日本をアッと言わせたザ・フォーク・クルセダーズは1年だけのプロ活動だった

日本をアッと言わせたザ・フォーク・クルセダーズは1年だけのプロ活動だった

ザ・フォーク・クルセダーズは、1960年代後半にデビューした音楽制作集団です。1965年、当時大学生だった加藤和彦が、雑誌の読書欄でメンバーを募集。北山修をはじめとして5人が集まりました。アメリカの「ジャズ・クルセイダーズ」をもとに名前を付け、「世界中の民謡を紹介する」というコンセプトの「ザ・フォーク・クルセダーズ」が結成されたのでした。


自主制作盤のアルバム

まずは5人でスタートしたザ・フォーク・クルセダーズでしたが、大学生や高校生だったこともあり、なかなか落ち着ての活動ができませんでした。メンバーの脱退や復帰が繰り返しあって、結局3人のグループとして関西のアンダーグラウンドシーンで活動します。

アマチュアで活動をしていたザ・フォーク・クルセダーズは、1967年に解散をするのですがその解散を記念して、自主アルバム「ハレンチ」の製作にかかります。しかし制作費が23万円しかなかったため、作られたのは300枚のみでした。それでも、収録曲の中には、後に伝説の大ヒットとなった「帰って来たヨッパライ」とずっと歌い続けてきた「イムジン河」が含まれていたのです。

一年限りのプロ活動

1967年に制作されたアルバム「ハレンチ」は、ラジオで取り上げられさかんに流れるようになっていました。京都では「イムジン河」が人気となり、神戸では「帰って来たヨッパライ」が頻繁にラジオから聞こえるようになったのです。そしてこの状況に素早く反応したのが各レコード会社。解散したザ・フォーク・クルセダーズに対して、再結成とプロデビューの話を持ちかけたのです。

当初この話に、加藤和彦は反対していました。しかし北山修が説得をして一年だけならとOKし、ここに一年限定のプロ活動をするザ・フォーク・クルセダーズが再結成されたのです。プロデビューに当たって、残っていたのは加藤和彦と北山修の2人だけ。そしてここからはしだのりひこが参加し、新生となる3人グループのザ・フォーク・クルセダーズが誕生したのでした。

関西のラジオから火が付いた「帰って来たヨッパライ」は、1968年に開始されたオリコンにおいて史上初のミリオンヒットになり、当時の和製バンドとしてはシングル売り上げで一位となる爆発的な社会現象を起こします。一躍3人は時の人になり、「帰って来たヨッパライ」や「悲しくてやりきれない」などの楽曲が入ったアルバム「紀元貮答え年」も発売、大衆音楽に新たな風を吹き込んだのです。そして1968年10月17日、大阪でのさよならコンサートを最後に約束通り解散となりました。最後のシングル曲になったのが五木寛之が作詞した「青年は荒野をめざす」で、解散後の1968年12月に発売されるのですが、累計の売上は、14億5000万円にもなったとか。

活発だった解散後の動き

このなんともアンニュイなザ・フォーク・クルセダーズがブレイクしたことで、周囲にいた同じような人やグループたちが世に出るきっかけになったのです。その一方で、当のザ・フォーク・クルセダーズの3人は、離合集散を繰り返しながら独特の音楽活動を継続していきます。

加藤和彦はソロに転向して活動をしていましたが、サディスティック・ミカ・バンドを結成することになります。そしてあの名曲、加藤和彦と北山修がコンビで作った「あの素晴しい愛をもう一度」の発表もありました。

解散後の北山修は作詞家として大成功しますが、在籍していた大学の医学部を卒業します。その後、研修医を経て大学院への進学をすることでしばらく活動は中止していました。後に大学教授にまでなったこともあり、あくまで学者としての活動を主とし芸能活動は従のスタンスを取っています。

はしだのりひこにおいては、「はしだのりひことシューベルツ」・「はしだのりひことクライマックス」・「はしだのりひことエンドレス」などの結成と解散を繰り返した後にソロ活動となっています。その間、杉田二郎や坂庭省悟などを世に出すきっかけになったのですが、その後はフォークルファミリーとは一線を画し独自の活動を行っていました。

新結成記念解散音楽會

2002年のこと加藤和彦と北山修は再会を果たし、その時に「戦争と平和」を作り上げます。この年の11月17日、一度きりのコンサートとなる「新結成記念解散音楽會」がNHKホールで開催されます。この時のフォークル新結成には、THE ALFEEの坂崎幸之助が、はしだのりひこに代わるメンバーとして参加しました。そして北山修は、国立大学の教員という身分であったので、「愛情出演」という形でこのコンサートに出演しています。

この一度きりのコンサートに際して、加藤たちはアルバム1枚とシングル1枚を発表しています。ただ当初より期間限定の新結成だったため、2002年12月31日をもって解散、解散後に前述のコンサートライブ盤が発売されました。

加藤が怒って戻って来る

加藤和彦がこの世を去った後の2012年、北山と坂崎は加藤が絶対するなと遺書に残した追悼を行い、新作アルバムの制作に着手します。これは、北山修の自宅で加藤和彦の未発表曲が見つかったためで、加藤のソロ曲や過去のフォークルにおける北山&加藤コンビの作品がカバーされてレコーディングを行いました。

ここにザ・フォーク・クルセダーズ名義のアルバム「若い加藤和彦のように」が制作され誕生し、翌2013年の3月30日に発売されたのです。選曲のテーマは、「これをやれば加藤が怒って戻って来るだろう」というもの。これには、北山修たちの自死した加藤和彦への抗議の意味も込められているのでしょう。これに先駆ける格好で、1月から3月にかけての間、坂崎幸之助の番組や北山修のライブステージなどで一部の曲が公開されています。

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