時何があったのかははっきり分かりません。
のちに映画監督となる長崎俊一さんと同じクラスで自主製作の映画などを撮っていました。
その後、1982年頃から本格的にドラマ出演を始めますが、最初は犯人役や悪役ばかりでしかもちょい役が多く、目が出るまでには時間がかかりました。
「ホテルウーマン」
1991年には沢口靖子さん主演の「ホテルウーマン」に出演。
沢口さん演じる神尾柊子は、クイーンズホテルグループの重役の白坂と付き合っていました。ですが白坂には妻子がいます。柊子はニューヨーク留学中に白坂から電話を受け、嫌な予感がします。その後、白坂は自ら命を絶ってしまいました。そして柊子は白坂の子を身ごもっていることに気が付きます。柊子はシングルマザーとして子供を育てつつ、ホテルウーマンを目指します。
内藤さんが演じたのはプラザタカトウ企画部支配人である長沢英一。柊子の上司役ですね。この役を演じたことがきっかけで連続ドラマに数多く出演することになります。
翌年の1992年に放送された「ウーマンドリーム」では裕木奈江さん演じる朝倉利奈をアイドル歌手にしようとスカウトする敏腕マネージャーを演じました。
「家なき子」
1994年には安達祐実さん主演の「家なき子」に出演。
安達さん演じる相沢すずは、実母が入院中で酒浸りで暴力的な父と暮らしていました。この父親を演じたのが内藤さん。一言でいえばクズの役なのですが、元々は画家志望だったのですが才能があったがゆえにつぶされた過去があり、荒れた性格になってしまいました。一度は妻の陽子に捨てられ、復讐のために改心したと見せかけて復縁するのですが、陽子に対する愛情は持っていました。
悟志はすずの養父として接していたのですが実は実父であることを陽子の死後に知ります。改心して働こうとしていたところ、刺されてしまうというところでパート1は終わります。
1995年に放送された「家なき子2」では一命をとりとめていて。すずと同居します。鈴に対しての暴力は減ったものの根本的に変わっていないところがありすずを苦しめていきます。ですがさいごは命を懸けてすずを救います。
「味いちもんめ」
1995年には中居正広さん主演の「味いちもんめ」に出演。原作:あべ善太さん、作画:倉田よしみさんの漫画をドラマ化した作品です。漫画原作ではありますが、原作の設定も取り入れつつ、ドラマオリジナルの要素も多い作品でした。
中居さん演じる伊橋 悟は料理学校を首席で卒業し、自信満々で料亭「藤村」に入ります。最初はまじめに仕事をしない男でしたが、プロの世界を知って改心し時には同僚や先輩とぶつかり合いながら成長していく物語です。
内藤さんは料理場の責任者である立板の坂巻 勝男を演じています。仕事には厳しいけれど、仕事が終わればよい兄貴分でみんなに慕われているという役柄でした。
「味いちもんめ」は人気ドラマとなり、ブランクはありつつも2013年まで放送されていますが、内藤さんもすべてのドラマに出演しています。
そして内藤さんは1995年1月の「味いちもんめ」から、2001年9月の「金田一少年の事件簿」まで27クール連続で連続ドラマに出演し続けます。6年9か月・81か月連続でこれは日本新記録でした。
しかも1クールでドラマを掛け持ちしていることもあったんです。どれだけ忙しかったんだろうか想像もつかないほどですよね。
「人生は上々だ」
1995年10月には「人生は上々だ」に出演します。こちらは浜田雅功さんと木村拓哉さんが主役。
浜田さん演じる借金の取り立てをしているがどこかお人好しなところがある内藤 八郎と、定職に就かずギャンブルに明け暮れているが実はトラウマを抱えている若者・大上 一馬(木村さん)の借金取りと借金に追われる男の間に芽生えた奇妙な友情を描いたドラマです。
内藤さんは八郎が務める町の金融会社の社長多田 公平を演じています。いわゆるやくざ者です。部下の失敗や裏切りは絶対に許さないという執念深い一面のある役柄でした。
「君といた未来のために 〜I'll be back〜」
1999年には堂本剛さん主演の「君といた未来のために 〜I'll be back〜」に出演。
堂本さん演じる堀上篤志は人生をやり直したいと思っている大学生。1999年から2000年に変わる時、謎の流星群がやってきて心臓が止まります。が、再び目が覚めると1995年12月23日に戻っていました。
望み通り人生がやり直せるようになった篤志は、違う人生を生きようとするのですが、また2000年になる瞬間に1995年まで戻ってしまいます。いわゆるタイムリープですが5年間は長いですよね。
タイムリープを繰り返すうちに同じくタイムリープしている仲間にも出会い、タイムリープを止める方法を探っていくという物語。
内藤さんは篤志の父親を演じています。ですが息子とは不仲でした。
その後も内藤さんは数々のドラマに出演。父親役、同僚役、悪人、ダメ人間、兄貴分と演技の幅が広いので様々なドラマに出演されていましたよね、「連ドラの達人」という異名も持っていたほどです。
この頃ほどではないですが現在もドラマに出演し続けている内藤さん。お体に気を付けてこれからも頑張ってほしいですね。