俳優デビューまで
西島秀俊さんは東京都八王子市生まれ。映画好きのお父さんの影響で幼少のころから映画をよく見ていて、映画界に興味を持っていました。
高校時代はバスケットボール部に所属したり、バンドを組んでギターを担当したりしていました。特に演技をしていたわけではなかったんですね。元々は、撮影所のスタッフに興味を持っていて、裏方として映画にかかわりたいと考えていたそうです。
ですが、19歳の時に高校の先輩のすすめでオーディションを受けることになります。そこで合格したためそのまま俳優の道に進むことになったのです。オーディションを進められていなったら俳優ではなく、監督などになっていたかもしれないのですね。
1992年、大学在学中で21歳の時にテレビドラマ『はぐれ刑事純情派5』でドラマデビューします。新人刑事の役でドラマ初出演にしてレギュラーだったのでそのまま半年間出演していました。
1992年にはほかにも「北の国から'92 -巣立ち-」、「〜悲しいほどお天気〜」、「木曜日の食卓」などに出演しました。デビューした年にちょい役も含めてですが7本のドラマに出演しているんですよ。これは注目されているからと言えますよね。
お願いダーリン!
西島さんは1993年になってからも数々のドラマに出演。
ボクたちのドラマシリーズの「お願いダーリン」にも出演されていました。こちらは高橋由美子さん演じる中山香織が、自分の通う高校の教師で部活の顧問である福原啓介(森脇健司さん)とナイショの結婚をしていて、周囲にばれないように学園生活を送っていくというラブコメディです。
西島さんは香織が親友の梢の頼みでディスコに行った時に出会った大学生役。香織を好きになり猛烈にアプローチしていくというナンパな役でした。香織を「ハニー」と呼ぶなど今のクールな西島さんのイメージからは程遠い役ですね。若さがあふれています。
悪魔のKISS
1993年7月期にはフジテレビ系「水曜劇場」で放送されていた「悪魔のKISS」にも出演していました。サザンオールスターズの「エロティッカセブン」が主題歌でエロティックなドラマで注目を集めましたよね。
主演は奥山佳恵さん、深津絵里さん、常盤貴子さんの3人。中学の同級生だった3人の女性がそれぞれ風俗地獄、宗教地獄、借金地獄に落ちていきながらも自分の道を見つけていくという物語。
あまりにも過激なシーンが多いため、DVD化などはされていないのですが人々の記憶に残る衝撃的なドラマでしたよね。
西島さんは深津さん演じる朝倉幸子の同僚・佐渡研を演じています。沢渡は既婚者なのですが幸子は沢渡に惹かれていきます。そして新興宗教「まごころの家」に勧誘され入信してしまいます。沢渡も幸子に惹かれていて泥沼の三角関係に。離婚を申し出て幸子と一緒になろうとするのですが、妻が自殺未遂をして下半身不随になったことで白紙に戻ってしまいます。なかなかの役どころですね。(ちなみにこのドラマは3人それぞれにこのくらいヘビーな出来事があります)
ちなみに1年後に幸子に再会した時には妻と離婚していて、食事の約束をします。
あすなろ白書

若い頃の西島さんといえば、「あすなろ白書」を思い出す人も多いでしょう。こちらも1993年の作品。
「あすなろ会」というサークルのメンバーである男女5人の恋愛模様を描いたドラマですね。西島さんは財閥の御曹司で、容姿端麗でポルシェに乗っていて、音楽の知識にたけているという松岡 純一郎役。
じつは同性愛者で筒井道隆さん演じる掛井保をひそかに思っていました。5人の中で鈴木杏樹さん演じる東山 星香 だけが同性愛者だということを知っていて心許し合う存在になります。
クリスマスイブに掛井への思いが抑えきれなくなり、告白。ですが園田なるみ(石田ひかりさん)からの掛井宛の手紙を渡さなかったことで罪悪感を感じているところトラックと衝突事故を起こし亡くなってしまうという役どころでした。
当時は同性愛を描いた作品など珍しかったのでなかなか衝撃的でしたよね。
大河ドラマ「毛利元就」
1997年には大河ドラマ「毛利元就」にも出演しました。
元就の異母弟相合元綱役。側室の子であることから元就にコンプレックスを抱いていて、元就が家督を継いだ時には謀反を起こします。そこで返り討ちにあい、亡くなってしまうという役どころでした。のちに元就が3本の矢の話をするきっかけにもなっています。
大河ドラマにはのちに2013年に「八重の桜」にも出演しました。こちらは八重の兄山本覚馬を演じています。どちらも主人公の兄弟役だったんですね。
1998年からは干されていた?
1990年代前半は数々のドラマに出演してきた西島さん。若手俳優として人気があったのですが、アイドル俳優として売り出したい事務所と、本格的な映画俳優を目指したい西島さんとの間に方向性の違いがあり、事務所を移籍します。
ですから1998年から2002年までは民放のテレビドラマに出演していなかったのです。干されたという人もいますが、今までのイメージを一新したいという気持ちがあったのでしょうね。その間は映画でキャリアを積んでいき、再びドラマに出演した時にはまた違う印象になっていました。
そして2010年ごろに再ブレイクしたという訳です。これからの西島さんの作品も楽しみですね。