ピッチ、使ってた?今思えば不便なこともあったPHSの機能

ピッチ、使ってた?今思えば不便なこともあったPHSの機能

ピッチの愛称で親しまれていたPHSを昔使っていた人も多いと思います。今思い返してみると不便なこともなかなか多かったですよね。PHSの機能や歴史を振り返ってみました。


PHSの誕生

PHSは「Personal Handy-phone System」の略で1995年に登場しました。パーソナルハンディフォンシステム ということで個人で使える気軽な電話、という感覚でしたよね。
最初に発売したのはNTTパーソナル(当時)とDDIポケット(当時)です。

まだまだ携帯電話は高級品だった時代なので、学生で持っている人は少なく、ポケベルを使用してる人が多かったです。そんな時に手軽なPHSが登場し、ポケベルから切り替える人も多かったです。

PHSは固定電話の回線を利用して通信を行っていました。半径500m程度をカバーするアンテナを設置し、PHSからアンテナまでは無線、その後は固定電話の有線を使うというシステムですね。基地局が小型で多数設置する必要があったので都市部では普及していましたが、地方では電波が届かないことが多かったですね。

反対にPHSは地下に強いという面も持ちました。首都圏で生活する分にはPHSで全く問題なかったですが、大学で出会った地方出身の友達は携帯派が多かったです。

また、当時は携帯電話の通話品質が悪く、PHSの方がクリアに通話できたため、仕事で活用する人も多かったです。それぞれ得意分野が違うので二台持ちしている人もいましたね。

最初はPHS←→携帯電話間の通話ができなかった!

今思えば本当に考えられないことなのですが、発売当初、PHSと携帯電話間の通話はできませんでした。1996年に相互通話が可能になるものの、料金はかなり割高になってしまいました。PHS間の通話、固定電話への通話、携帯電話への通話で料金が違ったんですよね。

私もPHSを持っている時、携帯電話の友達には家電からかける、などの方法を取っていました。

ですが頻繁に連絡を取るにはそれでは不便なので、家族や友人同士で携帯電話にするか、PHSにするか合わせて使っていました。やはり安価なPHSの方が購入しやすいのでPHSが急速に普及していったのです。

1997年にはメッセージ機能が登場!

1997年にはドコモからメッセージを送れる機能が登場します。当時はまだ携帯電話にはメール機能がなく、PHSならではの機能でした。

1件10円、そして文字数も20文字程度と限られていましたが気軽にメッセージが送れるのがよかったですよね。といっても、10円かかるので今のLINEほど気軽ではなかったですが。

そして初めの方はもちろん漢字入力などはなく、カタカナのみ。ポケットベルに近い感覚でしたよね。機種によっては固定電話からもポケベルのようにメッセージを送ることができました。

DDIのPメール、アステルのAメール、モジトークと他の会社の機種にもメッセージ機能が付きますがこれまた「同じキャリアじゃないとメッセージが送受信できない」という問題がありました。

ですから携帯やPHSを持つとき、どちらにするか、どの会社にするかで悩んだものです。誰と同じにするかで悩むわけですから今思うと恐ろしい。その代わり、同じキャリアのPHSを使っているとそれだけで親近感が芽生えるというのもありましたね。今ではどの会社だろうと特に関係がなくなっていますもんね。

DDIならテレネームで無料でメッセージ送信!

当時、DDIポケットには「発信テレネーム」という機能がありました。発信者の名前を知らせるために通話と同時に最大19文字の言葉を送ることができました。テレネーム対応機種でしか使えないのですが、この機能を使って無料でメッセージのやり取りができたのです。

メッセージを入れて相手に電話、ワン切りし、メッセージを残すのです。メールが10円の時代ですから、タダでメッセージを送れるのはうれしいですよね。通称「ただベル」とも呼ばれていました。ただし、相手が間違えて電話に出てしまうと通話料がかかってしまい痛手になります。

これは企業では想定していなかった使い方だったそうですが、若者の間で1998年夏ごろに広まりました。このメッセージのおかげで回線がパンクすることもあったそうでDDIが捜査を行い、無料でメッセージのやり取りがされていることを知ったわけです。

そして1999年7月には、テレネーム機能は使用できなくなりました。

短い期間の話ですが印象に残っています。思い返せばまさに1998年に使っていました。

「DX」になりキャリアを超えたメッセージ交換が可能に!

