トビー・マグワイアとは

トビー・マグワイア(Tobey Maguire)は、1975年6月27日生まれカリフォルニア州サンタモニカ出身の俳優・映画プロデューサーです。当時20歳と18歳だった両親は彼が2歳の時に離婚。貧しさのあまり追い詰められた父親が銀行強盗で逮捕されると、幼い弟たちを養うために学校を中退し、演技力を武器にハリウッドを目指したことが、本格的に俳優業を志すキッカケでした。
子役時代
こうして10代から子役としてキャリアをスタートさせたトビー・マグワイアは、ノンクレジットながらもロードムービー『スウィート・ロード』(1989年)でスクリーンデビューを果たすと、1992年に放送されたテレビシリーズ『Great Scott!』で注目され始めます。

その後も若き日のリース・ウィザースプーンと共演したファンタジー映画『カラー・オブ・ハート』(1998年)や、マイケル・ケインやシャーリーズ・セロンらと共演した『サイダーハウス・ルール』(1999年)でも高い評価を受けました。
ターニングポイントはスパイダーマン!

そしてトビー・マグワイアがハリウッドスターとしての地位を確立させた作品といえば2002年、マーベル・コミックの同名キャラクターをベースにしたスーパーヒーロー映画『スパイダーマン』です。彼はこの作品で主人公のピーター・パーカー/スパイダーマンを演じ、人気を不動のものにしました。サム・ライミが監督した同シリーズは三部作として、2007年に公開された『スパイダーマン3』まで続き、いずれも世界中で大ヒットを記録しましたよね。
またシリーズ第1作目から生まれたピーターとヒロインMJ(演:キルスティン・ダンスト)による「逆さまキス」は映画史に残る名シーンの1つであり、「スパイダーマンキス」と呼ばれる代名詞に!これまでに『アメイジング・スパイダーマン』や『スパイダーマン:ホームカミング』など多くの「スパイダーマン」シリーズが誕生しましたが、その元祖となるトビーの初代スパイダーマンは、今もなお高い人気を誇り愛され続けている唯一無二の存在です。
主な出演作
そんなトビー・マグワイアの「スパイダーマン」シリーズ以降に出演した主な作品がこちら!
シービスケット

シリーズ最初の『スパイダーマン』に出演した後の翌年に主演した『シービスケット』(2003年)は、ローラ・ヒレンブランドの同名小説を原作に、1930年代のアメリカに実在した競走馬シービスケットと、それを取り巻く男たちの物語です。トビーは本作で主人公のレッド・ポラードを演じたほか、製作総指揮も担当しました。第76回アカデミー賞では7部門にノミネートされるなど、ここからプロデューサーとしての才能も発揮し始めます。
マイ・ブラザー

2009年に公開された『マイ・ブラザー』は、サム・ライミ監督版スパイダーマン三部作を演じ終えたトビー・マグワイアの名演がキラリと光る人間ドラマです。同作はデンマーク映画『ある愛の風景』(2004年)のハリウッド・リメイク版で、主演を務めたトビーは幸せな家庭を築きながらもアフガニスタンの戦地へ出征しなければならない米軍大尉のサム・ケイヒル役を見事に好演し、ゴールデングローブ賞主演男優賞(ドラマ部門)にノミネートされました。
愛する夫が戦死したとの報せが届き絶望する妻のグレース(演:ナタリー・ポートマン)、そして悲しみに暮れる彼女を見て助けになろうと努力するサムの弟トミー(演:ジェイク・ジレンホール)。いつしか2人は親密になっていきますが、そこへ死んだはずのサムが戻ってきたことで、複雑に絡み合う3人の関係性に、何とも言えない切なさがこみ上げてくるのです。
華麗なるギャツビー

F・スコット・フィッツジェラルドの小説を基に映画化された『華麗なるギャツビー』(2013年)では、『ボーイズ・ライフ』(1993年)で共演して以来の大親友レオナルド・ディカプリオとの再共演を果たし、トビーはこの作品でレオ様演じる謎めいた大富豪ジェイ・ギャッツビーの隣人で、作家志望の青年ニック・キャラウェイ役を演じました。
トビー・マグワイアはいま何してる?
ここ10年近くは俳優引退とまではいかなくとも主に映画制作に重きを置き、自身の出演作については演じたい役と出会ったなら、といった感覚のトビー・マグワイア。2021年に公開された『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で久々に同シリーズへ復帰した際には、ファンを大いに喜ばせましたよね。

そしてこれまでにトビーが制作に携わった作品は『25時』(2002年)、『カントリー・ストロング』(2010年)、『ハングリー・ラビット』(2011年)、『ロック・オブ・エイジズ』(2012年)、『パーフェクト・プラン』(2013年)、『完全なるチェックメイト』(2014年)、『死の谷間』(2015年)、『フィフス・ウェイブ』(2016年)、『ベスト・オブ・エネミーズ 〜価値ある闘い〜』(2019年)、『ブリタニー・ランズ・ア・マラソン』など多数。
最新作となるブラッド・ピット、マーゴット・ロビー主演のドラマ映画『バビロン』では、出演者兼エグゼクティブ・プロデューサーを務め、2022年12月25日にパラマウント・ピクチャーズより公開予定です。またApple TV+にて配信予定のアンソロジー・ドラマシリーズ『Extrapolations(原題)』への出演も決まっており、同作は名優メリル・ストリープやエドワード・ノートン、マリオン・コティヤールら豪華メンバーのキャスティングもアナウンスされている話題作。ここにきてようやく俳優トビー・マグワイアの活躍を目にする機会が増えてくるかもしれませんね。
私生活について
若い頃はヤンチャに遊び回っていた時期もあったようですが、2003年より当時ユニバーサル・ピクチャーズの社長兼CEOだったロン・メイヤーの娘で、ジュエリーデザイナーとしても知られるジェニファー・メイヤーと交際を始めてからは彼女一筋。翌年の4月に婚約し、同年11月には長女のルビー・スウィートハートが誕生。2007年9月に挙式しました。
2009年には長男のオーティス・トバイアスが誕生しましたが、2016年離婚。破局の理由は家を好むトビーと、社交的で友達付き合いの多いジェニファーとの性格の不一致だったといいます。しかし離婚後も良好な関係を保ちながら2人の子供たちの親として一緒に子育てを行なっている模様です。