西部警察、過激なシーンは潤沢な資金があってこその話

西部警察、過激なシーンは潤沢な資金があってこその話

1979年より放送され大ヒット番組になった「西部警察」。このタイトルは「西部劇をイメージするような刑事ドラマ」というコンセプトから来ているそうです。放映開始時に流れていたテレビ朝日の番組広告には、「コンクリート・ウェスタン」と付記されていました。コンクリートとは、現代的な都市を比喩したもので、マカロニ・ウェスタンに似たような語からの連想だそうです。


超人気刑事ドラマ大都会が終了

各放送局で、人気番組を立てていた火曜日の21時枠。日本テレビ系では、1976年より「大都会」が放送され、高視聴率をマークしていました。しかし、PARTIIIを最後に、日テレは内部的な事情から続行を断念、シリーズの終盤近くになっても平均視聴率20%を超える人気だったのですがシリーズの終了が決定したのです。

大都会から西部警察に

「西部警察」は「大都会」に続く、石原プロモーション製作による刑事ドラマです。ど派手な銃撃戦やカースタント、さらには巨額の費用を使った爆破シーンなどが大人気となりました。そんな人気が続き、放送期間も5年に及ぶ長期シリーズとなっています。製作は「大都会」のレギュラーキャストの他、スタッフ陣の大半も引き継いぐことに。日テレから朝日へと放送局は変わりましたが、どう見ても「大都会」の後継シリーズ。その他で変わったのが放映時間。21時から20時に繰り上がったことで、スーパーマシンや少年を主役とするようなエピソードも増やし、「大都会」より視聴者層を若年・ファミリーを狙った内容になっています。

当時の石原プロモーションは、「大都会」よりスケールを拡大した作品を望んでいました。日テレの撤退が現実化する中で、テレビ朝日から広告代理店を介さないという破格の条件が提示されます。石原プロモーションとテレビ局の直接契約となる訳です。このことをきっかけにして、石原プロモーションは日テレでのドラマ制作から撤退。本作の設定・キャスト・スタッフを横滑りさせた風の新シリーズとなる「西部警察」の製作を発表したのです。

西部警察署捜査課

凶悪犯罪が多発している東京の城西地区、渋谷区・港区・新宿区・目黒区一帯を管轄しています。西部警察署捜査課で働く刑事たちは、選りすぐりの猛者ばかり。大門圭介部長刑事(渡哲也)率いる「大門軍団」は、多くの犯罪者から恐れられていました。また、逆に相手にとって不足のない挑戦するべき標的としても名を轟かせていたのです。強靭な意志と軍団の強い絆で武装した「大門軍団」を見守るのは、捜査課長の木暮謙三警視(石原裕次郎)。木暮警視指揮の下、様々な最新テクノロジーを搭載したスーパーマシンを駆使して巨悪に立ち向かう爽快な刑事ドラマです。

莫大な製作費の捻出

「西部警察」では、激しい銃撃戦や豪快なカーチェイス、更には爆破シーンが毎回のように盛り込まれています。当然に、多額の制作費が必要となりますね。その主要資金源となるのは、他の番組同様にスポンサー収入となりますが、「西部警察」の場合はそのスポンサー収入が通常のものとは異なっていたのです。民放で放送する場合、ほぼ全ての番組でスポンサーと局の間に広告代理店が入ります。これまでは、介在も自由にできて番組内容にも注文がつけられます。更にスポンサー料の10%〜20%が手数料として払わないといけません。

莫大な製作費が必要な「西部警察」、石原プロモーションは増収のためにテレビ局との直接契約という斬新な手法を利用したのです。この場合、広告代理店からの手数料搾取はなくなり、その分を制作費にまわせます。放送局が日本テレビからテレビ朝日に変わったのは、テレビ朝日側がこの契約手法を石原プロモーションに提示したためだったのでした。

石原慎太郎氏の手腕

ただ、石原プロモーションだけでは、広くスポンサーを確保することはできません。そのため石原プロモーションは、東急エージェンシーにスポンサーとりまとめなどの業務を委託したのです。これによって、広告代理店が取る手数料やメディア企業に渡る費用など、本来制作側だけでは関係できない部分にも関わることができるようになりました。このような経緯で、電通か博報堂が一手に握っていた時間枠を、東急エージェンシーが持つ事になります。この手法を裏方で支援していたのは、石原裕次郎の兄である石原慎太郎でした。石原慎太郎の助力のあって、石原プロモーションは長期番組のヒットによって、30億円の資産を形成することになったのです。

関連する投稿


渡哲也、舘ひろし、神田正輝…石原軍団が集結!伝説のポリスアクション「ゴリラ・警視庁捜査第8班」が放送開始!!

渡哲也、舘ひろし、神田正輝…石原軍団が集結!伝説のポリスアクション「ゴリラ・警視庁捜査第8班」が放送開始!!

CSホームドラマチャンネルにて、石原プロ制作のポリスアクション「ゴリラ・警視庁捜査第8班」の放送が決定しました。


GW特別企画!CSホームドラマチャンネルで「鬼平犯科帳」「振り返れば奴がいる」「西部警察」など人気ドラマが一挙放送!!

GW特別企画!CSホームドラマチャンネルで「鬼平犯科帳」「振り返れば奴がいる」「西部警察」など人気ドラマが一挙放送!!