そして、1998年にはメール機能が進化!

NTTはきゃらトーク、DDIはPメールDX,アステルはAメールプラスとなり、漢字なども送れるようになります。ただしこちらも最初は異なるキャリアへの送信ができず、のちに共通化します。

またメッセージはセンターを経由して送られるのでなかなか届かないこともあり「センター問い合わせ」をしましたね。これをやってメッセージが来ていないとちょっと凹みました。

その後、携帯電話にもメール機能が付きますが最初は相互やり取りができず、だんだんとすべてが共通化していきます。

PHSの衰退

PHSの契約件数のピークは1997年でした。2000年になると、インターネット機能やカメラ機能などが付きどんどん便利になっていきます。シンプルで手軽な電話から変わっていったんですね。

一方、携帯電話も進化していき機能性は上がり、料金は下がっていきました。回線も安定し、通話品質も良くなったのでPHSから携帯電話に移行する人が増えていったのです。

先ほどからたびたび出てくる、キャリアが違うと不便だった、PHSと携帯電話間のやり取りが不便だったというのがなくなりすべてがフラットになっていきます。

友達とキャリアを合わせる必要もなくなったことも手軽に携帯電話に機種変更していった要因の一つでしょう。

個人利用は減っていき、2021年にサービスが終了していますが、会社内などで使える構内PHSは当面の所サービスが続きます。範囲の広いコードレスフォンという感じですね。PHSの電波は微弱なので特に病院などでは重宝されていますよ。

手にしたときはとても嬉しかったPHSですが振り返ってみると結構不便でしたよね。でもそんな時代も懐かしい思い出です。

関連する投稿


レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム関連の復刻・配信ビジネスなどを行うD4エンタープライズが運営するレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」にて、新規コンテンツ『トラぶるCHASER 第1話 トラブルは空から未来から(PC-9801版)』『3Dテニス(MSX版)』の配信がスタートしました。


抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

高校時代からモデル活動を始め1986年に「カネボウ・スイムウエアイメージモデル」として脚光を浴びた広田恵子さん。現在は家族で〇〇を組んで活動している・・・。


「おかあさんといっしょ」の『にこにこ、ぷん』が令和に復活!公式YouTubeチャンネル開設&グッズ展開決定!!

「おかあさんといっしょ」の『にこにこ、ぷん』が令和に復活!公式YouTubeチャンネル開設&グッズ展開決定!!

NHK「おかあさんといっしょ」の人形劇コーナーとして1982年から1992年までの10年間にわたり放送され、累計2,000話以上の物語が制作された人気シリーズ『にこにこ、ぷん』が、令和の時代に新たなかたちで帰ってきます。


「世界・ふしぎ発見!」のミステリーハンターも務めた女優『ジュリー・ドレフュス』!!

「世界・ふしぎ発見!」のミステリーハンターも務めた女優『ジュリー・ドレフュス』!!

1991年3月にミステリーハンターとして登場されると出演回数8回で、出演回数ランキング33位となるジュリー・ドレフュス さん。2013年出演のドラマ「老舗旅館の女将日記」を最後にメディアで見かけなくなり気になりまとめてみました。


創刊20周年特集は過去20年間の国内ソフト売上ランキング!ゲーム業界のデータ年鑑「ファミ通ゲーム白書 2025」が発売!

創刊20周年特集は過去20年間の国内ソフト売上ランキング!ゲーム業界のデータ年鑑「ファミ通ゲーム白書 2025」が発売!

角川アスキー総合研究所より、国内外ゲーム業界のデータ年鑑『ファミ通ゲーム白書2025』が発売されます。発売予定日は8月7日。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。