ドラマデビューまで
西村雅彦さんは高校を卒業後、「劇団文化座」に所属します。その後、三谷幸喜さんに出会い「東京サンシャイン・ボーイズ」に所属。1989年から劇団の公演に出演していました。
そしてドラマも三谷幸喜さんの作品に多く出演していますよね。ドラマデビューしたのは1990年。
「やっぱり猫が好き殺人事件」でした。
ドラマに出演し始めても舞台中心でしたが1994年に東京サンシャイン・ボーイズが充電期間に入ったことからドラマをメインに出演するようになっていきます。ちなみに劇団は30年の充電期間を経て、2009年に新作を公演したのですが、その後再び充電期間に入りいます。
「15年の充電期間に入ります」というアナウンスがあったので、その通りならそろそろ復活ですがどうなんでしょうね。
「振り返れば奴がいる」で注目を集める
1993年には三谷幸喜さんが本格的にテレビドラマの脚本を書くきっかけになったドラマ「振り返れば奴がいる」に出演しました。
主演は織田裕二さん。織田さん演じる、腕は天才的だけど傲慢で私利私欲のためなら何でもするという司馬 江太郎と石黒健さんが演じる、人当りがよく正義感あふれる医師、石川 玄の対立を描いたドラマでしたね。
三谷さんらしい作品ではないなと思われるかもしれませんが、元々は他の脚本家に決まっていたのですが急に降板し、三谷さんは医者物は分からないからと断ったのですがそれでもいいからと言われて引き受けたそうです。医療ドラマの名作「白い巨塔」のオマージュでもある作品です。
西村さんが演じたのは同じ病院に勤める主任医師、平賀。司馬が自らの保身のために利用し、副主任に降格させられます。それでも司馬に取り入っていたのですが罪を擦り付けられ解雇されます。
実はこれで出番は終わりの予定だったのですが、急遽司馬が最後に死ぬことになり、最終回の最後に司馬を刺すことになります。
私はこのドラマで西村さんを知ったので「最後に織田裕二を刺した人」と家では呼ばれていました。三谷さんは「悪者にしてしまい悪いことをした」と話しているそうですが、これで有名になったのですから悪くないですよね。
「古畑任三郎」でブレイク!

「振り返れば奴がいる」出演後、「チャンス」、「じゃじゃ馬ならし」、「夏子の酒」などのヒット作に出演します。
そして1994年から「古畑任三郎」シリーズに出演。主人公の古畑の部下、今泉慎太郎を演じています。単純でおっちょこちょいの性格で、役には立たないのですが今泉の行動がヒントになり、古畑が事件を解決することも多いです。
この役がブレイクしすぎて、西村さんといえばコミカルな役というイメージになっている人も多いのでは。
全シリーズに出演していますが、第3シリーズから西園寺守(石井正則さん)が部下として登場するため、出演は少し減り、自律神経失調症で休職するという設定もありました。
今泉のキャラがブレイクし、1996年に「巡査・今泉慎太郎」、2004年に「今泉慎太郎 大空の怪事件」という今泉が主役のシリーズもありました。
「王様のレストラン」「総理と呼ばないで」と三谷作品に欠かせない存在に!

その後も西村さんは三谷さんの脚本作品に数多く出演。
1995年には、 松本幸四郎さん主演の「王様のレストラン」に出演。西村さんは筒井道隆さん演じるオーナーの腹違いの兄で総支配人の水原 範朝を演じました。
妻がいたのですが、バーテンダーの三条 政子と不倫関係にあり、店内でも一緒にいる姿が多かったです。10話の時点で妻とは離婚。最終話では政子と結婚し、政子は「マダム」と呼ばれていました。
1997年には「総理と呼ばないで」に出演。こちらも主演は田村正和さん。西村さんは有能な首席秘書官を演じています。一方総理婦人(鈴木保奈美さん)に淡い恋心を抱き、官邸事務所秘書係主任(戸田恵子さん)からは思いを寄せられるという一面もありました。
同じ年の「竜馬におまかせ!」では清河八郎を演じています。
「TEAM」では草彅剛さんとコンビに!

1999年には草彅剛酸主演のドラマ「TEAM」に出演。
少年犯罪を描いたドラマで、草彅さん演じる文部省に所属する風見勇助と、西村さん演じるたたき上げの刑事丹波肇がコンビを組んで少年事件の捜査に当たるというストーリーでした。
丹波は加害少年性悪説で、性善説を説く風見とは言い争いが絶えないのですが、意見をぶつけ合うことで事件の真相に迫っていきます。この作品ではシリアスでクールな役でしたね。
少年事件をかなりリアルに扱っていて、基本的に1話完結ですがハッピーエンドでは終わらないエピソードも多かったです。
このシリーズは人気になり、連ドラ終了後も4度のスペシャルドラマが放送されました。
「やまとなでしこ」ではお金持ちの医者に
2000年には「やまとなでしこ」に出演。
松嶋菜々子さん演じる神野 桜子と、堤真一さん演じる中原 欧介の出会いのきっかけになる合コンを開いた人物・佐久間 為久を演じました。
欧介の大学時代からの親友で外科医で、妻がいるのですが合コンが好きで妻には尻に敷かれています。ニューヨークの医学学会への出張からの帰りの飛行機で桜子に出会ったことがきっかけで合コンをすることになります。
西村さんの出演作品を振り返ってみると、コミカルな役だけでなくシリアスな役も多いですし、やまとなでしこではまた違った役どころでしたね。
現在も数々のドラマに出演されているので今後の出演も楽しみです。