CSホームドラマチャンネルにて、「GWイッキに見せます!7DAYS」と題した特集放送を実施します。


CSホームドラマチャンネルで「鬼平犯科帳第4シリーズ」「剣客商売スペシャル」「西部警察」が放送決定!!

CSホームドラマチャンネルで「鬼平犯科帳第4シリーズ」「剣客商売スペシャル」「西部警察」が放送決定!!

CSホームドラマチャンネルにて毎月放送される人気企画「まるっとイッキ!」。このたび3月の放送スケジュールが明らかになり、20日(木・祝)には「鬼平犯科帳第4シリーズ」全話、30日(日)には「剣客商売スペシャル」3作品に加え「西部警察」の第1話から第12話までが一挙に放送されます。


BS松竹東急にて、水谷豊主演ドラマ「熱中時代」の新シリーズ『熱中時代・刑事編』が放送決定!!

BS松竹東急にて、水谷豊主演ドラマ「熱中時代」の新シリーズ『熱中時代・刑事編』が放送決定!!

BS松竹東急(BS260ch・全国無料放送)にて、毎週土曜よる6時~放送中の「熱中時代2・先生編」に引き続き、2025年1月11日より同時間帯で「熱中時代・刑事編(1979年・全26話)」が2話連続放送されます。


舘ひろしと渡哲也が共演!ヒューマンアクション刑事ドラマ「代表取締役刑事」が放送決定!!

舘ひろしと渡哲也が共演!ヒューマンアクション刑事ドラマ「代表取締役刑事」が放送決定!!

CSホームドラマチャンネルにて、事件に立ち向かう刑事たちの姿を描く人情と感動のヒューマン・アクション・刑事ドラマ「代表取締役刑事」が放送されます。


最新の投稿


昭和ノスタルジー全開!淡路島ゴジラコラボルーム「昭和東宝怪獣資料室」12/20オープン

昭和ノスタルジー全開!淡路島ゴジラコラボルーム「昭和東宝怪獣資料室」12/20オープン

淡路島のラグジュアリーヴィラ「GRAND CHARIOT 北斗七星135°」に、ゴジラコラボルーム『昭和東宝怪獣資料室』が2025年12月20日(土)オープンします。昭和東宝特撮映画に登場した怪獣たちが大集合し、複製台本や兵器の立体展示に加えて、ちゃぶ台や座布団を配した“昭和レトロ”な空間を再現。宿泊者限定でキングギドラのデザイン画アートボードなどの特典も充実しています。


熱海市×スナック横丁「熱海スナックツアー」販売開始!飲む人も飲まない人も楽しめる夜の熱海体験

熱海市×スナック横丁「熱海スナックツアー」販売開始!飲む人も飲まない人も楽しめる夜の熱海体験

オンラインスナック横丁文化株式会社は、熱海市、アサヒビール、JTBと連携し、体験型ナイトツアー「熱海スナックツアー」を12月10日より販売開始しました。昭和の趣が残る熱海銀座を舞台に、ガイド付きでスナック2軒を巡り、ノンアルコール対応のモクテルや人情味あふれるママとの交流を楽しむ、新しいナイトカルチャーを提案します。


歌声と美食に酔いしれる夜!昭和レトロアイドル増田樹乃の限定10名プレミアムディナーショー

歌声と美食に酔いしれる夜!昭和レトロアイドル増田樹乃の限定10名プレミアムディナーショー

複合型リゾート「オーパークおごせ」(埼玉県入間郡)は、昭和レトロなアイドル・増田樹乃氏によるスペシャルディナーショーを2026年2月7日(土)に開催します。限定10名というプレミアムな企画で、埼玉県の食材をテーマにした全8皿の豪華フルコースとライブパフォーマンスを提供。参加者にはサイン入りボトルワインもプレゼントされ、非日常的な空間で特別な夜を過ごせます。


ビックリマンAI名刺メーカー爆誕!あなたの顔が「スーパーゼウス」風に?40周年記念企画

ビックリマンAI名刺メーカー爆誕!あなたの顔が「スーパーゼウス」風に?40周年記念企画

ビックリマン「悪魔VS天使シリーズ」40周年を記念し、アル株式会社とロッテが共同で「ビックリマンAI名刺メーカー」を2025年12月16日から40日間限定で提供します。ユーザーが自身の顔写真をアップロードすると、生成AIがビックリマン風のキャラクター画像に変換。公式キャラと融合した名刺デザインを作成・購入でき、ファンが物語の登場人物になる体験を提供します。


タブレット純が語り尽くす!伝説の「エレックレコード」秘話&秘蔵映像を映画館で

タブレット純が語り尽くす!伝説の「エレックレコード」秘話&秘蔵映像を映画館で

神奈川県民ホールは、音楽イベント「KANAGAWA ロックサーキット」の第3弾として「タブレット純 フォークを語る~伝説のレーベル『エレックレコード』トーク&上映会~」を2026年1月23日にイオンシネマ座間にて開催します。昭和歌謡の伝道者・タブレット純氏とMUSIC LIFE CLUBの井口吾郎氏が、吉田拓郎、海援隊などを輩出したエレックレコードの知られざるアートと音楽カルチャーの軌跡を解き明かします。